実力差がそのまま出た試合〜日テレベレーザvs浦和レッズレディース(6月1日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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2日連続でなでしこリーグ観戦は初めてかもしれません。

■前半

さて我らが“オレの原ちゃん”率いるベレーザが迎え撃つ相手は好調の浦和レッズレディース。先日のアジアカップでも存在感を示した吉良・後藤の強力2トップを擁していますから、そこの突進力を生かすサッカーをやってきます。端的に言えば「縦に速い攻撃」ということになるのですが、それが実に丁寧かつスピーディー。猶本というタレントもいますから、あまりサイドは使わず、ワンツーを駆使して中央を突破していくスタイルですね。

 

 

ただ、吉良・後藤・猶本といった日の丸選手だけに目を奪われていては、事の本質を見誤ります。左SHの加藤(20番)が、実に良いアクセントになっていました。重心の安定した突破力は魅力十分で、ワタクシ、この日は奮発してメインスタンドで観戦していたのですが、その場合、前半の加藤はワタクシから見て遠いサイド。遠いサイドだと、どうしても、シッカリは見えないのです。にもかかわらずプレーの良さが伝わってくるということは、よっぽどのインパクトがあったということです。

 

 

一方のベレーザは、なんというか、「ベレーザベレーザベレーザであることを追求する」って感じ。なんと言っても、中盤が「籾木・原ちゃん・長谷川・隅田」という組み合わせ。足下で勝負する小柄なテクニシャン揃いです。どことなく去年だったかに我々に対して颯爽とした感動を与えてくれた吉武ジャパンを彷彿とさせる中盤の構成です。要するに「チビッ子ボランチ大集合!」みたいになっているのですが、こういう構成だと、試合によって当たり外れが避けられない。

 

 

簡単に言えば、アジリティとパスワークで相手のマークをいなせれば思う壺の展開に持ち込めるわけですが、それができないと途端に脆い。この試合のベレーザは脆い方のパターン。FWだかトップ下だかで起用されていた阪口夢穂の貫禄あふれるキープ力に“おんぶにだっこ”状態となっていましたね。本来ならポスト役であろう嶋田がもう少しキープできれば、多少は楽な流れに持ち込められたのかもしれませんが、そこは「がんばれ、嶋田!」と言うしかない。

 

 

■後半

 

とはいえ、前半は、概ね互角のままスコアレスで折り返します。が、後半に入って意外なかたちでゲームは動く。キーパーの曽山と、ベレーザCB、そしてハイクロスに突っ込んできた浦和FWが交錯。こぼれたボールを押し込まれます。キーパーチャージと言いたいところですが、正直これはですね、単純にベレーザ側のコミニュケーションミス。CBとGKが声を出し合えば避けることの出来た失点だったともいます。ボーンヘッドってヤツですな。

 

 

追いかける展開となったベレーザは同点ゴールを奪うべく支配率を高めます。もともと足下の技術には伝統的なスペシャリティがありますし、特にこの試合のスタメンは、技巧派が揃っていましたから、嵩になれば支配はできる。ただ、一方で、これは“支配していた”というより、“持たされていた”という側面の方が強かったかもしれません。外へと外へと追いやられるような展開ばかりでしたし、中央はほとんど崩せていませんでしたから。

 

 

むしろ試合全体としては浦和がコントロールしているようなイメージ。そこでベレーザベンチは起爆剤としてベテランの小林弥生を投入します。しかし、状況はなかなか改善されない。募るイライラ。そしてイライラが募っていたのは選手というよりも、むしろベンチ。ベンチと言っても監督ではなくコーチさん。しかし、ベンチのコーチがいくら熱くなっても、それでピッチ内の状況が好転するほどサッカーは甘ちゃんなスポーツではありません。

 

 

最終的には見事な見事なロングカウンターから代表戦士の後藤に、「あらよっ!」とばかりに決められてしまいした。ベレーザとしては状況打開のための選手交代が裏目に出たかもしれません。「前線でカラダを張ってガンバリますっ!」って選手がいなくなって、かえって高い位置でボールをキープできなくなってしまいました。

 

 

■日本代表への推薦状

 

□推薦者

・曽山加奈子

 

 

□推薦理由

 

浦和レディースが調子よいですよね。吉田靖さんが監督に就任して、着実なチーム作りを進めているらしく、首位に立っていたりします。王者INACが勝手に自爆しているだけという噂もなくはないですが、それはともあれ。やっぱり基本に忠実なチームというのは、見ていて気持ちいいわけですよ。中盤でボランチとCBがきっちりサンドイッチして相手を潰したり、チャンスと見るや、一気にギアアップしてなだれ込んでいったりとか。

 

 

しかも、そこに3人目、4人目の選手が絡んでいくってシーンが前半だけでも数回ありましたから、ベレーザ守備陣はペンペンにされてしまっていた。ほぼ完璧な崩しでGKと1対1まで持ち込んじゃったりなんとかしちゃったりして。そこで、曽山無双ですよ。序盤はキックが謎だったり不安定な側面も見せていましたけど、あたってましたねえ〜。1対1に強い。菅野とか、そういう系のキーパーですね。福元の壁は高いですけど、頑張ってもらいたいところです。