■日本 1 vs 0 キプロス[練習試合 05月27日]
第一印象としては、「まぁまぁ強いな」って感じ。そんなキプロスを相手に、それでも徐々に一方的に押し込んでいった我らがサムライブルー。「とはいえ、なんだかんだでカウンターの迫力があるから恐いかも」とか思っていたら、先制点が入りました。
ファーストアタックが跳ね返されて、それを山口がクサビのパス。香川と岡崎のコンビネーションでシュートまで持ち込むも、香川のシュートはミートしきれず。こぼれたところに内田篤人が飛び込みました。知らないうちにペナルティエリアに入っている感じが、「お前は、菅井か!」とツッコみたくなったのはワタクシだけではあるまい。
後半に入っても、キプロスは粘り強い守備を続けます。攻めこまれながらも、なかなか隙を作らない。日本代表も、今や瞬間風速的にアイドル化している大久保を投入して“祭り”状態を作りましたが、最後までキプロスの集中力は乱れることなく、10という渋い結末となりました。
そんなわけで、快勝を期待していたファンの目線に立てば、少し消化不良感がなくもなかったかもしれませんが、致し方ないでしょう。あれだけ規律あふれる守備を90分間遂行されれば厳しい。これが公式戦でしたらキプロスも前がかりになっていたでしょうから、追加点も効果的に奪えていたかもしれませんけど、最後までキプロスは「ワールドカップに出場するチーム相手に、どれだけ守れるか」をテーマにしたような戦い方でしたからね。そこは厳しいわけです。
にしても、キプロスの組織的な守備は素晴らしかった。特に前半の選手たち、なかんずく2列目左右のウイングには感心を禁じえません。攻め込まれれば最終ラインすぐ前まで戻ってきてカラダを張り、クリアすれば一目散に前へと走っていきハイプレスをしかける。
キプロスといえば、中継での説明を要約するならば「8割方ギリシャ」って感じらしいですね。通貨も同じで、よく意味はわかりませんが「コッカ」も同じらしい。「国家」ってことはないでしょうから、「国歌」ですかね。とにかく、ほぼほぼギリシャ。
そして、ギリシャといえば財政破綻して、にもかかわらず「緊縮財政反対!」「今までと同じくらいは楽して金を稼ぎたい!!」みたいなデモを起こしてしまう、そういう国民性だという印象があって、正直、“勤勉”という言葉からは程遠いイメージを持っていたのですけど、サッカー選手たちは勤勉なんですねぇ。最後の最後まで、しっかり規律を守っていた。
そういう相手を向こうに回したのだから、そりゃ、簡単にポンポンポンと得点を奪えるわけもないですし、“壮行試合(=お祭り)”としてではなく“仮想ギリシャのシミュレーション”として捉えるならば、大変にポジティブな試合となったのではないでしょうか。