高瀬の良さについてアレやコレや再認識してみる【なでしこvs中国】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■なでしこ 2 vs 1 中国女子[女子アジアカップ準決勝 05月22日]

キックオフからなでしこのリズムは良かったですね。五分の相手だと得てしてオープンになるもの。「これは見応えのある試合になるぞ!」なんて思ったのですが、残念ながらそれは少し甘い見込みでした。男子と違って女子は未だにカンフーサッカーの伝統を堅持しているらしく、そのカンフーサッカーでなでしこはリズムを失ってしまいました。タチが悪いというか何というか。そりゃ、松木さんじゃなくてもヒートアップするっちゅうねん。

・・・いや、松木さんだけかも。ヒリヒリする展開になると、ホント、松木さんって松木さんになるのですね。つられて大竹さんも「いやん、いやん」言い出す。ともあれ、コーナーキックから、なでしこが先制点をあげます。角度のないところから澤が決めたってんで、ワールドカップの決勝戦を彷彿とさせるものでしたが、それによって松木さんのテンションが「スーパー安太郎君」状態に。「こういうのを上機嫌って言うんだなぁ」ってのを感得させていただきました。

ともあれ澤の先制点を契機に、中国は焦り出す。自滅に近いかたちでリズムを崩す。なので相手のラフプレーさえやり過ごせれば完勝で終えられたハズなんですけど、そこまで都合よくは進んでくれない。中島がハンドを犯してPK。同点に追いつかれます。一歩ずれていればペナ外だったのですけど、まぁ、しかたない。

同点になってからは、リアルに互角。出川もビックリなくらいのリアル。そして延長へ。延長戦の前半は中国が最後の力を振り絞って攻勢に出てきましたが、そこを福元無双で凌ぐと、中国はガス欠になってくれました。ただ、そのことで、割り切って人海戦術ディフェンスに切り換えましたので、かえって厳しくなったという側面もあって、途中出場で途中交代となった木龍には可哀想な展開となりました。スペースがなくなりましたので、彼女が生きる流れでなくなって。

それでも、最後の最後、岩清水がコーナーキックから豪快に決勝点を突き刺して、感動的な結末となりました。元チームメイトの木龍の悔しさを代弁するかのようなゴール。こういうチームって良いですよね。しみじみと胸が熱くなりました。

ということで、木龍の悔しさを岩清水が晴らしたのですけど、同じように、この試合で悔しい思いをしたのが中島。その中島の悔しさをパワーに変えていたのが高瀬だったでしょうか。この試合の高瀬、特に1トップとなった後半の出来は、出色でしたね。高瀬というのは、度胸があるというか、マイペースな感じが、ときに試合中、ふてぶてしく見えてしまって、好感度が微妙なんですけど、そういう「場の雰囲気に飲み込まれない」精神力が、この試合では、ホントに頼もしかった。

何よりも持ち前のフィジカルが存分に生かされていました。中国のプレーは“ダーティー”というか“ラフ”って感じで、要するにイングランド的な、「ぶつかり合いにおいては、吹き飛ばされる側が悪い」って論理のプレーが目立ったのですけど、高瀬の場合は、そこで吹き飛ばされない。互角に渡り合える。

あと、比較的、相手のディフェンスが自由を与えてくれたのも良かったのかもしれません。「タックルで潰せなかったらゴール前を固める」ってスタイルでしたので、普段からポジショニングが不思議系な高瀬のファジーさが十分に発揮されていたと思います。