もう一つ地上波に期待するもの2ステージ制復活の周辺をウロウロと…/7

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※「構造的欠陥により白紙撤回か!?」みたいなことになってしまっていますが、2ステージ制を模索せざるをえなかった状況(Jリーグを取り巻く環境)や、導入によって期待される効果(現状のJリーグに必要とされているもの)について、本質的な部分が解決されたわけではないと思いますので、何事もなかったように継続いたします。。。

□日本代表ファンと地上波

というわけで、現状、地上波が持つ影響力は、やはり無視できないということなのですが、ポストシーズンを中心に全国ネットが復活したり、あるいはローカル局の放映が活性化した場合、どのような層が視聴者としてきたいできて、果たして、そういう人々がJリーグの新規顧客となっていってくれるのでしょうか?

視聴率について考えてみますと、一説には「前バージョンのチャンピオンシップは、最後の方になると15%くらいあった」みたいなことも言われていますし、対照的に、「せいぜい5〜6%だろう」と推測される方もいらっしゃるようです。仮に、不幸にして後者の結果となったとしましょう。それでもワタクシは、充分な効果が期待できると思うのですよ。

本シリーズ序盤のエントリーで、Jリーグが抱えている課題として、「日本代表人気がJリーグにフィードバックせず、日本代表ファンがJリーグサポーターにならない」という現象を指摘しました。Jリーグ創生期には、「代表を見る→Jリーグを見る」という流れが、それなりながら、確実に存在していた(ように記憶しています)。にもかかわらず、Jリーグにとっての生命線ともいえる、この流れがなぜ後景に退いたのか。これこれ「地上波放送の(事実上の)消滅」の影響だと思うのですね。

もちろん、日本代表の試合では、かなりの人数がスタジアムで現地観戦するわけですが、それでも多数派はテレビ観戦です。そういう、「テレビで日本代表の試合を見る人々」(ぼんやりサッカーに興味を持つ層)をどのようにJリーグに引き込むか。そのように考えたとき、「テレビで見るなら、有料放送」という現状の在り方だといかにも苦しい。

といいますのも、「テレビで日本代表の試合を見る人々」(ぼんやりサッカーに興味を持つ層)というのは、その時点では、Jリーグのチャンネルに加入していない可能性が非常に高いわけですね。だとしたら、日本代表ファンをJリーグに引き入れる構図は以下のようになる。

「日本代表の試合をテレビ中継でみる→サッカーに興味を持つ→Jリーグのスタジアムに足を運ぶ」

このからへのハードルが異常に高いわけですよ。例えば

「日本代表の試合をスタジアムでみる→サッカーに興味を持つ→Jリーグのスタジアムに足を運ぶ」

なら有り得ますよ。ただ、そもそもスタジアムに通う習慣のない人が、ぼんやりとした興味だけでスタジアムに行くかというと、高校生とか大学生が友達と連れ立ってとかならともかく、一般的には非常に難しい。やはり

「日本代表の試合をテレビ中継でみる→サッカーに興味を持つ→Jリーグをテレビ(地上波)でみる→Jリーグのスタジアムに足を運ぶ」

という段階が、どうしても必要なわけです。で、多くなくともそれなりには存在するであろう「代表をみてサッカーに興味が湧いたから、ちょっとJリーグもチェックしてみようかしら」って層を引き込むことを目的としたら、視聴率が5〜6%でも、その5〜6%は、Jリーグ的には‘即戦力’なわけですから、新規顧客獲得に非常に大きな効果があるのではないかと希望的推測をしてしまうのです。

□地上波とJリーグ顧客予備軍

いわゆる「日本代表ファン」の他に、Jリーグの地上波放送を見そうな層としては、次のような人たちが想定できます。すなわち、〈元サッカー部だった人〉、〈学生時代に教室の話題としてサッカーに親しんだ人〉、〈幼い頃、親に連れられてスタジアムに通っていた人〉、など。要するに、〈ズブの御新規さん〉というより、程度の差はあれ、〈かつてサッカーに親しんだ経験のある人〉ですね。

ワタクシは中学校から大学までバレー部一筋だったのですが、いまはバレーボールに余り興味がありません。入場料を払って現地観戦したことは一度もなく、「いつ、どこで、どういう試合があるか?」って情報を積極的に収集することもない。それでも、たまたまテレビのチャンネルをひねったきに「ニッポン、チャチャチャ!」ってやってたら、なんだかんだで見るのですよ。少なくとも暫くは。プレー経験があると、詳しい選手の情報がなくとも、上手い下手くらいはすぐに分かりますし、つまり、‘見方’がわかる。

プロ野球人気がしぶとく根強いのは、やはり幼少からの親子間のコミュニケーションなどを通じて、気がつけば見方がわかるようになっていたって人が多いからだと思います。なので、ワタクシも含めて日本人は‘一億総プロ野球ファン予備軍’と言えるでしょう。そういう、見方がわかる層、予備軍の人々は、地上波放送が再活性化すれば、ある程度、見てくれるんじゃないかと。

そして、「たかが20年、されど20年」、それなりの数のJリーグファン予備軍が日本には存在してるんじゃないかと期待したいのですよ。かつてグランドやスタンドでサッカーに親しんだ人々、こういう層が、地上波放送をキッカケにして、もう一度、〈Jリーグのためにお金を使う〉ようにはなってくれれば、Jリーグは改めて成長曲線に乗るんじゃないか、と。Jリーグ20年の底力を信じたいところです。