■なでしこ 2 vs 4 ドイツ女子代表[親善試合 06月30日]
先制点はドイツ。マロジャーンがカウンターからドリブルで攻め上がり、右SHのローツェンに展開。猛然と駆け上がってきた右SBのマイヤーに戻すと、そのままマイヤーがミドルシュートを突き刺しました。「右SBであるにもかかわらず左足でのシュートということは、マイヤーって、両足を使えるのかな?」とも思われましたが、後半に入って左SBに入っていたので左利きだったのかもしれません。ならば、左利きの右SBということになり、かなり意欲的な配置だったということになりましょうか。
なでしこも前半のうちに同点に追いつきます。中盤でリズムを作りつつあった宮間が縦一本で大儀見にラストパス。大儀見の胸トラップは少し大きくなりましたが、素早くクロスに切り替え。安藤と大野が居た内の大野を選択、場所的に安藤が上手く囮になった感じでゴールが決まりました。
しかし後半開始30秒でPK献上し、ドイツに突き放されます。直接的には田中明日菜がドリブルで攻め上がるケスラーに対し、尻もちをつきながら足を引っかけたことによるものですが、おそらく濡れたピッチに足を取られたって要素もありそうですし、そうであるならば前半から、なでしこにだけ頻繁に見られた現象ですので、‘フィジカルの差’ということになるのかもしれません。
それでも再び同点に追いつくところが‘勝者のメンタリティ’。宮間の狙い澄ましたスルーパスに反転で抜け出しかけた大儀見がファールを受けながらもシュート。これは枠を外しましたが、その際のドイツのプレーがファールと判定され、PAすぐ外からのFKを獲得。宮間が蹴ったシュートはバーだかポストだかを直撃、跳ね返りに反応した大儀見が押し込みました。宮間の技術と大儀見のストライカー能力が組み合わされた、なかなかハイレベルな得点だったと思います。
その後は比較的オープンというか、一進一退というか、やや日本ペースというか、ともかくグッドゲームのまま推移していきましたが、後半も40分を過ぎてから。ドイツのエースであるオコイノダムバビに勝ち越しゴールを許しました。最後は有吉の足に当たるなど不運な面もありましたが、試合を通じてオコイノダムバビにはペンペンにされていましたので、順当といえば順当な失点といえなくもない。残念ながら、単純に相手が1枚上でした。
そして、後半45分、4点目を奪われます。これまた直接的には丸山のミス。見事なくらいに勢いが余って、思いっきりボールホルダーを転倒させてしまったので、誰がどう見てもPK。ただ、この場面についても、その直前にオコイノダムバビに完璧にマークを振り切られて独走を許してしまっていたので、丸山の頑張りすぎた空回りだけの問題ではないでしょう。ともあれ全体としては、さほど悲観する内容ではなかったので、あまりスポーツ新聞等の評価を真に受ける必要はないと考えます。