■アレックス3変化[柏vs清水(03月24日)]
ゴドビが就任してからの清水って、地味に外国籍選手の補強が上手ですね。ユングベリに関しては、「お約束の結末」になってしまいましたが、ボスナーとかヨンアピンとか、しっかり戦力として機能していました。
なかでも無印良品計画なのがアレックス。Jリーグ史上、何人目の「アレックス」かは知りませが、余り注目されない一方で、エスパルスサポーター的には、「この選手がいなければと思うと、ゾッとする」って感じではなかったでしょうか。なんせ、便利屋さん。この試合でもCFで先発し、その後、選手交代の度に、SHさらには左WGとポジションをスライドさせていきました。
話は少し変わりますが、かつて、FC東京にワンチョペという外国籍選手が所属していました。世界的にもネームバリューの高い選手でしたので、覚えている方も多いかと思いますが、まあ、全く使えなかった。Jリーグ独特の素早い展開にフィットできなかったという、よくあるパターンなのですが、それよりこれより、何が使えないかって、大柄な選手であるにもかかわらず、ハイボールに全く競り合わない。
ゴールキックが飛んできても、ただ傍観している。純情な中学二年生が初めて恋心を抱いたときのように、「ただ、君(=ボール)を見ていた。見ているだけが精一杯だった」状態。身長の高い低いに関係なく、味方守備陣からのロングボールにジャンプして競り合わないFWは、Jリーグでは厳しい。
そういう意味でも、ここで話題のアレックスは非常に優良です。ちゃんと競り合います。外国籍選手というのは、多くの場合、日本人より体格的なアドバンテージがありますので、勤勉で汚れ役をこなせるとなれば、非常に重宝されますよね。特に、この試合では、途中からCFに入ったジミーフランサがワンチョペ状態でしたので、アレックスの優良さ加減が際立っていたように感じました。そりゃ、アルアインに(待遇的)栄転を果たすってもんです。
■「素顔」と書いて「けいすけ」と読む[松本vs京都(09月08日)]
この試合の前半、松本は京都に圧倒されまくりました。その中で孤軍奮闘していたのが、チェスピン選手です。
この選手のプレーっぷりは、見ていて、なかなか爽快です。けれんみがないと言いましょうか、判断に迷いがないのですね。常にファーストチョイスはシュートです。CFとして起用されているわけですから、当たり前と言えば当たり前なのですが、その当たり前をなかなか実践できないのが、日本人FWに共通する悪癖ですね。
で、シュートのコースがないとき、あるいはシュートモーションに入るためのスペースが不足しているとき、そういうときにこの選手は、セカンドチョイスとしてドリブルを仕掛けます。この辺りも見ていて気持ち良い。しかし、だからといって、どう見てもムリ目なシュートやドリブルをするほどエゴイスティックではない。ちゃんとケースバイケースでパスも出します。
ちなみに、この選手がシュートに拘るには、ちゃんと理由がある。ブレ球を流れの中で蹴れるらしく、前半はそれこそブレ球ミドルを連発していましたよ。ここまで説明してきて、チェ選手って誰かに似ていませんか?
そう、我らがザックジャパンのエース、本田圭佑にプレースタイルが共通するのですよ。フィジカルも強いですし。如何せん1つ1つのプレーのクオリティが本田圭佑に比べて落ちるのと、60分を過ぎると途端にヘロヘロになって試合から消えてしまうのが玉に傷ですけど。ともあれ、この選手が日本人に帰化してくれれば、万一、本田圭佑不在の状況になっても心強いですね。
その時には、是非とも、「崔素顔」を名乗って頂きたい。だって、「チェスピン」ですから。ほとんど「チェすっぴん」みたいなもんです。そりゃ、「崔素顔」でしょう、と。
、、、お後が宜しいようで・・・
■サミルに夢中[ヴェルディvs福岡(09月14日)]
ワタクシ、ヴェルディ戦では「Vシート・アウェイ」を購入して観戦することにしています。この日は西が丘での試合でした。西が丘だと、「Vシート・アウェイ」は、ホームスタンドアウェイ寄りになるんですね。つまり、ベンチが、目の前。そりゃ、普段はみられない、ベンチ近辺の人間劇場に目が奪われっ放しになるってもんです。
ワタクシの視線を釘付けにしたのは、アビスパのサミル選手。この日ベンチスタートとなったサミル選手(結局、出番なし)ですが、ブラジル人らしからぬ勤勉なキャラクターなんですね。いわゆる一つのナイスガイ。ジャパニーズ部活でもやっていけるタイプです。
前半、オズマールが何やらベンチに近づいてくる。どうやら水を飲みに来た模様。それをいち早く察知したサミル選手はすかさず小走りでボトルをオズマールに届けます。ただ、これだけならば、ブラジル人選手同士、ポルトガル語でのやりとりがあったのかな、くらいのものです。やっぱりブラジル人同士って仲が良いんだなぁ、と。
しかし、サミル選手の真骨頂は、ここから。後半に入ると、坂田選手にボトルを届けようとする。生憎そのとき坂田選手は給水を必要としていなかったようですが、その後もキムミジェ選手などに、さかんにボトルをお届け、そして、やはり断られる。
もうね、どれだけ良い奴なんだ、と。後半20分くらいに、末吉選手が投入され、堤選手が退きます。堤選手は、そのままベンチに腰掛ける。これが、この試合で1枚目の交代カードで、まだ2枚残っていましたから、ベンチメンバーは、アップを続けながら、出番を伺います、黙々と。そんな中、サミル選手は他の選手とは違います。1人だけ、一瞬、アップを中断してベンチに駆け寄り、堤選手に何やら「グッジョブ!」的な言葉を掛けて、颯爽とアップに戻っていきます。疲れたチームメイトには、まず労をねぎらわなければならない、なんて思いやりに溢れているんだ。凄いぞ、サミル!!