モンテレイGKの横っ飛びに目を奪われつつ、選挙速報モードのサッカー中継に思いを馳せる【アルアハリvsモンテレイ】&【コリンチャンスvsチェルシー】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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アルアハリ 0 vs 2 モンテレイ[CWC3位決定戦 12月16日]

「さてと、全体のフォーメーションから確認せねば・・・」とか思っていた開始早々の3分。モンテレイがあっさりと先制してしまいました。開始0分の時点でオフサイドになった幻のゴールもありましたから、‘ラッキーパンチ’というと失礼かもしれませんが、まぁ、そういうゴール。

その後はアルアハリが一生懸命に攻めますが、なかなか得点には結びつかず。逆に、後半20分過ぎにカウンターからデルガドがGKとの1vs1を制し、追加点を挙げました。それまでは、〈勝手にトラップに引っかかったオフサイド〉を繰り返していたモンテレイですが、決めるときは決めます。

モンテレイが先制してからは、〈アルアハリがボールを支配して、モンテレイはカウンターのチャンスを窺う〉という構図で試合が進みました。アルアハリのポゼッションの起点は、ご存じアブトレイカ。彼が前を向いたときには、一気にチャンスが広がります。ただし、せっかくアブトレイカが局面を打開しても、そのパスを受けた選手が・・・。折り返しというかラストパスが、どうも冴えない。

理想としては、アブトレイカが2列目両サイドにスルーパスを出し、そこから精度の高いボールをPAに戻すという、「クサビ→中→外→中」という展開を作り出したかったんだと思いますが、なかなかそういう場面を作れません。

歯がゆい状況が続いたまま、ハーフタイム。後半が明けてからは、アルアハリも少し作戦を変えてきます。単純な話で、「ラストパスを出せないのであれば、ミドルシュートをガンガン撃っていけ」ということですね。で、そういう展開となると、俄然、存在感を増すのがGKです。後半のオロスコは、目立ちまくりでしたね。派手な横っ飛び連発でした。

こういう、(キーパーとしては)小柄だけれども抜群の反射神経で、やたらとカメラ映えするタイプのGKって、Jリーグには、ほとんどいなくなりましたね。昔はマリノスの松永とか、フリューゲルスの森みたいなキーパーもいましたけど、最近ではレイソルの菅野くらいでしょうか。

90年代後半からの10年くらいは〈川口楢崎体制〉が続いて、それは「重厚なタイプか?動き回るタイプか?」というGKの理想像をめぐる争いでもあったわけですが、近年では楢崎タイプで落ち着きつつあるんですかね。「キーパーとてフィールドプレーヤーばりの足技が必要」という意味では川口タイプのDNAも受け継がれていますが、横っ飛びが賞賛されることの少ない時代になったように思います。

コリンチャンス 0 vs 1 チェルシー[CWC決勝 12月16日]

なんとなんと先制点はコリンチャンスボランチパウリーニョアタッキングサードに進入すると、そこに縦のクサビパスが入り、一気にギアアップ。パウリーニョがそのままPAに突撃すると、こぼれた球がダニーロの足下に。ダニーロのシュートは防がれましたが、エースストライカーのゲレーロが頭で押し込みました。うん、勝負強い!

どうにかこうにか同点に追いつこうとするチェルシーですが、試合終盤になってCBのケーヒルが一発レッドで退場。まぁ、ジャイアントキリングの典型的なパターンですよね。これで、ベニテスの失脚は決定的に。それでもアブラモビッチは三木谷さんばりに学習しないのでしょう。どうも、事業で成功した人には「スポーツに素人が介入してもロクなことはない」ということが、どうしても理解できないらしい。

さて、CWCの開幕以来、‘サッカーの母国vsサッカーの王国’という構図が、やたらめったら喧伝されていた、このマッチアップ。そうですねコリンチャンスが所属するブラジルはサッカーの王国で、チェルシーが所在するイギリスはサッカーの母国とされています。

イギリスと言えば、サッカーだけでなく民主主義の母国でもあります。名誉革命とナントカ革命が市民革命の先鞭を付け、やがてフランス革命やらアメリカ独立やらで、どうとかこうとか。まぁイギリス流の民主主義と資本主義が世界を席巻したりすることなく、各地域が「世界史化」せず、各々の地域なりに独自の歴史変遷を遂げ続けられる世界のままであったほうが人類は幸せだったんじゃないかという気がしなくもないですが、ともあれ、近代社会のスタンダードを作ったのはイギリスです。

そして、何の因果か、そのサッカーの母国がクラブチーム世界一を目指し戦ったこの日は、日本では民主主義の母国に制度的模範を持つ‘総選挙’なんて催し物がありまして、試合途中だというのに「では3分間の選挙速報に画面を切り換えます」とか言い出す。

てゆうか、全局が横並びで選挙速報番組を朝までダラダラ流し続ける必要が、どこにあるんだ?「右に倣え!」なのか「国民的行事だから・・・」なのか知りませんが、〈民主主義の根幹たる衆議院選挙を、全体主義的なスタンスでテレビ局が放映する〉というコントラストが、なんとも皮肉というか何というか。

・・・まだ、我々は良いのですよ。有権者ですから。今回も一応、近所の学校まで足を運んで、「あぁ体育館ってこんな感じだったなぁ」とか感慨にふけつつ、縁もゆかりもない中学校の校歌を眺めてきたりしました。でも、非有権者(=若年層)にとっちゃ、ただただ迷惑でしょう。全局横並び選挙速報なんて。もはや、選挙にかこつけてテレビ局が非有権者イジメをしているとしか思えないのはワタクシだけでしょうか??