監督交代の周辺をウロウロと…/4【ガンバ大阪編】

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にしても、カズのネームバリューって凄いなぁ、とスポーツ新聞のweb判を眺める度に感じる今日この頃、皆さんにおきましては如何お過ごしでしょうか?

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2012年シーズンは、やたらと監督交代が多いシーズンになっていますね。

まぁ、シーズンの途中で監督を替えなければならないってことは、その時点でフロントに何らかの過失があるとも言えるのですが、とはいえ、そのリスクは全チームが等しく負っているわけで、「監督が交代になった=フロントがダメダメ」ってことにはならない。やはり、監督交代に至ったプロセスを個別具体的に考えた上で、各クラブのフロントに対する評価を与える必要があるでしょう。

てなわけで、そういったことを考えていくなかで、「下の下」と言わざるをえないのがガンバ。

ただ、まず指摘しておかなけばならないのは「西野解任の時点でわかっていたこと」とか、「西野さんを切ったからダメフロント」とか言うのは違うってことです。

あくまで、それは結果論であって、シーズン(あるいはキャンプ)始動前の段階では、「西野時代より更にステップアップしたね」ってなる可能性は、そうならない可能性と同じだけ存在した。もちろん確率の問題はあるでしょうけど。

ガンバフロントのミスは、「ロペスと心中する仕組みを作り切れなかったこと」、これに尽きます。勿論、ロペスと心中していたら上手くいってたかと言うと、必ずしもそれは断言できません。ただ、仮にロペスがダメ監督であったとしても、フロントへの評価が「下の下」ということにはならなかったでしょう。せいぜい「下」です。

つまり、ガンバは西野さんの跡をロペスに託そうとした。そして先例や、必要最低限の根回しの範囲ならゴーサインが出るはずだった。ところが、より規定を厳密化しようという昨今の趨勢のなか、予想外のストップがかかった。ここまでのプロセスは「中の下」です、ワタクシ的に。

そこで、かつてヴェルディで李さんが実質的な指揮を執ったときのように、「お飾り」を連れてきた。これまた、特段の過失ではない。問題は「お飾り」だから、特に能力を問わずに連れてきたセホーンが実際的な影響力を行使して、チームを率いてしまったことにある。

おそらく、ここがガンバのフロントにとって最大の誤算だったのではないでしょうか。

ガンバの「西野からの卒業」路線は、おそらく2011シーズンの、かなり早い段階から存在していたと思います。西野さんというのは、いかにもビッグクラブ向きの指導者で、札幌の石崎さんみたいに、ドンドン若手を起用していくってことを、あまりしない。

「最低限これくらいのレベルに達してないと、うちでは試合に出れないよ」ってラインが非常に高いわけですね。だから、Jクラブのなかでも屈指の育成力を誇るガンバユースが、幾ら人材を供給しても、ロクに試合に出ないまま移籍ってパターンが、割合として多い。

ヨーロッパのビッグクラブならば、ごく当たり前の現象ですが、なんといってもガンバの親会社は松下ですからね。まあ、良くも悪くも「日本型経営体質」の権化なわけですよ。

やはり、ヨーロッパのクラブや、おそらく日本の他のJクラブに比べて、「せっかく育てた人材を流出させるとは何事か!人は石垣、人はナンチャラ、人という字はなんだこりゃ」みたいな圧力が、実際にお金を動かせる人からかかってもおかしくない。

だから、ガンバのフロントは、武者修行に出していた若手を呼び戻し、チームを改造するという方向転換を志向し、そのために首脳陣一新ってなわけで、ロペスに白羽の矢を立てたのでしょう。当然それなりの時間をかけて、シッカリと調査もしたものと想像されます。というか性善説に立って、シッカリ調査したと信じます。

ただ、セホーンは、事情が違う。「ライセンスを持ってれば誰でも良い」くらいの感覚で、”取り敢えず”連れてきたと思われます。だからガンバが心中すべきパートナーはセホーンでなくロペスでなければならなかったはずです。

しかし、にもかかわらず、セホーンがイニシアチブを握ったわけですね。それは、セホーンが思いのほか出たがりだったからなのか、日本国籍取得者であるロペスが名分論を尊重しすぎ、年長であり且つ肩書き上も上位者であるセホーンに遠慮をしてしまったからなのか分かりませんが結果として、「ロクに下調べもしなかった過去の人」にクラブの命運を委ねることになってしまった。

そのあたりのマネジメントが、決定的に杜撰だったと言えるでしょう。意中の人がロペスであった以上、名目上の監督でしかないセホーンに発言権を持たせてはいけなかったわけで、極端な話、「わたしはチームに対して、ベンチに座る以外、何もやりません」という念書くらい書かせるべきだったと思います。

要するに「ロペスがダメ」という理由ではなく、「セホーンがダメ」という理由で監督を交代させなければならなかったところに最大の問題があり、ゆえにガンバフロントは「下の下」なのです。