フジの中継に難癖をつけつつ、UAE戦のテストマッチとしての意義に疑問を呈す【ヤングなでしこvsドイツ】&【日本vsUAE】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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こうもサッカー関連の出来事が目白押しだと、ついつい贔屓のクラブのない身としては、「そういえばナビスコだった」と試合が終わって気づくハメになってしまいがちな今日この頃、皆さんにおきましては如何お過ごしでしょうか?

ワタクシは別館4thDayMarketCentreを更新しております。

□町田は選手交代で息を吹き返した、とかなんとか言っちゃって町田vs岡山(09月02日)その2

□終盤までは町田ペースで試合が進んだ、とかなんとか言っちゃって町田vs岡山(09月02日)その3

□同点ゴールはよく見えなかった、とかなんとか言っちゃって町田vs岡山(09月02日)その4

■U-20日本女子代表 0 vs 3 U-20ドイツ女子代表[FIFA U-20女子ワールドカップ 09月04日]

電光石火で先制点を奪われるという波乱の幕開け。そして、ようやくリズムが出てきたかなって場面で追加点を奪われます。ドイツが簡単に最終ラインとキーパーの間にフワッとしたパスというか適当な蹴り出しというか、そういうのを入れたら、あら不思議、マロジャーン選手がフリーで抜け出せてしまって屈辱的なループが転々と転がり込んでいきました。こうなったら、どうしようもありませんね。相手は止まりません。コーナーキックから頭一つ打点の高いジャンプを繰り出した11番のロッツェン選手がヘディングを練習かといわんばかりの美しさで突き刺し、3点目、勝負の帰趨は明白となりました。

後半はそれなりに攻めましたが、まぁ、実力の差を見せつけられた完敗でしたね。もう一回やったとしても、なかなか難しいでしょう。

キックオフののっけからフィジカルの差を見せつけられたヤングなでしこ。中盤より、やや日本のゴール寄りの位置で、守備対応しようとすればドリブルする相手に引きずられ、攻撃においては相手ディフェンスに吹き飛ばされるってシーンが、何度も何度も繰り返されました。

それから、パスが繋がりませんでした。キックミス的な要素もなくはなかったですが、ほとんどは基本的に相手が‘パスカットできてしまった’という形。パススピードが少し弱くって、たぶん、これまではそれでも繋がっていたのが、ドイツの場合、リーチが長い、足がヌッと伸びてくる、ロングパスも届かない高さのはずなのにヘディングで跳ね返せてしまう。だから、そのほんの少しのパススピード不足が命取りになってしまう、そんな感じでした。

こういう、「いつもの違う」ってシチュエーションで、しかも先制パンチを食らったことにより、ヤングなでしこはリズムを完全に崩し、そのままズルズルと立て直せないままタイムアップになってしまった、そういう試合だったように思います。

で、リズムを崩して、「いつもと違う」という感じになっていたのはフジの放送陣も同じ。皆さん、気づきましたか? この試合、結局、最後まで一度もドイツのスターティングラインナップとかフォーメーション図とか、メンバー紹介のスーパーが出なかったんですよ。・・・ありえん。

もともと、大会を通じて、この放送陣は相手チームのラインナップ紹介が遅かった。前半15分くらいになってようやく、って感じ。でも、まぁ、それはまだ許せます。いろいろ事情があるのでしょう。そもそも、それほど受容もないのかもしれませんし。ただ、最後まで全く出さないというのは、どういうことか。

何度も放送中、同年代の同性代表をヤングなでしこに仮託してスタジアムに集ってみたところ、そこで繰り広げられるサポーターの一体感に(良い意味で)半トランス状態となって応援にのめり込む‘イケてる’系の可愛い女の子とか、やはり‘同世代祭的’な感じでスタジアムに駆けつけた短いスカートをはいた制服姿の可愛い女の子とか、熱投甲子園みたく両手を顔の前で結んで祈りを込める古式ゆかしき可愛い女の子とかを映していましたが、そんな暇があったら、メンバー表を出せよ、と。

・・・言い過ぎました。可愛い女の子を映してもらうことに関しては何一つ不満はないというか、むしろ大歓迎なわけですが、優先順位としては、ねぇ、いくら多くの視聴者がドイツ代表のラインナップに関心がなかったとしても、相手チームの基本情報を紹介するというのは放送局としての最低限のマナーでしょう。

■日本代表 1 vs 0 UAE代表[キリンチャレンジカップサッカー2012 09月06日]

「駒野のクロスからフーフナ-マイク」。アナさんの実況が、まさに簡にして要。駒野のクロスも正確でしたし、ハーフナーの高さについては、こういう部分が前面に出てこないことには代表に彼の居場所はなくなっちゃいますからね。これで、しばらく彼が代表から外されることはなくなったかもしれません。ワン&オンリーは強いですからね。

それにしれも、放送の実況でも盛んに繰り返されていたように、UAEはグッドチームでした。ハーフナーのゴールにしてもUAEに何らかの過失があったと言うよりも、アジアレベルを超越したプレー(クロスとヘディングシュート)が2つ積み重なって、ようやく掴み取った得点でしたし。

UAEの特徴は、淀みがない攻守の切り換えだったのではないでしょうか。まず、守備のブロックをしっかり作る。高い位置で連動したプレスを掛ける。そして、良い状態でボールを奪えたときにはショートカウンターを発動させる。それが出来なければ低い位置からロングカウンターを仕掛けるなり、ロングボールを放り込むなり、そのあたりのメリハリが利いていました。

ここまで書き連ねてきて、フと思ったのですが、UAEの、このチームって、どことなく関塚JAPANに似ていませんか。ショートカウンターを基盤に、攻守の切り替えが早く、できればパス交換から滑らかに人数を掛けた攻撃に移行したい、みたいなところが。

しかもUAEは、関塚JAPANがそうであったように、人数を掛けられるときには掛けてきました。焦れずに守るというのが大前提のチームでしょうから、そうそうSBはオーバーラップしません。ただ、そのSBが両方ともに高い位置取りをする状況がありました。それはアブデゥルラフマンが、自分の間合いで前向きに持ったとき。この10番の選手、自分の間合いに入ると、メチャメチャ上手いですね。早め早めにチェックしてしまえば、ある程度は抑えられそうですが、前を向かれると相当に厄介。彼が絡んだときのUAEの攻めは、なかなか迫力がありました。

というわけでフレンドリーマッチとしては、これ以上ない相手とテストを行うことが出来ました。協会は良い仕事をしました。

といいますのも一応、短期的な目標は9・11(おぉ!「9・11」か…)のイラク戦にあるわけですから、そこから逆算をしてマッチメイクをするわけですね。一般的には、本番のイラクを「10」としたとき、久しぶりの試運転にあたる08月15日の親善試合は「8」くらいの強さの相手、直前の最終チェックにあたる今回は「9」くらいの強さのチームを選ぶというのが常套的な方法論だと思われますが、ベネズエラの強さは「8」くらいでしたし、ちゃんと協会も、その方向で動いたらしい。なんでもかんでも「客の呼べる強豪国」を呼ぼうと躍起になっていた一昔前を思うと、自分のことを浦島太郎かと勘違いしそうになります。協会のマッチアップも「強化」という意味合いにおいて、合目的的になったものです。

ただ、ひょっとして今回のUAE「10」で、イラクが「9」なんてことはないかしら?監督はジーコだし。だとしたら、協会の目論見は見事に外れてしまったことになっちゃいますね。「果たして、本番より強い相手とのテストマッチテストマッチとしての意味を持つのか?」的な疑問を呈さずにはいられません。まっ、WCの最終予選は、そんなに甘くはないでしょうけど。