いよいよ世間はオリンピックモード。老いも若きも、猫も杓子も「なでしこ!なでしこ!!メダル!メダル!!」と、期待という名を借りた重圧をかけ続けている今日この頃、皆様におきましては如何お過ごしでしょうか?
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先制点は杉本が決めました、とかなんとか言っちゃって東京Vvs鳥取(07月15日)その4
後半のヴェルディは小憎たらしかった、とかなんとか言っちゃって東京Vvs鳥取(07月15日)その5
後半の鳥取は「岡野を見る会」だった、とかなんとか言っちゃって東京Vvs鳥取(07月15日)その6
前回に引き続き関塚さんによる選手選択のメカニズムについて、ワタクシなりに想像してみました。
選手選考の注目点は、なんといっても大迫の落選でしょう。この決断については非常に残念。
もちろん「残念」というのは「関塚さんに失望した」という意味では決してなく、個人的に大迫のことを応援していたので、「大迫をロンドンを見れなくて寂しい」という意味です。
大迫が落選した理由として、大きく2つのことが言われています。
得点力(直近のゴール実績)に不満
トゥーロンで輝けなかった
このうちについては、「では何故、杉本なんだ?」って部分との整合性が付かない。
ワタクシがスタンドから杉本を観戦したのは、今シーズン、6月に国立で行われた岐阜戦とヴェルディにおけるラストマッチとなった味スタでの鳥取戦だけなので、なんとも断定的なことは言いづらいのですが、杉本って、ヴェルディに移籍した後も、着実にレギュラーを確保している一方で、絶対的なスコアラーといった感じではないですよね。
点を取ってなくはないが、J2という舞台、しかもヴェルディという比較的お膳立てをしっかりしてくれる中盤を擁するチームに所属していることを踏まえると、の部分で大迫に比べてそこまで圧倒的な優位にあるとは考えづらい。
仮に多少のアドバンテージがあるとしても、それが、「中盤の各選手が長い時間をかけて醸成してきた大迫とのコンビネーション」を犠牲にしても十分にお釣りがつくのか、と言われば若干の疑問符が付く。
むしろ、大迫が落選した主要因はなのではないか、と。
トゥーロンは地上波で放映されたエジプト戦しか見ていないので、大迫自体の出来にそれほど強いイメージはないものの、もろもろの情報を総合すると、「良くはなかった」ということになるようです。
これは鹿島サポさんのご意見を伺うのが手っ取り早いのですけど、大迫ってポストプレーに限れば、この世代を超えて、Jリーグ全体でも上位に位置付けられると評価しているのですが、実は、マリノスとかグランパスとか、強力CBを相手にすると、途端にパフォーマンスが低下するみたいな傾向とかがあるんですかね?
つまり大迫の場合、Jリーグであったり、アジア予選レベルなど、自分と同等のレベルの相手であれば十分に通用するが、フィジカルやテクニックで上回るCBを相手にすると急激に厳しくなるってようなことがあるのかもしれません。
ともあれ、そうやって考えると、トゥーロンを関塚さんがどう位置付けていたかが透けてみえてきます。
例えばトゥーロンで活躍した宇佐美が代表に選ばれました。
「潜在能力」やら「センス」やらといった、「実態を伴わない〈観念〉」で本番のメンバーを選ぶほど関塚さんも落ちぶれてはいないでしょうから、やはり「現時点で確実に発揮できるであろう実力」で宇佐美を抜擢したかと思われます。
いま、敢えて「抜擢」という語を用いましたが、クラブにおける直近の状況であるとか、このチームで残してきた実績であるとか、常道的な選択基準でいけば、本来、宇佐美は厳しい。繰り返しになりますが、「潜在能力」やら「センス」やらといった、「実態を伴わない〈観念〉」をさておけば、宇佐美の選出は「抜擢」そのものです。
そして、その「抜擢」の背景にあるのは、トゥーロンでの大活躍、これに尽きるでしょう。
つまり、トゥーロンは文字通りの「試金石」で、ここでダメだった選手は選ばないという大方針があったのではないでしょうか。
そう考えると大迫の代わりに選出されたのが指宿でなかった理由もスッキリします。
逆に言えば、杉本が選出された理由とは、「トゥーロンでミソをつけなかったこと」であったりしないだろうかとの疑念も禁じ得なくなります。
すなわち、J2に所属していた杉本は、紳士協定的なものを含めた諸事情、ないしは単純な戦力構想の問題により、トゥーロンに帯同しなかった。
それは、すなわち、「トゥーロンで試した結果、宜しくなかった」との烙印を押される機会もなかった、ということを意味します。当然、「トゥーロンで試した結果、いけそうだ!」との太鼓判を得る機会もなかったということでもあります。
なので、大迫なり指宿なりがトゥーロンで関塚さんを満足させられれば、杉本は圏外のまま終わったのかもしれません。しかし、残念ながら、大迫も指宿も、そこで上手くいかなかった。その結果、消去法による繰り上げが発生し、「ダメであることが確定した大迫や指宿より、ダメであることは確定していない杉本」という結論に至った、みたいなこともあるんじゃないか、とか思います。
仮に上述の推論が一定の事実を反映しているとするならば、それはそれで、選考基準としては明朗で適切だと思いますが、結果的に「トゥーロンにいなかったことにより、ダメということにならなかった」という一面が杉本選出の背景にあるんだとしたら、皮肉なことではあります。