CWCの周辺をウロウロ振り返る

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つうわけで、別館4thDayMarketCentreもよろしく哀愁

「臨海=暗黒期」説の界隈をサラッと。

「原口=救世主」説の界隈をサラッと。

アイスランド=非イングランド」説の界隈をサラッと。

「なでしこ=プロにあらず」説の界隈をサラッと。

柏レイソルvsモンテレイ(12月11日)

柏   19 18       モンテレイ  19 26

  15      10            18      11

     7 28                 17  8

  22 3 5  4            5  15 21 4

     21                   1

田中順也とのコンビからレアンドロ・ドミンゲスが美しすぎるボレーシュートで柏が先制するも、縦パス→19番(ベルガド)のクロス→スアソ(26番)で同点に追いつき、その後、延長戦とか、なんやかんやがあって、PKでレイソルが勝った試合ですね。

まぁ、予想通りに北中米チャンピオンは強かったですよね。キックオフからの15分間で、完璧にレイソル守備陣を崩してフリーのスアソがシュートを撃つって場面が2回もありましたし。

ゲーム序盤、全体のフォーメーションを確認しながら見ていたのですが、一瞬、「何や、最終ラインの、この高い設定は!?」とか戸惑ってしまいました。と、言いますのも、17番の選手(サバラ)がCBのようにもボランチのようにも見えて、仮にCBだったとしたら、異様に高い位置にポジショニングしているわけですよ。

実際はボランチだったので、「そりゃCBよりは高い位置にいるよね」って話なんですが、何故ゆえ、このような混乱が生じるかと申しますと、モンテレイは攻撃に移るた、左右両方のサイドバックが同時にオーバーラップしていくのですよ。で、その分17番が3バック気味に下がる、ってメカニズムだったわけですね。

なんだか微妙な既視感があったわけですが、つらつら考えるにサンフレッチェのサッカーに似ているんですね。攻撃に移るときにボランチの1枚が下がることで全体の押し上げを促す、という。17番の動きは、サンフレッチェにおける中島であったり森崎和幸であったりの動きを想像すれば、だいたい近い感じになります。

ただ、攻撃において17番が低い位置を取るということは、Wボランチの8番と17番の距離が遠くなるということです。両者が縦に離れてしまうことで、真ん中の危険なところにスペースができてしまい、後半の序盤はそこを柏が上手く使っていました。また、17番が守備、8番が攻撃に分割することで、チーム全体としても守備と攻撃に2分割されてしまい、モントレイは、なかなか前線にボールが届きませんでした。

てなわけでモントレイも、後半の途中から8番と17番の役割を入れ換えて、8番にバランスを取らせることにより、全体がオーガナイズされるようになり、17番の前への推進力も十全に発揮されるに至りました。その後は、一進一退の緊迫感あふれる熱戦でした。

ちなみに、この試合の特に前半レアンドロ・ドミンゲスがエキサイトして随分やりあっていましたね。例によってWikipediaで調べたところ、メキシコ語はスペイン語の派生形らしい。そしてスペイン語ポルトガル語は、日常会話なら問題ないくらい似通っている(と友人に聞きました)。

しかもモンテレイはアルゼンチンやチリ国籍の選手もいたりして、要するにレアンドロ・ドミンゲスと言葉が通じる選手ばかりなんですね。きっと、そこでは汚いスラングが飛び交っていたに違いありません。

モントレイvsエスペランス(12月14日)

モントレイ       エスペランス

18  9  11         15

  20 8        18  28  26

   17           19 21

5 15 21 24     12 3 29 6

    1            1

ほぼガップリ四つの中、やや劣勢だったエスペランスの15番(ヤニック)がフィジカルを生かした個人技から先制。すかさずモンテレイコーナーキックからのこぼれ球を21番が右足で射貫き同点に追いつくと、同じくコーナーキックを9番(デニグリス)がヘッドで完璧に捉えて勝ち越す。後半に入ってもモントレイの勢いは衰えず、デニグリスのヘッドでの落としにオーバーラップした17番が飛び込み、3点目を奪います。エスペランスも意地を見せ、後半はモントレイが抑えたこともあり、一方的に攻め立てて、PKから1点差に追い上げましたが、そのまま32でタイムアップとなった、という試合。

似た者同士の対決となりましたね。両チームとも中央からのショートパスに適宜ミドルorロングパスを交えながら、リズミカルに攻撃を組み立てるチーム。初戦、相手のアジアのチームを圧倒しながらもウッカリ負けてしまったところまでソックリですね。

そういう両チームですから、守備の対応もガッチリと噛み合ってしまいます。なんせ相手が自分たちに似ているということは、練習中の紅白戦のようなノリで対応していれば、だいたい適切な対応ということになるわけですから。もう、中盤の潰し合い合戦ですよ。

そんな中、エスペランスはロングボールで活路を見いだそうとします。一方のエスペランスは、中盤の逆三角形が流動的かつ神出鬼没に動きながら隙を伺い、特に右SB裏のスペースを20番が突っつき、そこからの折り返しからチャンスを生み出していました。

この試合もそうなんですが、大会を通じてGKのファインセーブやゴール前で体を張ったDFのシュートストップが目立った印象があります。もちろん、それはキーパーでありDFのファインプレーであるわけですが、それ以上にシュートの撃ち手のコントロールが良かったんだと思います。

で、その背景には日本人Jリーガーとは少し異なったメンタリティがあるのかな、なんて思うわけです。Jリーグを見ていると「技術ならば世界でも通じる」日本人の集団であるにもかかわらず、ゴールの枠を捉えられないシュートが非常に多い。

このような現象が何故に発生するかというと、おそらく日本人フットボーラーにとっては、「枠を外すこと」より「シュートを正面に撃ってキーパーに防がれること」の方が、恐怖の量が多いということになるんだと思います。それに対し、アフリカ王者なり北中米カリブ海王者的は「シュートを正面に撃ってキーパーに防がれること」への恐怖が少ない。この差がどこから来ているのか分かりませんが、なかなか興味深いコントラストでした。