ミステリアスの向こう側をウロウロと…2011年シーズンのJリーグを振り返る・選手の群像編

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横浜FCの界隈をサラッと。

洪水の界隈をサラッと。

日本人的メンタリティの界隈をサラッと。

指宿の界隈をサラッと。

世の中には解りやすい人もいれば、謎めいたな人もいます。でも、一見ミステリアスのようで、特定の人とは異常なまでに波長が合ったり、実は全然ミステリーでもなんでもなかったり・・・

FC東京vs鳥取(07月02日)を見ていて思ったのですが、梶山にはようやくベストフレンドができたようです。

遥か昔のエントリーで、梶山選手は自身から見て右方向のパスが好きで、左方向のパスは本人的にどちらかといえば苦手なのではあるまいか、なんてことを述べました。

これは、ほんの一例なのですが、梶山選手ってのは、なかなか掴みどころがなくて、かなり分厚い取扱説明書が必要となる選手ですよね。彼のパスは誰にでも通るわけじゃない。その独特な世界観というものを感じられる選手がいないと、彼のパスは誰もいないところへ出した謎のパスになってしまうわけです。

話は飛びますが、皆さん、お笑いって好きですか?

ワタクシは大好きなのですが、我々の世代にとってダウンタウンって特別なんですね。正直に述べれば心の何処かで「ダウンタウン以外の笑いは絶対に認めない」くらいの影響力を彼は我々世代に与えてきた。

なかでも特に松本人志という人は、最近になって秋葉原方面で安売りされている使用方法ではなく、本当の意味で「神」だったりします。

ただ松本人志のボケは、ときどき少し難し過ぎるところがあります。「どうやって『トカゲのおっさん』で爆笑すれば良いんだ?」と、こっちの方が戸惑ってしまいます。そういう、それだけでは一瞬「この人は何を言ってるんだ?」っていう松ちゃんのボケは、浜田雅功という優秀な翻訳者が「ツッコミ」という名の翻訳を施すことで、笑いに昇華するわけです。少なくとも、『ごっつ』末期の尖っている頃の松ちゃんのボケは、そうでした。

一方、同じように、ボケが異才を放ちすぎて、我々視聴者が時々あ然としてしまうお笑いコンビに爆笑問題がいます。太田光のワルノリは、放っておけば単なる悪ふざけです。ただ、ここにも優秀な相方がいて、彼はあまり翻訳はしませんが、とにかく田中が一々全てを拾い続けることで、お笑いが成立する。

え…と、何が言いたいかと申しますと、天才肌のボケには、ツッコミという翻訳者なりレシーバーが必要だということです。

で、これのどこがFC東京と関わるかと申しますと、天才(変人?)梶山のボケ(パス)が成立するためには、優秀な、或いは波長の合うツッコミ(パスの受け手)が必要だということですね。そして、この試合で先発していた谷澤選手は、そういう意味で、非常に梶山選手との相性が良いのではないかと感じたということです。

天才(変人?)は天才(変人?)を知る、ということでしょうか、一見すると素っ頓狂に感じる、梶山のパスが繰り出されて、「また、例のパターンで周囲キョトン状態か…」なんて思っていたら、ドッコイ谷澤が反応していたって場面が少なからずありました。

また、これまた例によって、梶山選手が受け手に優しくない、往年の中田英寿を彷彿とさせる「(味方を)キラーパス」を繰り出したときも、足元の技術に秀でた谷澤選手は、余裕で対応してトラップしちゃえたりするわけです。

谷澤選手って他のチームでは、どちらかといえば「使い勝手の難しい」選手だったと思いますが、この試合のFC東京では、ワン&オンリーな役割を担っていたように思います。

で、つかみ所がないけど、確実に良い選手っているもので、例えば、それは横浜FMvs仙台(09月24日)で観戦した仙台の菅井選手。近年のベガルタにおける成長株ですね。ニックネームは「きん」。おそらく菅井きん。かつて仙台にいた頃の村上選手のニックネームは「しょーじ」。おそらく村上ショージ。こういうベガルタ伝統のネーミングセンスには惚れ惚れするわけですが、それはさておき、菅井選手と言えば、「神出鬼没で、気が付けばSBなのにPAに進入している」ってプレースタイルが評価されて、日本代表に選ばれるかも?みたいな噂が流れたりする選手です。

で、その神出鬼没さの正体を探ろうと観察していたところ、割と単純なメカニズムでした。要は菅井選手の逆サイド、つまり左サイドから崩しにかかることが仙台は多い。

そうやって左サイドでガチャガチャしている間に、ジョッグで菅井選手はオーバーラップを始める。で、左サイドの崩しが成功しそうになったら、ヨーイドンでPAに駆け込む、そういう感じですね。要するに、梶山や谷澤に比べると菅井選手はつかみ所があったって話です。

それにしてもベガルタって田村とか富田とか、地味ながら着実に仙台で成長してますって選手が多いですね。粒揃いというか。今ひとつ、これらの選手の区別が付かなかったのですが、オーバーラップの菅井選手、パスカットやセカンドボール処理に長けた富田選手、という特徴は掴めました。田村選手については、途中出場だったので、未だ把握できておりませんので、またの機会を楽しみにすることとします。

というわけで、一見謎めいたな梶山と菅井の両選手ですが、梶山には翻訳者として谷澤がいて、菅井は、そもそもミステリアスでもなんでもなかったって話でした。