先週末は水戸に行っておりました。というわけで別館4thDayMarketCentreに
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さしものザックも、WC予選には苦労しておりますね。アジアは厳しいのです。こんな時期ですから、敢えて、2010年南アフリカ大会を振りかえろうじゃありませんか、ということで。
みなさんは南アフリカのワールドカップで最も印象に残った日本人選手って誰ですか?
ワタクシは中村憲剛です。もちろん、パラグアイ戦での、我々に期待感を抱かせてくれるパフォーマンスについても好印象なのですが、それ以上に、彼の完璧なベンチウォーマーっぷりに関心しました。
2014の可能性が全くないわけではないですが、彼にとって南アフリカが、最初で最後のワールドカップとなるということも十分に考えられる大会でした。
そして、幸か不幸か、Jの序盤戦に故障でお休みしていたこともあり、憲剛の体調自体も悪くなかった。
当然、並々ならぬ思いを持って大会に臨んだことでしょう。
にもかかわらず、彼の定位置はベンチでした。
俊輔が「ベンチはしんどい」と大会後に吐露しましたが、それでもまだ俊輔とか稲本はワールドカップを経験している。それに対して憲剛の場合、「結局、WCのピッチに立てなかったなぁ」なんてことになるのも覚悟しなければならなかったわけです。
ベンチウォーマーという扱いを受け入れるのに、俊輔に勝るとも劣らないほど膨大な精神的エネルギーを必要としたのではないかと推察します。
しかし、本田がカメルーン戦でゴールを叩き込んだとき、デンマーク戦で予選突破を決めたとき、チームにとって節目となるシーンでは必ずベンチで大喜びする憲剛の姿があった。
これは、なかなかできることではありません。控え選手がレギュラーの選手と同じだけ喜ぶというのは、アスリートである以上、最も難しい作業と言って過言ではないと個人的に考えてます。
それを、何ら悲壮感を周囲に感じさせることなく、やってのけるところに、雑草として余り陽のあたらない道を、たゆまず挫けず歩いてきた憲剛の奥深さを感じました。
この大会で、日本代表の中心だったのは、本田であり長谷部であり長友であったでしょう。25歳前後の選手が、予選突破に直接的には最も大きな貢献をした。これは間違いない。
そういや、25歳のことを、フランス語を借用して、「ヴァンサンカン」って表現するのが流行った時代がありましたね。最近めっきり聞かなくなりましたが、オシャレ女子とかは現在でも使ってるんでしょうか。
話が逸れましたが、ともあれ、そういうヴァンサンカンなヤンガーズが大活躍して、日本代表はベスト16に進出した。
しかし、そんなヤンガーズが躍動できた背景には、憲剛に象徴されるアラサー軍団の献身的なバックアップがあったんじゃないか、そう感じてます。
例えばアテネ組。この世代は実際のプレーにおいて、ヤンガーズを支えていました。
攻撃については大久保であり、松井。カメルーン戦の本田へのアシストが松井だったのが典型的ですが、彼らは、本田が「美味しいとこ取り」(←それがチームが彼に与えたタスクでした)できるための下地を必死に作っていた。
守備では阿部と闘莉王ですね(駒野もいますが)。阿部が縁の下の力持ちとして奮闘していたことは衆目の一致するところでしょうし、何より闘莉王です。
闘莉王といえば「オラオラ俺様がお通りだい!」ってな選手ですよね。目立つプレーを得意とする主役キャラ。それが今回は守備に専念、派手なプレーを自粛していました。つまり脇役に徹して、主役たる本田などを支えていたわけです。
そして、文字通りチームの屋台骨を成していたアテネ世代の後ろには、さらにシドニー世代がいた。
ピッチでチームに落ち着きを与えていたのは、間違いなく中澤と遠藤でした。彼らが「いつもの表情で、いつも通りのプレーをする」、それがどれだけチームに安心感を与えたか。
少なくとも、テレビを見ているワタクシは、飄々とシンプルなショートパスを出す遠藤の姿をみて、「なんだか、いけんじゃね?」とか感じたものです。
そして忘れちゃいけないのが、俊輔、稲本、川口。彼らの「大人の振る舞い」が、いかにチームに一体感を与えたか。チームワークがもたらしたベスト16であることは、つとに報道されたところでしょう。
要するに、若手が戦いの最前線でビシバシやって、つまり筋肉の役割を果たし、その一歩うしろで中堅がそれを支える、骨格の役割を果たす。そして、もう一歩引いたところで、ベテランが全体を統制する、すなわち頭脳として機能する、岡田ジャパンは、その辺のバランスがとても良いチームだったじゃないかと思います。
筋肉が働くためには、骨格と頭脳が不可欠であることは、改めて述べるまでもないでしょう。そういう意味で、南アフリカ大会は、アラサーの大会だったと評価して、然るべきなんだろうと考えてます。