J2プレーオフ導入説の周辺をウロウロと…

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「だったら一層のこと…」って言いたくなることってありますよね。個人的には1990年前後に、毎回毎回、ギリギリ寸止めな写真集を出して続いていた渡辺美奈代さんや柏原芳恵さんや矢部美穂さんに、どうしても伝えたかったフレーズです。そんな、お話。

なんでも噂によると、今までのJ2上位3チームが自動昇格方式を改めて、1位と2位を自動昇格、残り1枠をJ2の3位6位のチームが争うプレーオフ方式なんてどうだろうか、みたいなことが議論されている模様。

どこまで真剣に、実現性のあるものとして取り沙汰されているのかは分かりませんが、今回は、この辺りのことを述べてみたいと思います。

いきなりですが、日本人って、「ルールを変えること」にたいして、どちらかと言えば消極的な民族ですよね。

スポーツの国際的なレベルでは、バレーボールでも、スキージャンプでも、毎年のようにガンガンとルールを変更させていきますが、「朝令暮改」という言葉に象徴されるように、日本人は、「ルールをサッサと変更させること」に対し、どちらかといえばネガティブなイメージを持つ。

あるルールが時代に即さなくなったとき、ルールそのものを変えるのではなく、ルールはそのままで「解釈を変える」ことによって対応しようとする。

何が言いたいかと言えば、ワタクシ的な結論としては「とりあえずやってみれば?やってダメなら次の年にでも元に戻せば良いんだし」って感じなんですが、日本人の一般的傾向からすれば、多分そういうわけにはいかないでしょうから、少し真面目に考えてみましょう。

まず、最初に思い浮かんだのは、「発案者の皆様的にはJ1でも通用するクラブが昇格を逃さないようにしたいと考えているのかなあ」ってことです。

「巨大戦力を擁しながらJ2での戦い方を知らない(相対的に)経営体力のあるクラブ」を差し置いて、J2での戦い方を知悉した(相対的)スモールクラブが昇格を果たすってことが、往々にしてあります。

去年の千葉と福岡や甲府の関係が、それにあたりますし、ひょっとしたら今年はFC東京と栃木が、その構図を再生産させるかもしれません。

もちろんリーグ戦の結果ですので、スモールクラブの昇格は絶対的に適切なわけですが、一方で、「FC東京と栃木、来期、J1で通用しそうなのはどっち?」となれば、やはり、経営規模の問題が出てくる。

そういう意味では、プレーオフを導入することで、「巨大戦力を擁しながらJ2での戦い方を知らないが故に昇格を逃す」というクラブ、言い方を変えれば、J1でもそのまま通用しそうなクラブが順当に昇格する可能性は高まるのかもしれません。

もちろん、それが良いことか悪いことかは別問題です。山形のように予算規模的に毎年降格候補に挙げられながら頑張っているクラブもいますし。

ただ、一応、プレーオフ導入の主目的は、上述のようなことではなく、「新規顧客を開拓し、J2リーグを活性化し、J2クラブの経営改善に導こう」というところにあるようです。

そこで一つの疑問が湧き上がります。「新規顧客の開拓やらJ2クラブの経営改善を謳うなら、プレーオフはJ1下位チームも入れなきゃいけないんじゃないか?」って思うのはワタクシだけでしょうか?

どう考えても、J2だけでプレーオフをするより、J1クラブも加えた方が、構図も複雑化しますし、より多くのサポーターを巻き込むことになり、社会的な関心も高まると思うのですが。

というか、入れ替え戦って、もの凄く盛り上がりましたよね。個人的には、優勝争いの絡んだ最終節より、入れ替え戦の方がハラハラドキドキした記憶があります。

そんなエキサイティングな入れ替え戦ですが、残念ながら数年前に廃止されてしまいました。しかし、その一方で、J2が現時点で想定している最大枠数の「22」に達したならば、JFLで規定を満たした準加盟チームとの入れ替え戦が行われるようになるとの話もあります。

なんでJ1・J2の入れ替え戦は廃止されなくちゃいけなくて、J2・JFLの入れ替え戦ならOKなのか?

少し調べてみたところ、J1・J2入れ替え戦は「J2クラブがJ1と同じ18チームに達したため」廃止されたそうです。

どうやら、入れ替え戦というのは「上位のカテゴリーのクラブ数が下位のカテゴリーより多い場合の〈機会の不平等〉を是正するための調整措置」として行われる建て前なんですかね?

そう考えれば、J2のクラブ数が22となれば、現在のJFLのクラブ数18を超えるので、昇格・降格をするためには入れ替え戦をしなければならない、ってことになる。

まあ、それはそれで理屈は解るわけですが、一方で、「じゃあ、プレーオフの導入は〈公平性の確保〉って観点から、どうなんだ?」なんていう、次なる疑問が湧き上がります。

プレーオフを導入するってことは、広い意味で捉えれば、「昇格・降格に関する公平性確保の放棄」と言えなくもないわけですから、じゃあ、それを拡大解釈して、「〈落ちる可能性と上がる可能性の格差に伴う不平等〉を是正しなければならないときのみ入れ替え戦を行う」という、「公平な方針」も、「えいやっ!」って投げ捨ててしまっても良いんじゃないか、なんて思うわけです。

まあ、要するに、「ワタクシは個人的に入れ替え戦が好きだったので、プレーオフをするなら、入れ替え戦も復活してね(はあと)」って言ってるだけの話なのですが。

というわけで、どうせ、「Jの活性化・充実>(形式的な)公平性の確保」に梶を切るのならば、だったら一層のこと、J2のみのプレーオフよりもJ1下位チームを巻き込んだ形のプレーオフなり入れ替え戦なりにした方が良いのではないか、というお話でした。