千葉vs大分の周辺をジェフ目線でウロウロと…

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いやぁ、バルサ、強かったですね。誰がどう見てもバルサが世界でもっとも先鋭的なフットボールをやっていることは明らか。あの御方も、ますます元気になりそうです。

ただ、やはりあらゆる社会を豊かにするのは「多様性」なわけですね。バルサが世界一になったことで「バルサ(流フットボール)にあらずんばフットボールにあらず」みたいな風潮が拡大するとすれば、それはそれで考えものかなぁなんて思いを抱えつつ、2部リーグを見ていました。もちろんスペインではなく、日本の国内リーグの2部ですよ、ええ。

しっかし、我ながら大雨の中、わざわざ千葉まで行くかねぇ…って話ですが、まあ行きますよね。そりゃ。だから行ってきましたよ、フクアリ。見てきましたよ元ナビスコ王者対決。

皆さんは千葉の名物と言えば、何を連想されますか?

上京前のワタクシ的には、ピーナッツと浦安市の某テーマパークでした。上京後は、千葉県民と埼玉県民(ワタクシからみれば両方とも都会っ子ですが)が繰り広げる「千葉vs埼玉、どっちが関東第3勢力か」論争、別名、「ちばらぎ」vs「ださいたま」論争とかの印象が強いのですが、最近の千葉名物はオーロイ選手ですかね。

相手DFと競り合いながらオーロイ選手が繰り出す、ジャンプを伴わないヘディングシュートを目撃しただけで、大雨の中フクアリに駆け付けた8000人弱のサポーターのうち、6500人くらいは、「良いモンを見た。これで今夜はグッスリ眠れそうだ」とお感じになられたに違いありません・・・違いありそうですね。

ともあれ、こういうサッカーをすると、イベリア半島の地図的に右上の方にユカリの深い偉い感じのオランダ人さんは「こんなものは、アンチ・フットボールだ!」とか言って、オカンムリになるに違いありません。

しかしですね、ですよ。そもそも、「ヘディング」とか「胸トラップ」とかが認められている時点で、それは、「フットボール」ではなく「フット的なボール」なのですから、そういう意味では、フットボールというスポーツは、だいたいからして本源的に「アンチ・フットボール」なんじゃないのか、なんて思うのはワタクシだけでしょうか?・・・だけですね。

ただ、「ヘディングをはじめとする空中戦はアンチ・フットボールだから、ヘディングシュートはゴールと認めない」というルールがあれば、クリ田ロナ男ではなく、飯山飯男が得点王になっていたかもしれません。

ゆえに、エスパニョールの御近所さんからの、他人からすれば「余計なお世話じゃ」って発言にも正当性があるのかもしれません。なお「余計なお世話じゃ」って反論すると府民の総意を代表していることになっている元弁護士に叱られるので要注意です。

全力で話が逸れてしまいました。ジェフの話なのです。

いや、まだ日本が「一億総ガンバろう」状態になる前の3月初旬、北九州でジェフ戦を見て危惧したことがありました。それはオーロイ戦術を追求することは、「丁寧なパスと連動した動きを積極的に放棄したサッカー」を追求することになるのではないか、という危惧です。

しかし、これは杞憂だったようです。少なくとも前半のジェフは、フット的なボールに頼り切るのではなく、フットボールを志向していました。

具体的には佐藤勇人選手の機動力を生かすサッカーをしようという意識が感じられたんですね。オーロイ対策への更なる対策という要素もあるのかもしれませんが、中盤の選手(というか佐藤勇人)を絡めて厚みのある攻撃をしようとする姿勢があったように思います。

ただ、これは昨シーズンもそうだったのですが、タメが作ってシッカリ展開できるってタイプのボランチがいない。

佐藤勇人選手は繰り返してきたようにオフザボールで輝く選手ですし、ゲッセル選手は、今日の調子の問題なのか、いつもの仕様なのか、安全確実なショートパス中心で、しかもバックパスが多いですよね。そんな様子ですから攻撃に落ち着きがない。結果的に、前半は、あまり良いところがなく、トリニータに2点先行されてしまいました。

こうなると、背に腹は代えられないということで、後半はフット的なボールに移行します。ボールを持ったら、アズ・スーン・アズでオーロイ、みたいな。ワタクシが北九州戦で見たサッカーですね。

60分過ぎには早くもスクランブル体制。左SBの青木選手に替えて、FWの久保選手を投入します。

システム的には、3バック(竹内・ミリガン・山口)3ボランチ(伊藤・佐藤・ゲッセル)+前4人みたいな感じ。ラーメンが黒かったり、エビが白かったり、一見、富士山がありそうな名前だったりする県界隈で局地的に流行の兆しがある「3331」に近いイメージ。

もう、スクランブルアタックですよ、システマティックに崩すとか、そういう概念は無視。とにかく攻めろ、放り込め、みたいな。で、実際に押せ押せムードで相手を圧倒して、セットプレー(からの流れ)で2点差を追いついてしまう。さらに勝ち越し点はCBの竹内選手の今日2点目のゴール。もう、何が何やら、わけワカメ。

前半、フットボールを志向して上手くいかなかった。でも、ダメならダメでフット的なボールという武器がある。この試合、ジェフのサッカーには2段構えがありました。

フット的なボールという問答無用の必殺技がありながら、一方でフットボールも放棄しないというドワイト監督の姿勢には共感できますし、でも切羽詰まったら禁じ手の解禁にも躊躇しない合理主義精神も素晴らしいと思います。

ただ、現時点では、まだフットボールよりもフット的なボールの方が機能するようです。そういう意味では、今後にますます期待が持てるとも言えるのかもしれません。

ということで、ジェフの2段構えのサッカーについて述べてきました。本文中にも述べたように、敢えてジェフの弱点を探るなら、「中盤を落ち着かせられる選手がいないこと」だと思います。

なので、ゲッセル選手がコンディションを上げるなり、伊藤選手がボランチに戻された上で覚醒するなりすれば、ますます「超J2」になっていく可能性が十分にあるかなぁなんて感想を持ちました。