もうすぐJリーグも再開ですね。ワタクシも、今週末は首都圏某所に出没予定です。そろそろ前売り券を買わなきゃななんて思っていたら、重大な事実に気がつきました。
ワタクシ、3月1週目の開幕週に、福岡、北九州とサッカー三昧の贅沢な週末を過ごしたのですね。 で、福岡戦のレポをそれぞれ福岡目線、新潟目線でアップし、北九州戦のレポを北九州目線でアップしました。
……ジェフ目線のレポをアップし忘れていた!
ってなわけで、「祝、Jリーグ再開!日常に戻るべく、かつて日常だった日々の記憶を呼び起こすぜ!」と参りたく存じます。
さて、ジェフ。このクラブには毎年のように度肝を抜かれます。何にビックラこくって、そのユニフォームのセンスにですよ。
今年のホームユニは未だチェックしていないので存じ上げませんが、確か去年の1stユニは、黄色と黄緑と黄色みたいな配色だったと記憶してます。
そして今シーズンのアウェイユニですが、配色だけ述べますと、白と黄色と黄緑なんで、まあ、伝統的ジェフカラーですね。ただ問題は黄色の部分ですよ。何を血迷ったか、袖だけ黄色のですよ。
この衝撃を言葉で表現するのは大変に難しいので、是非みなさんもスタジアムに足を運んでみてください(さりげなく「Jに貢献しているぜ」アピール)。
そんなジェフですが、もちろん目立つのはユニフォームだけではありません。今季から新加入したオーロイ選手とゲッセル選手が、とにかく目立つのってなんの。
確か深井選手とのツーショット写真が、あちらこちらの媒体に紹介されたりして、208cmという世界最高と触れ込みの身長で一躍、有名になったオーロイ選手がデカいことくらいは、流石のワタクシだって存じ上げていましたよ。
そしてゲッセル選手が190cmオーバーだという噂も、風のみなさんのご協力で運ばれてきていました。けれども、まっ190オーバーくらいなら船越とかもいたしな、なんて油断していたら、まあ、デカいことデカいこと。
ただ、超大型選手の加入というのは、どうしても功罪あい半ばしてしまいますよね。長崎の出島の向こうから風説書を携えやってきた新監督さんの戦術的嗜好性もあるんでしょうが、この21世紀になかなかお見かけしなくなった、古式ゆかしき縦ポンサッカーを一意専心に邁進していたのですね。
当然、自らのストロングポイントを最大限に生かすというのは、とても大切なことなんですよ。208cmのFWがいるなら、空中戦を仕掛けるというのは、ごく当たり前の作戦でしょう。
ただし、空中戦を重視するということと、オーロイにロングボールを放り込む以外のプレーを放棄するということは、必ずしも一致しないはずです。ところが、この日のジェフは、特に前半、ボールを奪ったら、何も考えず兎に角オーロイに向かってアバウトに入れていくってところで一貫していました。
で、それでそれなりに機能していたから始末が悪い(?)。実際に先制点は坂本選手によるアーリークロスという名を装ったロングボールの縦パスにオーロイ選手が競り勝って奪ったPKです。それはそれで構わないのですが、こういうプレーばかりを続けていると、思考が停止すればするほど(オーロイに放り込むという以外の発想を失えば失うほど)、チームが機能するという現象が現出したりするんじゃないかと危惧するわけですね。
なんだかですね、余りにも「奪った。はい、じゃオーロイ」が徹底し過ぎていて、もはや他のフィールドプレーヤーは、ボールに長い時間、あるいは小刻みに触るのことを忌避しているのではないかと思えてきたのです。厳しい言い方をすれば、パスを2本3本と交換して相手を崩すっていう選択肢を、積極的に放棄しているようにさえ感じられました。地上戦が嫌で嫌で仕方ない、みたいな。
結果としてはジェフが30で圧勝して、文句の付けどころもないのですが、実際の支配率は北九州が圧倒していたように感じます。
もちろん、スタッツ的には、そんなこともないのでしょうし、後半はマット選手が積極的にドリブルを仕掛けることで、その辺りのことも随分と改善されたように見えなくもないのですが、やはり、ショートパスの本数は両チームで、相当に差があったように思います。前回のエントリーで述べたように、ギラヴァンツはグランダーのパスに対する意識が非常に高かったですしね。少なくとも「ボールが足元にある時間」ではギラヴァンツが優位にあったと思います
ただ、ギラヴァンツがどれだけパスを繋げようとも、ジェフの守備陣が慌てる回数は、それほど多くありませんでした。
ショートパスを繋がない縦ポンサッカーというのは、すなわちSBのオーバーラップを放棄しているということです。そもそもの人選がジェフのSBに求められてる役割を表象しています。
左のSBの坂本選手は、若い頃は「守備も攻撃も一生懸命に全力投球」ってプレーヤーでしたし、この試合でも先制点をお膳立てしました。んが、基本的に新潟から戻って以降は、どちらかと言えば守備に軸足を置く役割を期待されるようになりました。
また、右SBの山口選手にしても、守備的なボランチからコンバートされた選手。少なくとも、突破力でサイドを切り裂く、みたいなタスクを負っていないことはあきらかです。
そしてCBは青木、竹内両選手。これだけ経験豊富で守備に堅実なプレーヤーを並べたら、そりゃ崩されませんよね、J2では。
そう考えると、ジェフがJ1に昇格するためには、最も合理的なチーム作りをしているとも言えます。
しかし、ドワイトなんとか監督の引き出しが、今ある形しかないとするならば、長いスパンで考えたときに、少し微妙な部分も出てくるかもしれません。もちろん、今ある他に第2弾、第3弾の引き出しがあれば何ら問題ございません。ギラヴァンツの三浦監督と同様にジェフのドワイトなんとか監督についても、お手並み拝見ですね。