水戸の三重苦の周辺を、水戸vs北九州(3/27)を素材にウロウロと…

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鹿島の影に隠れて、涙ぐましい経営努力をしていることで有名な水戸。行って参りました。「行ってきました」という意味と、「行ったところ、参ってしまった」という意味のダブルミーニングですね。

昨シーズンの後半に新装開店した水戸のホームスタジアム。ケーズデンキ様がネーミングライツをお買い上げしたようです。ならば、一度行ってみようっつうわけで行ってみたんですが、いやいやいやいや、いやはや、いやいや。

試合そのものは北九州の佐野vs水戸の大橋みたい構図もあって、注目できるものだったんですよ。内容は、正直、「J2の中でも、特にスモールクラブ同士が、試合をやってます」みたいな感じになっていましたが、低い位置に下がった佐野の逆サイドにふるダイレクトパスや、笛吹けど踊らなかった大橋のスルーパスなんかは、やっぱり上手でしたし。

それと両チームの右SBの選手が対照的で面白かったかな。水戸の右SBが堅実でソツない感じだったのに対し、北九州の右SBは、ひっきりなしにポジショニングを説教されていたような。

というわけで試合内容には満足したのですが、話をスタジアムに戻すと、正直アレなんですよね。なんというか、「問題は改善されてなくね?」という印象でございます。それまでの笠松から、水戸市内に移ったというんで、ジェフみたいな改善があるのかな、と勝手に期待していたんですよ。

ご存知のように、ジェフはスタジアムの移転により、駅的に、五井から蘇我に近づきました。これは画期的なことだったんですね。首都圏近郊の方ならご存知かもしれませんが、千葉方面に行く電車に蘇我行きってのがありまして、つまり都内から電車で一本なわけです。

それまでは千葉駅あたりで木更津とかに行くローカル線に乗り換えなければならず、それが億劫でしたので、「感覚的な距離」が劇的に短くなったんですね。そしてフクアリ移転後、ジェフサポが急速に拡大したのは、周知の事実でございます。

そういう意味では水戸も、上野から電車一本で行けるようになったわけで、これは水戸サポーターやクラブ関係者には朗報だろう、と。

しかし、何事もそんなに都合良くは回転しません。

フクアリの場合、電車的に便利になっただけでなく、「駅から歩ける」、「専用スタジアム」というオプションがついていたからこその、サポ拡大なんですね。水戸には、この2つの要素が欠けているんです。

以前に述べましたように、よっぽど財政的な余裕がない限り、専用スタジアムというのは厳しい。だから、それは仕方ない。けれども、このアクセスだけは、どうにかならないものかと。

水戸駅から遠すぎるだろうと。「バスで40分」なんて言葉は、もはや日本語として成立してないだろう、と。成立してるけど。

まあ、立地についても、文句を言ったところで、どうにもならないでしょうし、多くの水戸サポは車で駆けつけるから関係ないって話かもしれませんが、それにしても、シャトルバスの運賃が480円はなかろう。往年のロッテリアの、なんとかトリオより100円も高いぞ。そのおつりで尾崎豊の時代なら、握りしめる温もりが買えるぞ。

盗んだバイクで走り出したくなる衝動に駆られたのはワタクシだけでしょうか?

というよりも、茨城交通さん、協賛企業様なんですから、そういった方向からのスポンサードはしていただけないんでしょうかね?同じく駅からスタジアムまでの距離が遠い甲府の場合、シャトルバスの運賃は片道なら350円だけれど、往復で買うと、計500円に割引されるんですよね。そういったことって出来ないんですかね?もちろん茨城交通さんの経営状況、経営方針もあるでしょうし、公共交通の場合、法律的にクリアすべき面も少なくないんでしょうが、そこを1つ、頼みますよ、社長さん!

と、文句を言ってきましたが、実は水戸の手前のなんとか駅行のシャトルバスは210円なんですね。スタジアムの広報ペーパーで知りました。つまり、ワタクシの事前の調べが足りなかったのが悪いんですね。

とはいえ、やはり疑問が。

この時は13時キックオフの試合でしたので、ノンビリ鈍行で帰ったんですが、普通に特急とかで帰るとなると、一度、水戸に戻ることになります。その場合、バス+電車の運賃が、水戸直通のシャトルバスの運賃よりも、100円近く安いっぽいんですね。

バスだけで水戸駅に行くよりも、バス+電車の方が安いって、どゆこと?しかも私鉄ではなくJRですよ。行き先によっては、JR一本で行くより、JR+私鉄+JRと乗り継いだ方が安くなるJR東日本ですよ。そのJR+バスの方が安いって…。しかも乗り継ぎによっては、こっちの方が時間短縮できそうですし、シャトルバスって基本、立ちっぱなしになるはずだし(座れてしまうところが水戸の台所事情の厳しさなわけですが)。やっぱり、なんとなく釈然としません。

最後にスタジアムについてもう1つ。

グルメ的に、もう少し楽めるような工夫をしてもらえないものでしょうかねぇ。

メインスタンドに行けば、また違ったのかもしれませんが、ワタクシが陣取ったスタンドには、地元の神社の縁日に出ている感じというか、取り扱い商品がテキ屋さん的な規模の屋台が2軒あるだけ。西京極もビックリな、やっつけ感でした。これでは、せっかく、ひぃこら言ってスタジアムに来ても、なかなか楽しみが増えませんし、もう一声ガンバっていただきたいところです。

以上、専用スタジアムでない、遠くて高い、スタジアムにおける楽しみを増加させるツールが貧弱、という水戸の三重苦について述べました。

クラブ関係者の皆様的には、「それもこれも、もう少しカネがあれば、どうにかしようもあるんだけど…」という感じなんでしょうね。一歩ずつ前進していっていただけますよう、お祈り申し上げます。