そういや巻ってドイツのピッチに立ってますよね、みたいな。
どこのクラブにも、「チームの象徴」とされるような選手っていますよね。
愛媛FCの場合、初代「チームの象徴」は友近選手ということになるんでしょうか。いまや議員さまですからね。で、今シーズンあるいは来シーズンの内容によっては福田選手が、愛媛を象徴するようになるのかもしれません。
ただ、友近選手が引退して以降、誰が愛媛の顔役をつとめてきたかというと、個人的には金守選手ではないかと思います。
けっこう背番号がコロコロ変わる選手ですよね。ワタクシが知っている範囲では、確か7番を付けていた時代があったかと思います。その後、どういうわけだか、10番を付けた年がありましたよね。
ちなみに金守選手のポジションはセンターバックです。センターバックながら10番を背負うのですから、これをチームの象徴と言わずして、何を象徴と言うのでしょう。あの槇野選手でさえ、柏木選手の10番を継承しようとして、フロントに退けられたそうです。そう考えると、愛媛における金守選手は、広島における槇野選手以上の存在として扱われていることにならないでしょうか?
・・・ならないですね。10番のセンターバックと言えば、アーセナルのギャラスがいますが、彼がアーセナルを象徴する選手かと言うと、他にもセスクもウォルコットもいますし、「アーセナルは事実上、ギャラスのチームだよね」って言う人は、あまり多数派ではないでしょう。バリバリの中心選手ではありますが
そんなわけで、「10番のCB=チームの象徴」理論は儚くも崩れ去ったわけですが、とにかく、在籍年数も、レギュラーを張ってきた期間も長い選手であることは間違いのないところです。
現在は背番号3になった金守選手ですが、今シーズンは山形から小原選手が移籍してきたこともあり、なかなか出場機会に恵まれませんでした。記録を調べると、ベンチには入り続けているようなので、文字通り「ベンチを温める」日々を過ごしてきたわけですね。
そんな金守選手ですが、前出の小原選手のコンディションの問題か何かで、この試合は先発出場を果たしました。
しかし、せっかくの先発のチャンスも、金守選手には受難の試合になってしまいましたね。単純に3失点したってこともありますが、それ以上に他の3人のDFが微妙な感じで、そのフォローに奔走させられていて、大変そうでした。
まず両サイドバックの高杉選手と関根選手。おそらく、そういう指示が出ていたのか、そもそも、そういうチーム作りをしているということでしょうが、まあ、オーバーラップすること、すること。しっぱなしですね。
全体としては、それなりのバランスを取っていたんでしょうが、3失点ともサイドのクロスからの失点ですからねぇ。
そして、相棒のアライール選手が、執拗なプレスの餌食となって、イライラしたりオロオロしたり、とにかく落ち着かないわけですね。
金守選手の心労は募るばかりでした。
で、アライール選手にプレスをかけまくっていた選手こそ、ジェフの象徴、巻選手です。
今年は序盤こそ先発メンバーでしたが、ネット選手がチームにフィットするようになったこともあり、金守選手と同じく、文字通り「ベンチを温める」日々が続いていました。そして、この試合、先発のチャンスを得たのも、金守選手と同じ。
巻と言えば前線からのプレス。前線からのプレスと言えば巻。巻には巻にしかできないタスクがあるのです。みたいなオシム語録もありましたよね。
この試合も、巻は巻の仕事をするのです。
CBがボールを持てば、スルーパスに反応するよりも速く、、、失敬、もとい、スルーパスに反応するときと同じだけの全力疾走でプレスに行くのです。
櫛野選手からロングボールが飛んできたら、いつもサボらず競り合うのです。そして競り勝つのです。櫛野選手はときどきミスキックをするので、そんなときには競り合えないのです。
今ひとつ得点の匂いがしなかったのは、きっとワタクシの鼻が詰まっていたからでしょう。
真面目な話をすると、基本的にジェフはハイクロスを入れないですよね。唯一ハイクロスを入れるのが、サイドに開いたときの巻、みたいなことになっていましたし。
要するに、「巻に点を取らせる」あるいは「巻の高さをヘディングシュートという形で活用する」という戦術は採っていないようです。
なので、巻本人に得点がないのも致し方ないところかもしれませんね。
一方で、この試合の相棒だった米倉選手は、真ん中でうまくボールを貰ったり、はたいたり、「得点に直結するプレー」をする役割を担っていました。
つまり米倉選手は「美味しいとこ取り」当番だったわけですね。そういう意味では「競り合い+プレス=汗かき」当番である巻選手との役割分担は、バランスよくできていたのかもしれません。
巻には巻の仕事があるわけです。金守には金守の背番号があるように。