岩尾の存在感向上中〜浦和レッズvs川崎フロンターレ(7/30)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

埼スタに行く途中にイオンに寄る

埼スタでの試合ということで、その前にイオンに立ち寄りました。って言ったら普通はイオンモール浦和美園のことだと思うでしょうが、ワタクシが立ち寄ったのは浦和美園のイオンではなく、イオンモール川口前川です。

イオンといえば時々、プライベートブランドの「トップバリュ」が不味いと揶揄されますが、たぶん、不味いのはトップバリュの中でも「ベストプライス」だと思うのです(ウイスキーを除く)。トップバリュジャスコ時代の「シンプルリッチ」以来の系譜をひくPBなのに対して、ベストプライスはもともとダイエーのPBなんですよね。「安かろう悪かろう」を追求したダイエーを吸収したことで発生した二重PB状態。そしてベストプライスのクオリティでトップバリュも評価される。ちょっとイオンが可哀想です。

 

□渋い状態同士のマッチアップ

ロドリゲス体制2年目となった今シーズンの浦和ですが、どうにももどかしいですね。なんというか、水前寺清子イズム、あるいは「365日のマーチ」的世界観。要するに「3歩進んで2歩下がる」みたいな感じ。このチームも清水ほどではないにしろ、外国籍選手の稼働率が低いですね。ユンカーは相変わらずだし、シャルクって行方不明になってます?

事情は川崎も似ていて、また大島僚太が離脱したとか、してないとか。この選手も、とにかく稼働率が低い。ケガの多い星の下に生まれていなければ、今頃、日本代表の常連になっていたところなのでしょうが。ただでさえ過去のシーズンよりも薄くなっている中盤、鬼木さんもやりくりが大変ですね。一部の自称川崎サポは「フロンターレはもう終わりだ。鬼木さんには限界がある」とか騒ぎ出していそうですけど、狂犬加藤の名言を借りるならば、「(そもそも、その場所にいられることが)当たり前じゃないからな‼」って話です。「独走優勝できない=失敗」と評価されてしまう地位に川崎がいることは「当たり前じゃない」。鬼木さんのスーパーな手腕でこそ手に入れられた地位を所与前提として、そこを基準とした差し引きで監督や選手を評価するようになったら、応援しててもストレスが溜まるだけになろうかと思われます。

 

□浦和にとって幸先の良いファーストハーフ

さてオンザピッチ。浦和はWボランチの関係性が良かったですね。潰すディフェンスとダイナミックな推進力を発揮できる伊藤が前に出て、バランスが取れて攻撃の起点となる岩尾が低く構える関係性。ボランチは守備的な選手が前で、攻撃的な選手が後ろって棲み分けのが良いように思います。そして、岩尾はますます円熟味を増してますね。「ボールを引き出して、フリーの選手に大きく展開する」ってのを繰り返してるだけと言ってしまえばそれだけなのですが、判断力のオバケです。

一方の川崎はコロナの影響もあってスーパースクランブル。ベンチのフィールドプレーヤーは2人だけでキーパーが3人も入ってるんだから、そらもう、危機的状況です。その中で期待を担ったのはアンカーのシミッチでしょうか。この選手も歯がゆいところがありますね。ミドルパスの精度を生かすなら、攻撃時はCBと同じ高さか、それより低い位置に下がらないと輝かない。CBより前ではなかなか良いリズムで攻撃に絡めない。でも、あんまり下がってばかりだと、インテリオールの2人の流動性が制限されるし、歯がゆい。

試合は前半のうちに浦和が2点リードしました。先制点はモーベルグの折り返しを伊藤が押し込んだゴール、追加点はワンツーで中央を崩しきるというコンピプレーから松尾が決めきりました。この攻撃も起点の方向づけは岩尾でした。こういうところが岩尾の醍醐味です。

 

□浦和の綱渡りの完勝

2点差が付いてからは、基本的に川崎が浦和陣内でボールを持つ時間が続きます。その中でも相変わらず出色なのは家長の変態っぷり。絶対にボールを取られないし、バスもミスらない。ただ、この日は家長の変態しか状況を決定的に打開する武器が川崎にはなかった。やはり普段と違うメンバーだと、ボール1個分とか、一拍分のタイミングとかが合わない。川崎はなかなかスコアを動かせません。

もちろん、同時に浦和守備陣の奮闘も称えなければなりません。特にクロスとシュートに対してしっかりコースを消す守備のクオリティは非常に高かった。クロスやシュートの数ほど西川が忙しくなかったのは、その前の列でDF陣が弾き返していたから。

もっとも斜めパスに対する守備、特に家長のサイドからマルシーニョや橘田を走らす、浦和から見て右サイドの攻撃には手を焼いていて、実際にそこを崩されてPKを与えてしまいました。とはいえ、そこで気落ちせず、試合終了間際には再び引き離した。しかも前目の6枚のうちフル出場した関根と岩尾の2人で決めたゴールです。こうなると川崎にはカードが少ない。宮城のカットインや山村のゴール前への飛び込みなど、使えるカードを使って、それなりに機能させはしましたが、2点目を奪うには至らず。浦和が、一見すると綱渡りにも感じられる展開の中、粘り強く対応しきって、スコアとしては3ー0の快勝となりました。

決まり事の徹底〜SC相模原vs愛媛FC(7/23)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□マリンパぁあクっ♪

いやあ、初めて行ってきたんですよね、三浦半島の先端部。三崎口駅からバスに乗って海に行くぞ、みたいなところへ。今回の目的地は城ヶ島で、それなりにバスも混んでいましたが、もっと混雑していたのが油壷行き。いまは温泉とかがあるんですか?昭和生まれにとって油壷といえば、「京っ急ぅ油壷ぉぅ、マリンパぁあクっ♪」なわけですが、もはや知らない人の方が多い可能性もありますね。

この前、若い人と話してて、その中で、「『伊東と言えば♪』の、あのハトヤだよ!」って顔を真っ赤にして説明しても、相手は終始、ポカーンとしてましたし。ってゆうことはなにかい?関西の若者に「琵琶湖温せ〜んん♪」ってふっても「ホテルこおおよー♪」って返してくれないってことかい?そいつはつまんねぇな。「来てね、来てよね」ってかぶせられないじゃないか!

 

□停滞中vs上昇中

いやあ、すっかり相模原は昇格戦線から脱落してしまいましたね。昨シーズンはJ2にいたとはいえ、代表を兼ねた筆頭株主の持ち株率が51パーセントって噂も聞いたことがありますし(あくまで噂ですけど)、ならばおそらくフロントのガバナンスに問題がありそうですし、壁にぶつかるのが妥当といえば妥当。ただ、いつまでもJ3にうろついているとDeNAに叱られそうではある。

対する愛媛は、シーズン当初はなかなか軌道に乗れず、今治に対して「愛媛県の弱い方」みたいな位置づけに陥りかけましたが、ジリジリと復調しつつありますね。ライバル今治には完敗しましたけど、その後、松本と鹿児島に連勝しているのか。監督は石丸さんなのだから、そりゃ、最低限はチームのカタチを作ってくるのは当然ですけど、もう一段ギアを上げられるかどうかはフロント次第。補強資金はなくとも、少なくとも監督がピッチに集中できる環境を作ってあげられるか、ってところでしょうか。

 

□ともに中盤が肝

さて、この日も相模原は442。注目すべきは両SHが藤本(10番)と船山(7番)だったこと。なんか、ちょっと翼君と岬君っぽい。といえば耳障りが良いですけど、どちらもどちらかというとセントラル属性で、さほど運動量を期待できないタイプ。大丈夫か?ボランチ中島賢星だったことも踏まえると、2トップの一角に船山、ISHに藤本と中島賢星を並べる352にしたくなるのはワタクシだけでしょうか?

一方の愛媛ですが、10番がルーキーの小原なんですね。とはいえチームの心臓は田中裕人矢田旭のWボランチらしい。田中が奪って矢田が大きく展開。サイドチェンジを受けた高木利弥が左サイドを突破する、みたいなシーンが多かったです。あるいはカウンターから近藤が右サイドを縦に仕掛ける、とか。ともあれボランチのダイナミック配球からサイドを一気に攻略するサッカーでした。

 

□あっという間に愛媛がリード

それにしても夏休みだからですか?それともマッチデーのトヨタが大動員した?試合後に花火を打ち上げるとか言ってたな(見てない)。ガキんち……日本の未来を担うお子様たちが異様に多くて、スタンドは終始ワサワサ。全く集中できないなか、キックオフ5分には愛媛の栗山がヘディングで先制点をあげる。そして10分には相模原不動の1トップの加藤が負傷交代してしまいました。これは痛かったですね。せっかく藤本と船山が翼君と岬君になっても日向君がいないと効果半減ですからね。

ともあれ、いきなり土俵際に追い込まれた相模原は当然ながら攻める。ボールを握る。ただ、ボールを持っていたというよりも、持たされている感が強かったかもしれません。石田あたりが大外からクロスを入れていっても、あまり愛媛守備陣は浮き足だってなかったですし。むしろ相模原に攻めさせておいて、相手を消耗させつつカウンターを狙うって罠を仕掛けていたかもしれません。実際にその狙いが形になって松田力が前半のうちに追加点を決めましたし。……オフサイド?というか、完全にオフサイド、に現地では見えた。映像で確認したらまた違うかもしれないけど。

 

□あっという間に愛媛が勝ち越し

後半の開始とともに相模原は面矢を下げて安藤を投入。田中陸がSBになって中原がボランチにスライドと、適材適所の大こじらせを発生させます。それでも、その執念が実を結び、CKから打った浮田のヘッドがGKに弾かれたところを安藤が押し込みました。そのCKがGK疑惑だったので愛媛としては釈然としなかったかもしれません。気落ちする愛媛に相模原が畳みかけ浮田の同点ヘッド弾。浮田の高さはなかなか凄いですね。

しかしそんな相模原の気勢をそぐように、前半から左右のSBとしてアベレージの高いインテンシティを見せていた三原が気合のロングシュートをぶちかます。それがエグい決まり方となって、愛媛が決勝ゴールをもぎ取りました。ラッキーパンチに見えなくもなかったですが、序盤から愛媛は攻撃時にボールをDFラインまで下げさせられたらロングシュートで終わるってのを繰り返していたので、必然のゴールということもできます。他にも愛媛のSBはオーバーラップの際にはほとんどがインナーラップでしたし、決まり事がしっかりと徹底されている印象を受けました。そこの意思統一の深まりとともに順位が上がってきているといえるかもしれません。

クリアソン新宿がズルズルと敗れた試合〜クリアソン新宿vsFC大阪(7/17)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□ショウガ焼きの汁(じる)

この日は「そういや、10年くらいご無沙汰だなぁ」と突然、思い立って上野の国立科学博物館に行ってみたのですが、時節柄、予約制で、しかも完売御礼。当日の予約枠は全くなかった、、、ということでトボトボと上野東照宮に立ち寄りつつ徘徊していたのですが、上野って公園内も含めて老舗の密集地帯ですよね。

〝上野の老舗〟と聞いて真っ先に思い浮かぶのは甘味処かと思われますが、文明開化的な部分で、洋食の老舗もちらりほらりと見かける。ってなかで「特選洋食さくらい」を選んでランチにしました。いやあ、さすがは老舗ですよね、豚のショウガ焼き定食が2600円もしたよ。もちろん、値段に恥じない老舗の貫禄漂う絶品でした。それにしても、なぜゆえ、ショウガ焼きの汁(じる)をキャベツに絡めて食べると、あんなに美味しいのでしょうか⁇世界七不思議の一つと言って過言ではない!

 

□下位と上位

さて、新宿区のチームでありながら北区西が丘で試合をするホームのクリアソン。なかなか苦戦していて、ただいまブービーでございます。戦力的には元Jリーガーを揃えていますし、JFLという舞台において、そこまで極端に劣っているようには思われないのですが、やはり歴史というかノウハウの蓄積というか、クラブとしての経験値が不足しているのでしょうかね。

アウェイチームのFC大阪は、Jリーグの準加盟クラブ。二つの昇格枠を目指して、同じく準加盟の奈良クラブヴィアティン三重と壮絶なる三つ巴状態に突入しつつあります。けっこうシーズンも最後の最後までもつれそうな予感がプンプン漂う。ちなみにFC大阪にJリーグの条件を満たすスタジアムなんてあったかしら?と調べてみたら、さしあたり花園第2グラウンドを改修して使う予定なんだとか。J1やJ2の基準は満たさない感じですけど、なんか、クリアソンより恵まれてますね。

 

□どちらも微妙なクオリティ

さて、ピッチ上ですが、新宿は先日、大雨のヴィアティン戦を見たときと同様に352。そして、ミドルパスやロングパスを中心に少ない手数でシュートまで持ち込もうというハリルホジッチみたいなサッカー。ただし、理念に技術が追いつかない場面が多く、もはや〝失うためのロングパス〟みたいな感が否めなかったかも。

対するFC大阪は4231。序盤こそ圧倒的な攻勢をかけていましたが、先制点を奪って以降は中盤が緩かったのか、あるいは4ー4の2ラインがリトリートしすぎたのか、長い時間、押し込まれ続けます。そんな中で突破口となっていたのが、右WG18番のドリブル突破。周囲の味方も「お前が前に運べ!」って指示を出してましたね。

 

□まずは1点ずつを奪い合う

スコア自体は、キックオフしてあっという間に動きました。何度かセットプレーからゴール前に雪崩れ込んでいたFC大阪が、コーナーキックからの流れで先制に成功します。その時間帯までは、ポゼッション率が100%なんじゃないかってくらいにFC大阪が攻めていた。そして、この先制点を境に、今度はもはやハーフコートゲームってくらいにクリアソンが攻めたてる。そして左サイドの崩しから、17番の選手が往年の玉田圭司を彷彿とさせる抜け出しとドッカンシュートを決めて、試合は振り出しに戻りました。

そのまま後半も新宿が大阪を圧倒するかと思いきや、少し状況が変わる。後半開始とともに両チームが決定機を迎え、そして仕留めきれないという展開となりました。特に大阪にとっては審判の笛ともどもフラストレーションが溜まったかもしれません。FC大阪の選手がドリブルを仕掛けて倒れこむというシーンが何度か続けてノーファール判定となりました。「そのまま倒れ込んでしまえ!」感が溢れ出ると、なかなかとってもらえないものです。

 

□決勝点を奪ったのはFC大阪

全体として、圧倒的ににFC大阪が攻める時間帯と、圧倒的にクリアソンが攻める時間帯が交互にやってくる極端な展開でした。思うにFC大阪は先制後、リトリートしすぎたのではなかろうか。その結果として上田康太や森村が低い位置でスペースを謳歌し、そこからのロングパスで新宿は局面を一気に整えられた。最終ラインからのレーザービームでFWが相手最終ラインをブレイクするみたいなシーンもありましたしね。しかし、いったんFC大阪が高い位置まで押し上げて上田康太とかのスペースを消すと新宿は何もできなくなり、一方的に押し込まれてしまう。そんな応酬だったかと思われます。実際に上田の交代で、互いが互いを押し込み続けあうという極端な構図ではなくなりましたし。

ともあれ、上田の交代後、FC大阪はそのお株を奪うような長い距離のFKを前線の選手がヘッドで合わせて決勝ゴールをあげました。追いつきたい新宿は岡本達也と大崎淳也というJFL的にはビッグネームを続けざまに投入しましたが、決して短くはない時間を与えられながらも彼らは往年の片鱗を輝かせることはできず、ズルズルとタイムアップを迎えてしまいました。新宿的にはもう少しロングパスの精度をあげるか、短いレンジのパスで局面を作るコンビネーションが必要かもしれないですね。

2020(1640)

暑かったけど、インテンシティも高かった〜東京武蔵野シティFCvsヴィアティン三重(7/10)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□赤羽独立王国?

数年前までの数年間を赤羽で過ごしたワタクシ、当時の感覚としては、「赤羽を埼玉扱いするな!というか、埼玉とか東京とか、そういう問題ではなく、赤羽は赤羽だ!」という気概を持っておりました。そんな赤羽は一応、東京都北区なわけで、区役所は王子にあります。もちろん出張所が赤羽にもありますから、引っ越した直後くらいしか王子には行きません。

そんな王子を久々に散策して思ったのですが、王子と赤羽はやっぱり雰囲気が違う。というか、特殊なのは赤羽。なんというか、王子って、本郷までよりはだいぶ北なんで江戸の内ではないのですが、板橋とかとの連続性もあって、どことなく江戸の延長線として町が形成されてきたという雰囲気がある。それに対して赤羽は、そもそも飛び地的な場所に都市計画を立てて出来たような町。つまり、江戸の延長線上からは隔絶されている印象がある。そういう背景もあって、そもそも隔絶されているからこそ「埼玉とか東京とかではなく、赤羽は赤羽」という皮膚感覚を覚えるのだな、と妙に合点がいった次第であります。

 

□両チームの現状

それにしても「武蔵野とは?」っていう話ですよ。詳しいことは知りませんが、たぶん、江戸城を起点に西へと進むと「山手」→「武蔵野(台地)」→「多摩(丘陵)」という区分になるではないかと、元多摩市民の皮膚感覚としてはボンヤリと考えております。なんとなく中央線沿線以北の東京都下が武蔵野で、以南が多摩という印象。ってことを考えると、西が丘は武蔵野なのか?元赤羽住民、しかも西が丘まで徒歩圏に住んでいた身の皮膚感覚として、赤羽は武蔵野じゃないんだよなぁ。

そんな東京武蔵野シティFCに対するヴィアティン三重ですが、先週に引き続きの2週連続観戦となりました。先週は地方の市営競技場の、阪神園芸とかがメンテナンスしてくれるわけではないピッチで、大雨に晒されながらの試合になりましたので、もはやサッカーとは別競技、サッカーではない何かになっておりました。なので、今週こそはヴィアティンがどういうサッカーをするか見せつけてもらいたいところです。

 

□よくある構図のマッチアップ

さて武蔵野ですが、システムは4231。さほどわかりやすいポジショナルではなかったものの、横幅を広く使ったり、SBがハーフスペースに入っていったり、GKが飯倉みたいなポジショニングだったり、そういう方向性のサッカーで、特に右SBの6番が効果的に攻撃参加しておりました。

一方の三重は田村と菅野、背番号でいうと10番と5番という不思議なツートップのクオリティを生かしていこうという442。何か極端な特徴がある感じではありませんでしたが、先制後は割り切ってリトリート。梅雨明け後の15:30キックオフですから、そこそこ風が吹いていたとはいえ暑い。って中で前半は省エネに徹して、相手が落ちてくるのを虎視眈々と待ち構えるようなイメージだったでしょうか。

 

□ヴィアティンが先制!

試合は早い時間帯に動きます。前半の5分にもならないようなタイミングで、縦パスに田村翔太が裏抜けして、そのまま独走、GKとの1対1も制してヴィアティンが先制します。それにしても「これぞ田村翔太!」というゴールでした。早々にリードされた武蔵野は攻撃姿勢を高めてヴィアティンゴールを目指して攻めたてます。とはいえ、ヴィアティン守備陣がアタフタする感じでもなかったので、攻めているのか攻めさせられているのか、ヴィアティン的には「攻めろ攻めろ、そして疲れろ」くらいの心持ちだったかもしれません。

ということもあってかなかってか、後半開始からしばらくは三重にCKのチャンスが多くありました。ある程度、ボールをポゼッションするようになったということかもしれませんが、皮肉なことに、逆に武蔵野が勢いづく。武蔵野はポゼッションより速攻の方がパスワークが冴えるのようにも思えました。

 

□武蔵野が追いつく

そうやって武蔵野が圧を高めると徐々に三重は防戦一方になる。そこで樋口監督はFWの田村翔太を下げてMF登録の寺下を突入。ストーン役など高さを加えて跳ね返す強度を高めたものと思われますが、残念ながらそれが奏功するとはなく、武蔵野に追いつかれてしまいました。リスタートからの失点。プレーが途切れたところでのエアポケット、ありがちな失点の仕方ではありますから、勿体なかったですね。

勝ち越しを目指す三重はハイタワーのベテラン佐藤滉一をピッチに送り込む。佐藤は随所に巧みなフリックを見せて、菅野のシュートなどをお膳立てするものの武蔵野ゴールを割るには至らず。一方でかなり厳しい状況に追い込まれていた守備面は中盤に高橋虎太郎が入ったことで劇的に強度が復活。攻め込まれながらも決定的なシュートを許さない前半の状況に引き戻します。途中出場とはいえ、灼熱の中であれだけ動き回ってくれるとチームとしては助かりますね。結局、両チームとも勝ち越しゴールをあげることはできませんでしたが、最後まで一進一退の続く好ゲームだったと思います。

内容は順位通り〜相模原vs藤枝(7/9)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

ロマンスカー

この日はちょいと都内で所用がございまして、「間に合いそうなら行く」という感じだったのですが、わりと余裕で間に合うことになりました。で、思ったのですが、JリーグチケットのQR発券って便利ですよね。電車の待ち時間に購入が完了してしまう。ともあれ日比谷線沿線にいたこともあり、霞が関からロマンスカーメトロに乗ることにしました。時間的には少し早く着きすぎるのですが、日比谷線から新宿に出るのはまあまあ面倒くさいので、メトロなロマンスカーに乗れてラッキーです。ただ、パンドラの箱だったような気もする。霞が関から相模大野(厳密には町田で各停に乗り換えた)って、40分足らず。それくらいの距離に有料特急を使うなよって話なのですが、休日出勤しているのだから、それくらい許せって話でもある。ただ、一度この楽ちんを覚えてしまうと、休日出勤とか関係なく乗ってしまいそう。開けちゃいけない箱を開けてしまったかもしれません。

 

□好対照

それにしても相模原は不調ですね。なかなか調子が上がらないので高木監督を解任してしまいましたけど、高木監督を解任したクラブって、わりと揃って低迷期に入ってしまいません?大宮とか長崎とか。まあ、もともと相模原はユーリとホムロという飛び道具でJ2に上がったようなものですから、その両者を失えばJ2に残留できないのは勿論のこと、J3で苦戦するのも、そこまで不思議ではないですけどね。

逆に藤枝は好調です。一応、石崎さんがそれなりのところまで引き上げたシーズンもありましたが、クラブの規模としては、まだまだJ3でも上位の常連という感じではない。それが昇格圏まで勝ち点差5の5位ですからね。まだまだこの先は長いのでどうなっていくかはわかりませんが、今のところ須藤大輔監督、なかなかの手腕を発揮しております。同時代に暗黒期のヴァンフォーレを支えた仲田健二監督がYS横浜を志半ばで去ったのとは対照的ですね。

 

ショートカウンターvs横幅を使ったクロス

監督が変わって相模原は442にしたんですかね?その一方でスターティングラインナップは前監督時代を踏襲してかどうかは知りませんが、343で表記する。陽動作戦になってるのかどうかは微妙ですが、ともあれ相模原は選手の取説的通りに適材適所な配置をした442で戦います。サッカーのスタイルは奪ってから素早く縦につないでいくショートカウンターのスタイル。

対する藤枝は3421だったと思いますが、時間帯によってはWBが左低右高になることも多く、本来なら攻撃では325を作りたいのであろうところが424っぽくなっていたりもしました。とはいえ基本形は3バックの利点を生かした5レーンで横幅を全開に使ってクロスを入れていくスタイルでしたね。また中央ではあまりこねくり回さず、リスクを避けつつサイドで相手を崩そうという感じでした。

 

□相模原、仕留めきれず

前半はキックオフから圧倒的相模原が藤枝ゴール前に攻めこんでいました。ただ、シュートが決まらない。バーに直撃したり、ペナルティエリア内でモタついたり、後ろに戻してから打ったミドルシュートがヘロヘロだったり、狙いすぎて僅かに逸れたり。勿論、藤枝守備陣が慌てず騒がずバタバタせずっていう守りを見せていて、そこの統率の良さもあったとは思いますが、どちらかというと、ゴール前のクオリティ不足というと酷ですが、“ゾーン”に入ったシュートを打たないと決まらないところで、“ゾーン”に入れなかったということかと思われます。

前半に目立った選手は、まずは面矢。ロングスローは一つの武器になっていますね。それから藤本はさすがのテクニック。ベテランのテクニックという面では、藤枝の鈴木惇にも目が奪われました。もともと運動量とかキレで勝負するのではなく、中央に構えてパワーを前面に押し出したミドルパスを散らしていくプレースタイルですから、そういうところはベテランになっても衰えづらいらしい。

 

□藤枝のソリッドさと相模原の要領の悪さ

後半に入るとペースは藤枝のもとに。スタグルを食べるときに多少うっとうしい程度の風が吹いていて、その風向きの問題と、それから押谷の投入をスイッチに藤枝は攻勢を仕掛けます。逆に相模原は雑な縦ポンが増える。それもリスクを回避するための縦ポンというよりも、「楽して点を取りたい」的な、手数をサボる感じの縦ポンが多かった印象です。

そんなこんなで相模原が自らイニシアチブを放棄するなか、藤枝が先制ゴールを決めます。WGの杉田がサイドを攻略すると、少し後ろのハーフスペースでWBの久保がクロス。それを横山が決めました。このWGとWBのWWクロスが、おそらく藤枝の真骨頂だったのではあるまいか。そして、そこからは7人で固めて、前3人がカウンターで陣地を回復しつつフォアプレスを仕掛けるという整理された逃げ切り戦術を藤枝は披露。そこを突き破る術を相模原は持ち合わせていなかったらしく、そのままズルズルとタイムアップ。藤枝のソリッドさと、相模原の要領の悪さが際立つ一戦となりました。

雨中のスコアレスドロー決着〜ヴィアティン三重vsクリアソン新宿(7/3)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

刀剣乱舞

前日はポイントゲッターズ、この日はヴィアティンの観戦です。前日は暑かった。そして、この日は大雨だった。いろいろ観光とか散策とかしようと思っていたのですが、大雨。仕方ないのでこういう時は博物館とかに行く。近くに市立博物館があったので訪ねてみたのですが、めっちゃ刀剣推しでしたねえ。

刀剣乱舞」のリリース以来、若い女性が博物館の刀剣に食いつくようになって、各地で刀剣をメインとした特別展が開催されると史上最大入館者数を更新する、みたいなニュースを何度か見かけた記憶があります。それにしても桑名市立博物館は刀剣推し、ここ数年の特別展のほとんどが何らかの形で刀剣をいっちょ噛みさせている。挙げ句の果てには「陶芸乱舞」という特別展もあるらしい。誰が、うまいこと言え、ゆうてん。

 

□ジャパニーズフットボールリーグスタイル

さて、雨中決戦となったわけですがが、ホームのヴィアティンは波瀾万丈のポイントゲッターズを尻目に快調ですね。熟練の樋口監督が率いているのだから、そりゃ、そんなおかしなことにはならない。そして、樋口さんが監督に就任したのも、比較的経営が安定しているのも、それもこれも四中工ネットワークの信頼感がなせるワザ。行政やら商工会やら体育連盟やらの各種機関との協調が、何より大切なのがジャパニーズフットボールリーグスタイルなわけです。

乗り込んできた新宿も、行政との関係性は良いのですよね。新宿を名乗りながら向こう100年は新宿をホームスタジアムにできないであろうクラブを優遇して良いのかどうかって疑問もなしとはしませんが、ともあれクリアソンは若い力が新しく柔軟なアイデアでフットワーク軽く成長している、サッカー界のベンチャー企業。行く末はライブドアのようになるのか、サイバーエージェントみたいに長い付き合いになるのか、はたまた楽天のようにオーナーが悪目立ちするクラブとなっていくのか。目が離せませんね。

 

□ヴィアティンが格上相当なのかな?

ヴィアティンは樋口監督が率いるチームらしく基本に忠実な442です。そしてフォアチェックやデュエルで負けないハードワークが徹底されている。一時期はやった「サッカーの本質」と言われる部分を大切にするサッカー。メンツを見てみると野垣内がおりますねぇ、元岐阜の。懐かしい。ベンチには同時期に岐阜に在籍していた佐藤滉一もいる。この両者はめぐりめぐってここで邂逅していたのか。

対する新宿は352なんだと思われますが、水たまりピッチの影響もあってか、全くポジショナルではない。ブンデス二部の下位チームのようなワンタッチ縦ポンのハイテンションサッカー。ちなみに中盤の逆三角形はアンカーにFC東京や町田で活躍した森村が控え、インサイドハーフの左には上田康太がいる。瀬川とかもいますし、なかなか豪華なメンバーなのですが、あまりタレント軍団っぽい雰囲気はない。むしろ弱者の戦術を徹底しているように見えました。

 

□まだサッカーではあった

試合はキックオフとともにクリアソンがイニシアチブを握る。最初の10分ほどは一気呵成に攻めたてるクリアソンの前にヴィアティンはタジタジとなる。しかし、そこは樋口さんに鍛えられたチーム。我慢強く対応する中で少しずつペースを握り返し、ジリジリと圧を強めていきます。なので最初の15分はクリアソンの時間、残りの30分はヴィアティンの時間、そういう前半の45分だった思います。

ちなみに、例によって前半の残り10分弱でサブの選手がアップを始めるわけですが、朝日ガスエナジー東員スタジアムは、ただでさえトラックがあってスタンドが遠いのに、トラックとスタンドの間に謎の芝生ゾーンがあって、邪魔っちゃ邪魔。とはいえサブの選手たちはそこでアップしていて、ゴール裏でアップする感じがヨーロッパサッカーを見ているようで、少しテンションがあがりました。

 

□もはやサッカーではなくなった

ハーフタイムを迎えたところで雨脚が再び強くなる。なんなら雷鳴とかが耳に入ってくる。となれば試合は中断ということになり、後半の開始時間が遅れる。結局、試合再開が35分遅れたわけですが、帰りの新幹線の時間を考えると、まあまあギリギリ。落ち着きなくソワソワしているうちにピッチコンディションは悪化の一途をたどってついにはピクシーがリフティングドリブルのためのアップを始めるレベルとなります。

もはやこうなるとサッカーとは別の競技になりますよね。アクシデントを避けるために両チームはただただボールを大きく蹴り出す。って中で、こういう展開には不向きと判断されたのか、あるいはコンディションの問題か、野垣内はCBながら途中交代。その後に佐藤滉一が投入されたので、野垣内と佐藤滉一はピッチ内では悲しきすれ違いとなってしまいました。それくらいしかトピックのない後半の45分。一応、ヴィアティンには2回ほど超決定機もありましたけど、総じて「こうなっちゃ仕方ない」っていうスコアレスドローで試合は終わりました。

 

ポルティモネンセ仕込みの攻撃センス〜鈴鹿ポイントゲッターズvs奈良クラブ(7/2)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

四日市市中央緑地公園陸上競技

確か、鈴鹿って、もともとは「ランポーレ」って名前で、で、なぜランポーレかというと名張市に縁の江戸川乱歩から取った名前だったはず。つまり、本来は名張のクラブ。それが鈴鹿を名乗っているのは、Jリーグを目指すにあたって鈴鹿スポーツガーデンを本拠地にしたかったから、だと思う。間違ってたらすんまへん。

それが鈴鹿を名乗ったにもかかわらず、なんやかんやあって、要するに県が県営施設をどう活用(=修理)するかってところの話で、なかなかスポーツガーデンを使うって感じでもなくなり、この試合は名張でも鈴鹿でもなく四日市。もはやヴィアティンの本拠地桑名とホームである鈴鹿の中立地点じゃないか。ともあれ、はじめて訪れた四日市市中央緑地公園陸上競技場、平野の真っ只中の国道沿い。周囲には大型店舗があって、公園の入口にはおしゃれスタバとかある。おったまげでざますわよ。

 

□謎のダービー

……確か、奈良クラブって、数年前になんか不祥事的なことがありましたよね。「とにかく最短距離でJリーグへ」って感じで自転車操業しているクラブにはありがちなパターン。で、全く同じ構図を背景にして鈴鹿さんに至っては、不祥事(処理)の真っ最中。もはや、何のダービーかわからないですけど、何らかのダービーではありますよね。こんなことをネタにしたら不謹慎ですけど。

ともあれ、鈴鹿は当面Jリーグには上がれない。他方、奈良クラブはとにもかくにも立て直してきて、今シーズン、このままの調子で加速していけば、結構な現実味を持ってJリーグが見えてくる。そんなジェラシー感じる似た者を相手に回して、鈴鹿がどういうモチベーションで立ち向かうのか。なんとなく、ヤス三浦ヤスが率いるチームにありがちな、「どこぞの団体の鉄砲玉じゃないんだから」っていうダーティーファイトになるんじゃないかと心配しつつキックオフを迎えました。実際、レフェリーがアレだったこともあり、しっかり荒れ気味になりましたよ。

 

 

□ポジショナルとポゼッション

カズ三浦カズだけでなく、それなりにプロ経験選手を集めている鈴鹿。元Jリーガーとしては、横浜FCにいた中里とか、FC東京の下部組織出身の平出、町田にいた遠藤、それから本田圭佑の同級生として有名な橋本などが先発出場しておりました。その一方でFWの北野純也とかは在籍の長い選手ですよね。ずいぶん前にも不祥事があったときに既に在籍していたような。

対する奈良はポジショナルサッカーですね。ちなみに当たり前ですがポゼッションサッカーとポジショナルサッカーは全く別物。見極め方としては、最終ラインで回しつつ、鬼パスの逃げ先とされたSBがアタフタしていたら、それはポジショナルサッカーです。奈良クラブのサッカーは、そういうスタイル。

 

奈良クラブが猛攻

もうね、初っ端から奈良クラブが決定力を見せつけてたのですよ。さっさと決めた先制点は、左サイドを完全に崩しきってからのクロスを決めたもの。パターン的にどう考えてもオフサイドなわけがないのですが、謎にオフサイドフラッグが上がる。さすがに主審とラインズが協議して、オフサイドは認定されず、ゴールが認められましたけれども。さらに奈良クラブは攻撃の手を緩めない。かなり雑な縦ポンに抜け出した22番が「大迫ハンパない」な変態トラップで収めて決めきると、さらに22番は逆サイドに流れて逆足ミドルも決める。前半だけで3ー0となりましま。

オーソドックスな442の鈴鹿も、オーソドックスな前半の戦いらしく、縦パス裏抜けを起点にサイドアタックをしかけていくのですが、攻め直しのバックパスをDFやボランチに戻したところで相手の前線の選手に奪われてしまう、みたいなシーンが続いて、なかなかリズムを作れない。なお、かなり早い時間帯にSBの26番を失いましたが、代わりに入った2番も良いオーバーラップを見せていたので、そこのダメージは最低限で済んだかもしれません。

 

□猛攻も崩しきれず

後半に入るとヤス三浦ヤスは魂の3枚替え。橋本や中里を下げたので、名より実を取って、要するに動ける選手を増やしたということかと思われます。それで思ったのですが、いろいろ技術や経験でカバーできるとはいえ、この灼熱の状況下だと、よっぽどコンディションが良いとか、若さが溢れてるとかないと、どうしてもキレが落ちる。逆にこういうシチュエーションの試合ではキレが落ちない選手をうまくピックアップすることが大切なんだろうなぁと思われた次第です。

そんなわけで後半は風向きの影響も若干あったかもしれませんが、打って変わって鈴鹿が奈良を押し込む。しかし、なかなかスコアを動かせないでいるうちに、22のクロスに18が合わせて奈良クラブがさらに突き放してしまいました。奈良クラブの22番、長島滉大って言うのですが、どうやらポルティモネンセに所属経験もあるらしく、はまったときの攻撃センスは素晴らしいですね。逆に鈴鹿は攻めても攻めてもゴールラインを揺らせない。シンプルに奈良クラブの守備力が鈴鹿の攻撃力を上回った、そういう試合だったと思います。

 

鈴木雄也が格好よすぎた〜東京武蔵野ユナイテッドFCvsHONDA FC(6/25)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

本蓮沼

西が丘へ行くときは普段なら赤羽からバスるのですが、この日は駒込に用事があったので三田線に乗って本蓮沼から歩くことにしました。毎回必ず間違えて、無限ループで「へぇ、そうだったのか⁈」ってなるのですが、「ほんはすぬま」でなくて「もとはすぬま」なんですね。「本厚木」とか「本千葉」とか「本川越」とか、あるいは「本駒込」とか、駅名の場合、「ほん○○」って方が多数派のような気がするんですけど、こちらは「もとはすぬま」。「もと○○」って、他に「本八幡」くらいしか思い浮かばないような。

本八幡の場合、まだ「もと+3文字」だから許せるんでけど、「もと+4文字」って、語呂が今ひとつじゃありません?「もとやわた」だから良いのであって、もし八幡が「やわた」ではなく「はちまん」だとしたら、「もとはちまん」ではなく「ほんはちまん」って読みたくなるのはワタクシだけでしょうか??逆に「ほんやわた」なら、そっちはそっちでなんとなく許せてしまう、、、、なんのこっちゃ⁇

 

□明暗分かれ中

今シーズン初観戦の武蔵野ですが、現在まさかの首位なんですね。何かと自己中心的というか、「夢と理想を追いかける自分たち無罪」的な思想で突っ走っている東京ユナイテッドFCが、「成績で昇格できないなら、M&Aで昇格しよう」とお買い上げしたクラブですが、首位ですね〜。100年構想クラブからは外れたままっぽいとはいえ。

乗り込んできたHONDAですが、つい最近までは「JFLの門番」と言われてきた企業クラブの雄も今シーズンはここまで7位。よりアマチュア集団として純化させて、同時に井幡さんが退任。その影響が大きいのかな?井幡さん、籍を移したマルヤスを早速躍進させてます。それまでは4年連続で二桁順位だったのを、現在JFLで2位ですからね。勝手なイメージですけど、ザスパとか松本とか今治とか、布啓一郎を招聘したことのあるJクラブからお呼びがかかりそう。

 

□Jリーグチームとは違ういろいろ

さて、オンザピッチ。武蔵野は、、、背番号のフォントが大きい、そうかJFLはJリーグではないから、統一規格のユニバーサルデザインではないのか。青に白、ただでさえ膨張する上に、太い線、35℃の日差しでチカチカしたよ。ちなみに武蔵野のシステムはユニバーサルな442でした。

対するHONDAですけど、ここ数年はNHKが放映する天皇杯で見るのがメインだったので、むしろJリーグチーム以上に「テレビの中の存在」。ついつい、「あの八戸選手だ!」「あの鈴木雄也選手だ!」みたいなテンションになってしまったよ。ちなみに、キーパー楠本がデカい声で指示しまくっていたのですが、もはや声が枯れていて、なんだかチーママみたいだったぞ。

 

□HONDAが先制

さて、試合は、まずは武蔵野が攻めこむ。けっこう即時奪還とかセカンド争いに勝利とかできている中、HONDAは一撃必殺のカウンターを仕掛けると、それで得たセットプレーからあっさり先制点を決める。こういうところは、さすがHONDAですね。DNAのなせるワザ。ただ、これまでのDNAとは違う点もあって、システムが442じゃなかったかもしれません、いや、442だったかな。鈴木雄也が右のWGかSH、17番が左のSHかISH。ボランチの2枚も横並びでなく段差を作っていたので、4123にも見えたんですよね。相手陣内では鈴木が上がって17番が絞る4123で押し込み、自陣では鈴木と17が両サイドで構えて442のセットを作る、みたいなイメージですかね。

なお、前半の飲水タイムでは、ボールパーソン、たぶん小学生なんで、男の子なのか女の子なのか判断しづらかったんですけど、ともあれボールパーソンからボトルが渡されて、副審も水分を補給。Jリーグでもそういう感じなんですかね。とにもかくにも微笑ましい一コマでございました。

 

□HONDAの完勝

後半開始とともにHONDAはボランチの23に替えてアタッカーの19番を投入、ハッキリとした442とします。追いかける武蔵野は後半の早めの時間帯にDFを2枚替え。守備対応が悪いゆえに攻めこまれていると判断したのか、攻撃の起点という部分に不満があったのか。ともあれ、試合は膠着して、灼熱のデーゲームらしく両チームとも踏ん張りが利かなくなる。ファールも増える。ってなかで武蔵野の6番がHONDA途中出場の19番を削って交代に追い込んでしまいました。そこでリーダーシップを発揮したのが鈴木雄也。削ったことを責めるのではなく、ケガをさせてしまったなら、ケガをさせてしまったなりに適切に振る舞うよう「6番!(謝りに)来いよ‼」と呼び付ける。痺れましたねぇ。これぞ、スポーツマンシップ。格好よかったです。そんなHONDAに勝利の女神は微笑んで、終盤に2得点を追加。気候条件が余りにも過酷でしたので、お世辞にもサッカー的にハイクオリティな試合とはなりませんでしたが、HONDAが清々しい勝利を収めました。

くノ一が試合巧者ぶりを見せつける〜横浜FCシーガルズvs伊賀FCくノ一(6/19)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□京浜工業地帯を京浜急行で行く

最近、京急大師線沿線の虜になっているんですよね。あのディープ感。もともと川崎大師のお膝元で、江戸時代のお寺っていうのは、例えば浅草寺の脇が山谷で、四天王寺の脇が西成であるように、最後のセーフティネットとしての機能を持っていたわけで、そういう雰囲気もあり、かつ、京浜工業を支えた労働者の町でもある。多様な住民のあり方とか東アジアの歴史の中に位置づけるべき歴史もあって、とにかくディープ。特に川崎大師より更に向かうに歩いていくと、そりゃもう、ディープ。

似たようなディープ感は横浜の黄金町にもあったはずなのですが、最近は治安も良くなってきたそうで。そんな黄金町の少し向こうが井土ヶ谷。このあたりまで来ると、途端に〝丘の上〟感があって、初夏の風が爽やかでした。アジサイが綺麗、新緑がもはや暴力的とさえいえる。うつらうつらの時間を過ごしたとさ。

 

□両チームの現状

さてシーガルズの試合を見るのは2〜3年ぶりかな。「まだ、山本絵美はやってるのかな?」とホームページを覗いてみたら、名前は確認できず。「さすがに引退したか…」とウィキペディアを眺めてみたら、なんとエルフィンに移籍して、現役を続行しているらしい。頭が下がります。ついでに調べてみたところ、小原由梨愛は引退したらしい。小原の方が若いのにね。それだけ山本絵美がハンパないってことですね。それは浦和の安藤梢も同じですけど。

アウェイのくノ一は、先日、すぐ隣でB’zがライブしていることなんかには目もくれないでスフィーダ戦は観戦したばかり。それからさほど節を重ねているわけでもないですし、相変わらず、堅調を維持しているようです。

 

□2トップが縦関係っぽい442対決

シーガルズの監督は要田なんですね。オシム時代のジェフでスーパーサブをやっていた。すっかり顔がパンパンじゃないですか。さぞかしなかなかのことになってるかと思いきや、全体のフォルムはそれなりにスッキリしていた。システムは2トップが縦関係っぽい442なんですが、比較の上で小柄な11番の平川がファーストで、より大柄な9番の片山がセカンドトップでした。ヴィッセル神戸で例えると、武藤が最前線で、その下に大迫が控える、みたいなイメージ。

対するくノ一も2トップが縦関係っぽい442。スタイルとしては手数をかけず前に送るセーフティファーストなサッカーなのですが、前半は空いたスペースを悉く攻略していてので、ある意味ではポジショナルと言えるのかも。ただ守備のときは、少し危うい部分がないわけではなく、相手SHを潰すためのサイドのスライドやSHとSBのサンドが少し甘いようにも見えましたが、敢えてそこにボールを誘導していたと言われれば、そうであったのかもしれません。ともあれ、少ないタッチ数での縦パスで効果的に陣地回復を果たしていたと思います。

 

□くノ一が先制!

試合は前半から動きます。くノ一8番の三橋が中村俊輔のFKみたいな弾道のミドルシュートを流れの中で放り込んで、くノ一が先制しました。リードされたシーガルズは前半20分の段階で右SHを24番から13番をスイッチ。どうしたんですかね?フリー気味になりながら何もできていないという判断だったのが、交代の少し前に逆側の自陣左サイドで痛んでいた選手がいたので、それが実は24番だったのか。

前半から、わりと試合は一方的というか、くノ一がシーガルズ陣内でボールを動かす時間が長かった。単純な一対一でシーガルズの選手よりくノ一の選手のクオリティ方が高かったようにも見えましたし、そうやって後手後手に回る中でシーガルズはくノ一のロングパスに制限をかけられていなかったので、そのあたりも苦戦の要因でしょう。というか、くノ一の選手はボールを受けてから、空いているスペースを見つけるまでが早くて、そこにパスを送る判断力が、特に前半は高かったのだと思います。

 

□くノ一が逃げ切る‼

後半、くノ一はナンバー10の「さくま・ことり」を投入します。「さくま・ことり」って言うくらいだから「佐久間小鳥」かと思いきや、「作間琴莉」だったよ。なんてことはともあれ、後半は一転してシーガルズがイニシアチブを握ります。観客席にいると初夏の心地よさを感じさせてくれていた薫風ですが、ピッチレベルではそれなりに影響を与える風になっていたのかもしれませんね。

一気呵成にたたみ掛けて同点に追い付きたいシーガルズは18番のFWを投入して、オーガナイズだかオーソライズだかを3421に変えます。これで距離感もよくなって、しばらくはシーガルズが圧倒的に攻めたてましたが、少しずつくノ一も対応力を発揮し、ペースを引き戻します。くノ一はかなり早い段階で割り切ってこのまま逃げ切れば良いという意思で統一されていて、ズルズル下がるでも、人数をかけてカウンターを仕掛けるでもなく、できるだけ相手陣内で守る時間を増やすという試合運びを見せて、そこまで決定的なシュートを打たれることのないまま試合をクローズさせました。1ー0でくノ一の勝利でございます。

 

老将が老将に完勝する〜柏レイソルvsヴィッセル神戸(6/18)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□ソロキャンプには向かなさそう

この日は成田線沿線の某公園を散歩しておりました。別に某公園と勿体ぶる必要はないんですけど、「何をしに行ったの?」と問われたとき、「なんとなく」としか答えようがないので、とりあえず勿体ぶってみました。で、そこの公園はキャンプしても良いところらしく、多くのキャンパーが思い思いに楽しんでいたのですが、いやあ、ほんとにいるんですねぇ、ソロキャンパー。

マンガ?アニメ?の影響でソロキャンプが流行っているとは聞いていましたし、コロナ状態になってからのBSはやたらとそういう番組が多いので薄々は知識として知っていたのですが、まさかホントに流行っているとは。ってなことなんで、そこの公園には簡易トイレが設置されていた。逆に言うとトイレしようと思うと、その簡易トイレを使うしかない。……いや、無理ですって。JRの駅のトイレより汚いトイレは使えないから、海外旅行だって、人生で1回しか行ったことがないワタクシ、たぶん、ソロキャンパーには絶対になれないような気がします。そんなことを再確認させられる散策でございました。

 

ネルシーニョダービー

いやあ、好調ですねえ、レイソルネルシーニョさん、もはや完全に過去の人になって晩節を汚しながら契約満了を迎えるのかと思ってたいたら、なんのなんの。ちなみにネルシーニョさん、神戸の監督もしていたので、この試合はネルシーニョダービーですね。他にも神戸から柏へ移籍した選手で言えば、キム・スンギュ、三原、ドウグラスあたりのダービーということになるでしょうか。

アウェイの神戸はロティーナ新体制となりました。ロティーナも、なんか、柏の監督とかやってたりしても違和感ない印象。個人的にはロティーナのチルドレンともいえる井上潮音を応援したいところですけど、ヴィッセル神戸という世界線の中で才能を埋没させてしまいそう。なんにせよ、スポーツの世界もビジネスの世界と同じスピード感を求める三木谷さんとロティーナの相性が良いとは考えづらいので、過度の期待は禁物といったところでしょうか。

 

□似てる?

なんか、似てませんでした?この両チーム。システムは532同士でしたかね??レイソルは完全な532、神戸はイニエスタと郷家が非対称な2シャドーの3421に見えなくもなかったですけど、532かな〜。そう考えた場合、ストライカーの相方が神戸はイニエスタで、柏は小屋松。どちらも中盤の選手。

それから3バックの中央が大崎と上嶋。どちらもリベロというよりストッパータイプですよね。大崎についてはストッパーというよりスイーパーな位置取りでしたけど。さらに両チームの左CBが小林と古賀。似てる。プレースタイルもさることながら、サポーターから背負ったいるであろう期待の種類がとても似ている。全体として似たもの同士のマッチアップだったと言えるでしょう。

 

□神戸が先制して、柏が逆転

神戸はロティーナがポジショナルを仕込んでいる最中ということなのか、最初から5レーンになるよう3バックでしたね。大崎アンカー説もありましたけど。で、そんな神戸が先制する。マイボとしてキープするのも大変な鬼パスを押し付けられたイニエスタが変態なワンタッチアウトサイドスルーパスを出して、それを受けた橋本が独走して決めきりました。

しかし柏も引き下がらない。中盤でボールを奪うと、左に大きな展開。それをさらに右へと大きな展開。そうなりゃ中央でフリーの選手ができる。ってところで椎橋が生涯で1〜2回あるかないかのスーパーミドルをどっかんと突き刺しました。さらに攻める柏はPKを獲得すると、サヴィオが決めて勝ち越します。たぶんファールの場所がエリア内だったかどうかでVAR+オンフィールドレビューがあったのですが、そもそもあれはファールだったのか?戸嶋?が自分で突っ込んでいっただけのように、遠いサイドのMR席からは見えたのですが。

 

□巻き返そうとしたら、引き離された

ティーナは後半開始とともに、さ、沙木を投入し、イニエスタをトップ下に置く4231で仕切り直します。勝利への強い気持ちも対してサポーターも加勢。サヴィオが痛んだのか、痛んだふりだかをしているときに大きなヤジを飛ばしまくりまくるというカタチでの加勢です。もちろん大型ビジョンには「声を出しての応援はお控えください」と流れます。Jリーグの歴史を振り返ると、こういうマナー違反をやりそうなのは柏サポーターだったのですが時代は変わりゆくもののようですね。

なんてノスタルジーに浸っているうちに柏は武藤を投入し、武藤雄樹vs武藤嘉紀対決が実現します。そして武藤嘉紀のゴールがVARで幻になったのに対し、武藤雄樹コーナーキックからのチャンスをものにして、レイソルが決定的な3点目をゲット。こうなるとネルシーニョは熟練の手捌き。実質4ボランチの3421(541)を構成させると、がぜん、中盤が安定する。そのまま悠々と勝利を収めました。