鹿島はどうなんでしょう⁇〜鹿島vs名古屋(3/21)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□不調と好調

ザーゴ体制2年目の鹿島ですが、ロケットスタートとはならなかったですね。若手を積極的に抜擢していますし、同胞のブラジル人の実力もよく引き出しているザーゴさんですが、いわゆる“中堅”層の存在感が今ひとつなのかな。昨シーズンから、土居・和泉・白崎が中心として機能しだしたら鹿島の勝ち点は跳ね上がるのだろうなぁと見ていたのですが、揃いも揃ってケガでしたっけ?白崎は復活してベンチ入りしてましたけど。

対する名古屋は、さすがはマッシモ。守備の安定が半端ない。昨シーズンからWボランチと2CBは固定化され、鉄壁を誇っている。そして攻撃。去年は悪い意味で固定できなかったのが、今年は良い意味で流動的に選手を入れ替えている。そして、それぞれの選手が存在感を示している。不安といえばWボランチのバックアッパーが長澤と木本くらいしかいなくて、しかも、なかなか出番がないことくらいですかね。両者が状況に嫌気を差してやさぐれないか、ここだけが不安でございます。

 

□期待の面々

さて、鹿島の面々を眺めてみると、両SBが杉岡と小泉でしたね。鹿島サポーターには酷評されがちな杉岡ですけど、ワタクシ的には、市船仕込みのあのフィジカル、推進力とパワーを諦めないって感じなんですよね。ただ、確かに、リズミカルなパスワークで相手を崩したいっていうスタイルの中では、少しのっそりと感じてしまいもしましたけど。小泉は相変わらずファイターですね。年齢的にもプラスαが欲しいかな。

対する名古屋は、相馬・宮原・山崎に注目。今シーズンはある程度レギュラー格として位置づけられてますね。カットインではなく縦に突破するクラシカルウイングの相馬、右SBで安定したボールさばきのできる宮原、大型CFの山崎と、現在の日本代表では層が薄いタイプの選手たちなんで期待したい。それから柿谷。そんなに劇的に守備のインテンシティが高まったようには見えないですが、442のカウンターサッカーだと、却ってツボを押さえた守備が求められて、柿谷的には宜しいのかも。ツボを押さえた守備は上手いですよね、柿谷って。

 

□名古屋の完勝

試合は、戦前の予想通り、「鹿島がポゼッションして、名古屋はカウンター」って構図ではあったんですけど、互いに相手の2列目と3列目のギャップでボールを受けてからパスワークを発動させるというのは共通していて、似通ってるっちゃ、似通ってたかもしれないです。

スコアは後半に動きます。コーナーキックの跳ね返りをボランチの稲垣がズッコンとミドル。ファインショットが決まって名古屋が先制します。そして、名古屋にとってはこの1点で十分。逆に追い込まれた鹿島のザーゴ監督は魂の4枚替えを敢行。中盤をダイヤモンドっぽくしましたが、マッシモは同時に木本を投入してボランチを3枚に。完全に対応されてしまった鹿島は終盤に犬飼が退場となって万事休す。後味の悪い敗戦を喫しました。

 

□鹿島らしさの喪失

後半にこの試合を象徴するシーンがあって、鹿島がリードを許した後、荒木がイエローを貰ったんですよね。理由は相手のリスタートを妨害したから。ほんと、要らないイエローです。こういうのを勝ってる試合でやって、相手をイライラさせるのが鹿島であって、負けてる試合でやっちゃ、単なる八つ当たりでしかない。鹿島らしさが失われつつあると、最近になってしばしば聞きますが、なるほど、こういうことか、と。

むしろ憎たらしいほど勝負強かった頃の鹿島っぽいプレーをしていたのは名古屋のマテウス。彼はクラシカルなブラジリアンですよね。攻撃では凄いプレーをするし、「ここでサボると叱られるよ」ってときには凄い守備もする。そして、同時にマリーシア全開なずる賢さも満載。対照的にエヴェラウドとファンアラーノは、どちらかというと正々堂々と、教科書で教えられた心構えでプレーをする印象があります。彼らは育ちが良いということでしょうか?そういうタイプを好むザーゴが作るチームですから、確かにこれまでの鹿島とはカラーが異なるのかもしれません。

 

□犬飼の退場

鹿島サポ(のSNSとかネットとかで意思表明する層)って、伝統的に目が厳しいというか、時代や状況が変わっても未だ「鹿島なら三冠制覇して当然」というレベルの基準で選手や監督を評価している感があるのですが、犬飼への評価もそういう雰囲気で、かなり厳しいですよね。きっと、この試合における彼の退場もいろいろ言われていることでしょう。ただ、ワタクシ的には、擁護しようと思えば擁護しうる要素もなくはないのかな、とか思ったりして。

まず、直前に中盤が永木をアンカーにして、その1列前に右からレオシルバ、遠藤、白崎を並べるダイヤモンドっぽい中盤にしましたよね。あれって練習してるんですかね?マッシモの4123はトレーニングしてそうでしたけど、ザーゴのダイヤはどんなものなのか。もしトレーニングの練度が足りない状態だとしたら、その皺寄せをCBがこうむるのは仕方がない。それから、あの場面、ファールしてまで一人で止めなければならない場面ではないようき見えた(ワタクシの目は節穴ですけど)。つまりフォローできたであろう他の選手との連携が不十分だった可能性がある。これも犬飼個人というより、チーム全体の問題ですよね。単純に犬飼のポカかもしれませんが、少し気になった次第です。

最後の最後にストーミングが我が身に襲いかかる〜ヴァンフォーレ甲府vs栃木SC(3/14)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□草刈り場で草を育てる

なんとなく似たもの同士の対決となりましたね。どちらも監督を代えず、去年からの継続路線。でも、主力が引き抜かれたので作り直しといえば作り直しともいえる。

例年通り、多くのメンバーが入れ替わりながらも1勝1分けと悪くないスタートを切った甲府。前線は総入れ替え状態ですよね。わずかに泉澤が残りましたけど。ドゥドウもバホスも太田も松田力もいなくなった。加えてホープだった中塩も個人昇格。ってなかでもこのスタートなら健闘しているといえるでしょう。

対する栃木も田代や瀬川がいなくなったてすし、何よりも明本が居なくなった。ほとんど明本のワンマンチームという様相さえ呈していたので、この移籍は痛い。個人昇格した浦和でもレギュラー格になった選手の穴がそうそう簡単に埋まるわけではないので、スタートダッシュでの大苦戦も想定内といえば想定内なのかもしれません。

 

□前半の構図は明確

甲府は3421ではなく352でしたね。泉澤と野津田が2シャドーになるのかと予想したのですが、野津田はISHで泉澤は三平と2トップを形成。攻撃では、泉澤が左に流れて、野津田がフォロー。そこに荒木が加わっていく感じで、「2トップの片割れ+SH+SB」が「2トップの片割れ+ISH+WB」なだけで、割と攻撃は442にありがちな形になります。

他方、栃木は、「ストーミング、ストーミング」とは言われますが、この試合では特に前半、ストーミングがストームドされましたね。ストームドという言葉があるのかどうかは知りませんが、強風吹き荒れるなかでの風下、全くリズムが作れません。ただ、嵐も前半30分くらいから収まりだしたので、ストームド状態はおもむろに「風と共に去りぬ」となりましたけど。

 

甲府の逃げ切り勝利

栃木はどうにかスコアレスでハーフタイムを迎えましたが、風上に立ったはずの後半に失点を喫する。コーナーキックに巨漢メンデスがヘッドで合わせて甲府が先制すると、直後には浅くなっていた栃木のディフェンスライン裏を泉澤が攻略して、追加点。前半は攻め込みながらもゴールを割れず悪い予感も漂っていましたが、それを払拭するファインショットでした。

しかし、そこで栃木の攻めダルマこと田坂監督が魂の3枚替えを敢行。それがピンズドで大はまり。コーナーキックから魂の途中出場をした森が決めて追い上げると、ここから栃木の代名詞ことストーミングが完全発動。リアルストーミングとなり、やがてそれはストーミンガーへと昇華し、そしてついにストーミンゲストとなりました。要するにロングボールがガンガン入れていく、練熟のパワープレーを繰り返していたわけですが、甲府甲府で割り切りディフェンス。もはや繋げようという意思など完全に振り捨てて、どこを狙うとかが全くないクリアを繰り返しながら応戦。そのまましたたかに逃げ切りました。

 

□諸景

コロナで在宅時間が長くなると、それまでは縁のなかった番組を見るようになったりしますよね。ワタクシの場合、「グレートトラバース」がそれにあたります。サバイバル能力の高いフィジカルモンスターがひたすら山を登り続けるってドキュメントなんですけど、それにハマるうちに、山とか山脈とかにも詳しくなった。それで初めて知ったのですよ、小瀬のスタジアムのバックスタンドから正面に見えるのが南アルプスの中心地である北岳とかで、ホームゴール裏の向こうに聳えているのが八ヶ岳であることを。知らないうちに日本で二番目に標高の高い山を見ていたんだなぁ。

そう、景色には色々あるのですよ。例えば、後半、魂の3枚替えで投入された栃木の森が甲府の関口とタッチを交わす。調べてみたら法政大学の先輩後輩らしい。ちなみに森と同時に投入された面矢は東海大学。この面矢、面白いですね。三平を払い投げのように投げ飛ばすような肉体派。ものすごいロングスローを連投しまくり。この選手のロングスローで、栃木はリズムを取り戻したとも思われます。

 

□幸せは儚い

試合後は山梨市駅まで移動して「步成」という、「ほうとう」も食べられる居酒屋さんみたいなところに。とりあえず鳥もつ煮。毎回食べて、毎回「さほど好きでない」と再確認する。そして馬ハツ刺し。これが大正解。馬のハツって、豚や鶏のハツ(はーと)以上に肉々しくて、すげえ旨いんですね。しかも400円。〆には地域的にも店的にも名物の「ほうとう」。こんな幸福に包まれて罰が当たらないだろうかと心配になってしまう。その心配が杞憂に終わらないのがワタクシの選ばれし所。中央線、信号機故障で完全に止まっちゃったよ。復旧の見込みが立たないとか言いやがる。まさかの帰宅困難者に。幸か不幸か、翌月曜日は休もうと思えば休める状況ではあったので、まさかまさかの山梨市での宿泊……。武蔵小金井での信号機故障で、なにゆえ甲府〜高尾間が止まるんだよ?せめて振替可能な高尾までは走らせようよ。最後の最後に、とんだストーミングに巻き込まれたよ。

 

初めて石丸さんの偉大さを実感したよ〜東京Vvs山形(3/7)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

 

□どちらも実態的強さがわからない

東京V、好調なスタートを切りましたね。前節が終わった時点で首位だったんですかね?2位とかかな? ……1試合終わっただけの時点でのお話ですが。東京Vは、監督が永井さんになってから、「number」だったか「スポルティーバ」だったか忘れましたが、ネット上に転がっている記事が提灯記事ばかりで、等身大の評価がどうにも見えづらかったりします。

対する山形は本来なら昇格の本命視されてもおかしくない。元J1クラブで、監督さんも実績のある石丸さん。去年は7位とはいえ、尻上がりっぽく成績が上っり、たまに下がったりしていった。にもかかわらず、なぜかダークホース扱い。前の社長さんが新スタジアムの夢にほだされて自治体と対立して、現在はどうなってるか存じ上げませんが、当時はその諍いの結果としてサッカー興行の現場における叩き上げでない人が社長になったんで、「どこまで本気なの?」ってところが伝わりづらく、大本命って感じにはしづらいのかもしれません。

 

□トリッキーとオーソドックス

東京Vはこれまでとは少し違った可変でしたでしょうか。スタートポジションは例によって433だったのでしょうが、攻撃では中盤ダイヤの343になります。その変形がトリッキー。まず左脇IHの加藤が両CBの左脇に落ちる。アンカーの山本と右IHの佐藤はそのまま。左WGの梶川が左IH(菱形の左)で、CFの阿野がダイヤの頂点。右WGの小池がCFにスライドして、両SBがWGになります。

対する山形はストッキング?ソックス?が肌色なものだから、遠目からだとレガースもせずにソックスを落としているように見える。「揃いも揃って、往年の故・奥大介氏か⁈」と。システムはヴェルディとは真逆で、ごくごくオーソドックスな442。Wボランチのセカンドボール回収とクサビが入ってからの攻撃のフォローアップが圧巻でした。

 

□山形の完勝劇

試合はキックオフ直後だけは東京Vが攻め込みますが、中原のコーナーからヴィニシウスが決めた山形の先制点以降は、パタッと東京Vの攻撃が繋がらなくなる。ほぼ一方的に山形が押し込み続ける展開となりましたが、馬場を中心とした守備陣の気合のディフェンスで前半を最小失点で凌ぎます。ただ、守備陣の個での奮闘が目立つというのは、守備組織崩壊の一歩手前ということですから、危険な兆候でもありました。

ということで後半は選手を入れ替えながら微修正。攻撃時は325(馬場・加藤・若狭ー福村・山本ー小池・梶川・阿野・佐藤・山下)で守備時は442というスタイルに。さらにCFに佐藤凌が入ると幾分ヴェルディも盛り返しましたが、スコアを動かしたのは山形。カウンターから抜け出した南の個人技で相手守備陣を翻弄すると、最後は再びヴィニシウスが決めて勝負あり。その後は山形がしっかりと逃げ切りました

 

□石丸イズム

それにしても、この試合だけかもしれませんが、山形が強かった。ホントにシンプルな442だったんですけどね。例えばボランチがCBの間に落ちて3バック化したりすることもない。SBがスライドした3バックはちょいちょいありましたけど、SBがインナーラップして5レーンを作るみたいなこともない。それでも攻撃が出来るのは、ポジティブトランジションからの縦パスがバシバシと通るから。クサビのコースを作る動きが上質だったということでしょう。

守備は守備で固い。ゾーンディフェンスが乱れない。永井さんとかがやっている可変サッカーって、突き詰めれば442のゾーンディフェンスをうち破るための試行錯誤だと思うのですが、442のゾーンディフェンスを突き破るためのサッカーを、442のゾーンディフェンスが受け止め切ったのだから大したものです。要するに、何の変哲も無いのに最上級な442なのですよ。教科書に忠実な凡事徹底。凡事徹底といっても極上の凡事徹底というのが、石丸イズムの真髄なのかな、と感じた次第でございます。

 

ジャクソンホール

先週も味スタで東京V観戦だったのですが、ってことを実家が調布の知り合いに言ったら、「是非、行ってみて!」と言われたので、「ジャクソンホール」というビールバー的なところに立ち寄ってみた。以前から存在は知ってて気にはなっていたのですが、店のノリとして入口付近が混雑するらしく、「入れないのかな?」と逡巡していたところなので、この機会に行ってみた。奥の席は空いていた。

スタンディングということもあってか、安いんですよ。何が安いかというと、自家醸造ビールが安い。ちょいと気の利いたクラフトビールバーって、パイントで1500円とかするじゃないですか。ここはLサイズ(430ml)が700円くらい。そりゃもうご機嫌ですよ。おつまみも安い。生ハムの量も多い。ちょい飲みには最適なんじゃないでしょうか。例えばコロナ明けに友人と味スタで19時キックオフを見に来たら、ここで21時30分から1時間くらい飲んで、解散後に最寄り駅で降りた後、一人でラーメン屋に入る、みたいな幸せマックスな光景が目に浮かぶようです。

 

要するに愛媛の出来が微妙だったという話です〜東京Vvs愛媛(2/28)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□両チームともリスタート

さあ、開幕です。今年の東京Vはどうなんでしょう?昨シーズンほとんど戦力化できなかった大久保がJ1で先発出場してゴールまで決めましたけど、永井さん&ヴェルディサポの胸中や如何に? ヴェルディ的に朗報は執行部が入れ替えになったことではなく、(おそらくそれに付随して)ラモスが役職を退任したことかもしれませんね。これで来シーズンからはもう少しバランスの良い強化がなされるのではなかろうか。

対する愛媛ですが、新監督は、和泉茂徳さん。「和泉茂徳」と書いて「よくわからないおじさん」と読むという説もあるとかないとか。やたらと内輪の評価が高かった前任の川井さんですが、正直、成績面は数字的に散々なものでしたし、内容についても「アバタもエクボにも程がある」というのがワタクシ的な評価でしたので、1歩か半歩の前進ではあるのでしょう(2歩後退になるかもしれませんが)。何はともあれお手並み拝見。

 

□継続のヴェルディと慎重な愛媛

それにしても東京Vは今年も、ありふれた433ですよね。ワイドストライカーやらなんやらヘンテコなポジション名を創作してますけど、紛うことなき433。政策の中身は何一つ考えないけど、ヘンテコな横文字新語を作って何かやってる感を出す。そういう知事さんが巨大自治体におりますよね。そのあたりさすがはヴェルディ、東京をホームタウンとするサッカークラブだけあります。カタカナ新語の創造には余念が無い。…まあ確かにISHが横幅を取ったり、CFがボールを受けに引くことがあったりみたいな特性はあるんですけどね。でも、CFが端戸だと比較的シンプルな433になる。端戸が下がって阿野がCFに入った時間帯があったのですが、その時は確かに阿野がトップ下で、両ワイドがウイングという関係になっていました。あるいは理念的にはこちら仕様の設計図なんでしょうね。

対する愛媛は、両SHにゴリゴリのアタッカーは置かずに、ボランチを主戦場とする長沼とSBの実績も豊富な小暮を配置。前半は守備やバランスを重視する戦術的な戦い方をするつもりだったのでしょう。攻撃は少ない手数でツートップにシュートを打たせるモダンな縦ポンサッカー。といえなくもない可能性がなきにしもあらず。

 

□一方的なタコ殴り

比較的静かな立ち上がりとなりましたが、それなりに両チームとも相手ペナルティへと押しかけておりました。あえて違いを指摘するなら、愛媛はシュートへの意識が高くて、ヴェルディは形への意識が高いといった印象。そういう場合は愛媛が先制しそうなものですが、実際はヴェルディがハーフタイムまでに2点を先行。1点目は小池の巻き巻きシュートで、2点目はクロスからやはり小池が腰をひねったシュートを決める。ヴェルディは勢いそのままに後半も攻勢をかけ、愛媛守備陣のクリアミスを山本理仁が見逃さずダメ押しの3点目。そのまま愛媛は為す術なく完封負けを喫しました。

 

□ヨーロッパのトレンドは縦ポンではなかった

この試合の愛媛を見ていて思ったのは、昨今の欧州サッカーシーンでトレンドとなっている、「守られる前に攻めきる」というスタイルは偉大なんだなぁ、ということ。一見、20〜30年前に日本サッカー界を席巻した“縦ポン”と同じように見えるじゃないですか。だからこの日の愛媛もヨーロピアンモダンの速攻サッカーをやっていると当初は評価していたのですよ。でも、ヨーロッパの強豪は、さっさと攻め終えて相手のターンにしても、ボールを持たせて平気な守備力がある。それから、相手とて常に最低限のバランスを担保して守ってるなか、そこのバランス担保を上回る精度でロングキックを蹴っている。何よりも、ボールを奪った瞬間に誰かがフリーになれる状況を作るための準備作業を水面下でキッチリやってるんだと思うのです。だからこそ縦ポン風でも美しい。逆に、それらの要素を備えることなく、「奪ったら最少の手数で!」ってやっても、結局それは20〜30年前の縦ポンと何一つ変わらないんだな、ってことをこの日の愛媛は証明してくれたと思います。

 

□餃子を食らう

帰りは安心安全、そして安定の一人飲み。コロナ禍にあって苦境の飲み屋さんを、なんのリスクもなく手助けできる魔法の呪文、それが一人飲み。ということで池袋の「アガリコ餃子楼」へ。居酒屋の味にカスタマイズした餃子やら焼売やらが10種類以上ある。1皿ずつは小ぶりで安価なので、一人飲みでも複数の種類を楽しむことができる。これ、一人だから良識的にサクッと帰りましたけど、誰かと来てたらヤバいっすね。当然ながら、やや濃いめの味付けになっているんで、まんまとビールが進む、進む。

近くに「アガリコ」っていう大人気のエスニック風バルがあって、たぶんそこのスピンオフだと思われます。「アガリコ」にも行ったことがあって、餃子楼も含めて、立教大学がバリバリに対面授業を再開した暁には混雑を極めるのでしょうから、行っておくなら今かもしれません。

 

 

U23を総括する‼〜G大阪U23vs岐阜(12/20)の周辺をウロウロと…

U23ファイナル

U23が短い歴史の幕を閉じますね。最初はJ3の数合わせ的要素も内包しつつ始まったと記憶してて、J3の数合わせが必要なくなったのだから、歴史的使命を終えたということでしょうか。日本社会の学歴構造を鑑みると、大学に籍を置きながらって状況の選手も少なくなかったと勝手に推察されますから、大学が集中する大都市圏のクラブしか持てない、そういう不平等性もあったのかもしれません。

で、昔懐かしサテライトリーグを復活させるんでしたっけ?……一応、開幕元年からJリーグを見てきた身としては「サテライトリーグ」という響きからは地雷臭しか感じないので大丈夫なのだろうかと心配していたのですが、「エリートリーグ」という名称でやるんだとか。なんにせよ、U23の参加3チームが骨折りしていたように、相当な苦労と工夫がないと、なかなか上手く回転していかないのではなかろうかとの老婆心を禁じえない。

 

□記憶に残った面々〜大阪勢

U23を主戦場とする立場からステップアップしていった出世頭としては食野亮太郎ですかね。幸運にも何年か前にパナスタで見ました。確か弟さんとアベックゴールを決めていたような。本来ならパターン的には唐山翔自がそれに続くはずだったのですが、こちらは思わぬ足踏み。とはいえ食野のブレイクスルーもハタチを超えてから。過度に期待を押し付けるのは差し控えましょう。

セレッソからは敢えて魚里直哉を挙げたい。確かユースから大卒でのリターンは叶わず、「U23で就活しなさい」みたいなかたちで拾われたと認識してます。そして、めでたく鳥取に加入し、それなりに安定して試合に出ています。そもそもJ3そのものが厳しめにいうと「夢への最後のトライアウト」みたいなところもあるので、こういう活用の仕方も浪花節的には嫌いじゃなかったです。

 

□記憶に残った面々〜FC東京

FC東京U23については毎年3〜5試合は見ていたので、それなりにイメージがあります。内田宅哉や原大智がようやくトップチームの試合に安定的に絡むようになってきましたね。原大智なんかは、大学に行ってたら場合によって電柱特化型とか、なんならCBとかに魔改造されていたかもしれないので、そうならなかっただけでもプラスの効果があったかもしれません。とはいえ、今はまだU23の取り組みの結果が出始めた初っ端の段階なので、何とも評価しかねますねぇ。

そんなことよりも、ワタクシ的にFC東京U23といえば、オーバーエイジで出場していた選手たち。例えば林容平。あるいは梶山陽平。ともに「ようへい」なのはたまたまですが、こういう選手たちが腐らず汗を流している姿を見るだけでチケット代のもとをとれた気分になりました。中でも特筆すべきは先日、引退を発表した吉本一謙U23の試合でこの選手が腕章を巻いて先頭で選手入場してくる姿を見るのが、とても好きでした。お疲れ様でした。

 

□日本サッカー界の強化にはなった

で、結局のところ、U23の取り組みは各クラブにとって強化になったのか?ってな話ですが、例えば先にも挙げた食野亮太郎。彼の場合、トップチームで貢献した期間は半年とか1年ですよね。同じように久保建英もそう。J3で揉まれた期間は長かったですが、J1でやれる地力を付けてトップチームでレギュラーになってからは早かった。実質、半年ですよね。そういうエリート層のステップアップにはなりましたが、それと各クラブの強化とは少し話が違う。なんせ貢献した期間が短い。

では、それ以外はどうか。実はそのままトップチームのレギュラーになった選手って、さほど多くないですよね。そういう意味では、いろいろ間接的に利するところはあったとしても、現時点では大学に出して戻すのと、大きな相違はないようにも思われる。ただ、G大阪の高や高江のように(名前が似てて、ついついペアで把握してしまう)、J3やJ2にとっての貴重な戦力供給源にはなっている。そういう例なら数知れずある。山根永遠や中島元彦や。なので、各クラブの直接的強化という意味では極端な成果はまだ見られなかったとはいえ、日本サッカー界全体の底上げには確実に繋がったのではないかと思う次第であります。

 

□試合内容

で、試合内容なんですが、前半のうちにスコアが動く。攻撃が跳ね返されたところに走り込んだ高木大輔のゴールでG大阪U23が先制するも、直後に前線か作ったボールの落としにボランチ中島がミドルシュートを突き刺して岐阜が追いつく。どちらも90年代のウイイレでワタクシが得意としていた形ですね。サッカーの内容はどちらも少ない手数で陣地回復してから攻撃を仕掛けるという点では似ているのですが、陣地回復後の作法が違って、G大阪U23は陣地回復してから短いパスを繋ぎまくってドリブルとかドリブルなどの個人技を見せつける。そこは、個の見本市たるU23の特性。川崎が決めた勝ち越しゴールは、まさにそのような形でした。

後半に入ると試合はさらに中盤省略形に。G大阪U23は唐山が単騎突破を繰り返し、岐阜は川西が孤軍奮闘。昇格に一縷の望みを託す岐阜はパウロン大作戦を敢行するもアイデアと視野の広さとシロクロナイズが不足して終戦。G大阪U23が有終の美を飾りました。……しっかし、相模原が昇格か。来シーズンはJ3を現地観戦する機会は相当狙い澄まさないとハードルが高いな。もはやYS横浜サポーター状態になるのか。。。

 

日本三大紺野〜FC東京vsサンフレッチェ広島(12/12)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□2チーム編成と2シャドー

今週は味スタです。佳境を迎えたJ1。FC東京はACL帰りですね。これ、もし勝ち上がってたらどうしたんですかね?2チーム編成が必要なことは事前に叫ばれていましたが、ACLに20人の選手を連れて行っているわけで、2チーム編成しようにも頭数は大丈夫だったんですかね?年初の契約の段階ではU23もあるはずだったわけだから、学徒総動員で対処するってことだったんですかね。

対する広島は、FC東京サポーター的にも「可愛さ余って憎さ百倍」かどうかはわかりませんが、城福監督が来年も引き続き指揮を執ることになりました。広島のGMさんは「何がなんでも監督は2年で交代させないと、謎の呪いにかけられる」という思想の御仁ではない模様。個人的には森島・浅野の2シャドー、いや、もさやWエースと言って過言じゃない(?)に注目です。尤も浅野弟はお兄さんと違って四中工出身じゃないみたいですけどね。

 

□思い思われムービングしムービングされ。

一応、いろんな特例もあって帰国組も出場できるらしいFC東京でしたが、特例で疲労が取れるわけでもないので、ピッチに送り出されたのは、「ここは西が丘ですか?それとも夢の島?」みたいな面々。今シーズンになって急成長した選手たちですので、実力的に劣るというわけではないとは思いますが、結果として前半は城福広島に“ムービングされまくりフットボール”でしたかね。

広島がムービングできた原動力は、なんといってもエンジンのWボランチ。一時代を築いた稲垣・青山のコンビは解体され、すっかり川辺が中心選手として定着しました。この二人、どちらかといえばベクトル的にはプレースタイルが近いと思いますが、その分、阿吽の呼吸で役割分担できてる感じですね。それからもう一つ、知らないうちにすっかり茶島が右WBとして存在感を示すようになっている。相手ペナルティ角に出すスルーパス気味のワンタッチで浅野とかを走らせるプレーが特に良い。

 

□トラップミス疑惑からの一刺し

そんなわけで、前半は広島にチャンスが多かった。ただ、FC東京は普段から、「まずは受けてからカウンター」ってスタイルですので、そこまで慌てない。慌てないですが、その割には危なっかしくシュートは打たれまくる。「すっかり波多野が安定したなぁ(狙い澄ましすぎて当たらないキックを除く)」ってシーンが前半は多かったです。

後半も当初は広島ペースだったのですか、紺野の投入とともに、FC東京のカウンターはさらに鋭さを増し、紺野とアダイウトンのコンピプレーから始まったカウンターのチャンスで中村帆高が決勝点をもぎ取りました。それにしても中村帆高、最初のあれはトラップミスではなかったのか?広島はベンチに飛び道具がいなかったのが痛かった。野津田がいればミドルとかに期待が持てたのですが…。

 

□注目点

この試合のターニングポイントとなったのは紺野和也の投入。ルーキーイヤーの今年はケガとかでベンチに入れない期間も長く、その影響か、いまだに「法政大学の紺野君」のイメージが抜けないのですが、公式の宣材写真だとCreepy NutsのDJ松永に似ているような。ちなみにR指定については、YS横浜の安彦孝真が似ている気がする。

そんな紺野、とにかくキレッキレ。アジリティ豊かにちょこまかちょこまかボールに絡むと、そこから狭いところをすり抜けるドリブルが発動する。いったんスピードに乗っても、ボールを持ったまま止まれたり、方向転換できたりするのが凄い。キレキレだからこそでしょう。時間とともに広島の右サイドからのクロスが控えめになっていったのも、この選手が守備で食らいついたからではなかろうか。これまで、ワタクシ的“日本3大紺野”といえば、“美沙子”“あさ美”“ぶるま”だったのですが、この試合のパフォーマンスで一躍そこに“和也”が割って入ってきました。

 

□人生の勝ち組とは

試合後は、とりあえず調布まで移動。食事には少し早かったので「ベルベットコネクション」という、「スーパーソニックジェットボーイ」的なロースターなカフェに。1階が焙煎所で2階がイートインスペースなのですが、コーヒーが旨いのは当たり前として、居心地もなかなか快適。時節柄、流行病対策として窓全開だったので、少し寒かったのは玉に瑕ですが、リピートを決意させるクオリティではありました。

そしてそこから、駅を越えて「れんげ食堂 Toshu 調布ヶ丘店」へ行く。駅前に同じ店があっても調布ヶ丘店に行く。…まあ、「東秀」なんですけどね。日高屋より安いこれ系チェーン店としては「ぎょうざの満州」と双璧をなしているわけで、大人買い的に飲みまくる。「(おつまみ)3点セット」「餃子」「ニラ玉」「モツ野菜炒めハーフ」「半ラーメン」「生ビール」「ホッピーセット」で2000円ちょいなんだから、サイゼリヤに匹敵するくらいに、自分は人生の勝者なのではないかと勘違いする。特にニラ玉(167円+税)の満足度が高かったです。

似た者同士〜湘南vsG大阪(12/6)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□終盤戦の現状

今週は平塚へ。ホームのベルマーレですが、激震の昨シーズンをどうにか残留に導いたので、それなりに浮嶋さんはリスペクトされているのかなとも思っていたのですが、残留決定の段階でさえ、知り合いの湘南サポさんは、あまり浮嶋さんのことを評価してなかった。「そんなもんかねぇ」なんて感じで受け止めていたのですが、果たして、今シーズンは一貫して下位安定。それでも、最終盤のここにきて調子を上げていますね。

アウェイのG大阪についてですが、『エルゴラッソ』などでも繰り返し指摘されているように、ツネ様が監督になってからは例年、後半になって順位をあげる。今年もその例外でなかったのですが井手口がケガしてからは、少し勝ち点が伸び悩んでいる。競馬で例えるなら3コーナーで「うぉぉぉっっ!」とまくっていったものの、4コーナーで前が塞がってリズムを崩すと、なかなか馬が手前を変えてくれなくてラストスパートが仕掛けられない、そんなイメージでしょうか。

 

□似た者同士

なんか、よく似たチーム同士のマッチアップになりましたね。どちらも「まずは相手に持たせる。そこにプレスをかけて奪いきる。で、ポジティブトランジションが発生したら、一気にハイインテンシティに攻め倒す」みたい感じ。そんななかで注目されたのが湘南の金子。アンカーのイメージが強かったのですが、この日はインサイドハーフ。でも、アンカーにスライドしてからの方が良かったぞ。

ハイインテンシティ同士であっても、ハイプレスの強度はガンバのが高かったですかね。湘南は3バックなんで、2トップのガンバに対して最終ラインで数的有利ができる。でもガンバは、その数的不利を逆手にとって、あえて湘南最終ラインにボールを持たせてそこにプレスを仕掛けているような印象がありまして。なお、ハイプレス戦術にスパイスを加える当番は矢島なんですか、矢島よ、プレースタイル的に賛否両論あるんだから、無駄に金髪にしてアンチを増やすんじゃないよ。

 

□きれいなゴールと足りない切り札

試合はガンバが先手を取りました。ワンタッチを3つ4つ繋いで最後は福田。練習通りの形がそのまま再現できたようなゴールでした。そんな感じで完全にガンバにイニシアチブを奪われた湘南でしたが、ケガの功名が発生します。飲水タイム明けに茨田が負傷でピッチを去る。そこで齊藤未月を投入するに付随してアンカーを柴田から金子に変更したのですが、それが良かった。これ以降、湘南のパスが繋がり始め、しっかりとした崩しからPKを奪うと中川が決めて、前半のうちに同点となりました。

後半に入ると一進一退の攻防が続く中、スコアを動かしたのはガンバ。ゴール前のこぼれ球を拾った矢島がふんわりとしたパスを渡邉千真に入れる。その落としを展開して藤春(だったと思う)が突破すると、その折り返しをパトリックが決めきしました。これまた練習通りであろう形。その後はベルマーレも猛攻を仕掛けますが、ベンチには切り札らしい切り札がおらず。それはガンバも同じ、やっぱり似た者同士。っていう流れでガンバがそのまま逃げ切りました。

 

□ハタイガー

惜しくも敗れた湘南ですが、様変わりしましたね。舘とか柴田とか、去年は主力でなかった選手が台頭。サイドのイメージが強い石原はリベロだし。その中でも興味深かったのは畑大雅。「はた・たいが」なんで、略して「ハタイガー」なんでしょうか。この選手の魅力は、なんといっても野性味。スピードに乗ったら止まらないドリブルでサイドを爆走します。「オラオラオラ〜」って感じな割には、スルスル感もある。

一見すると、例えば相模原のユーリとか、レノファのヘニキとか、あるいは往年の岡野雅行とか、そういった面白枠っぽい雰囲気も漂いまくりなのですが、なんせ、「たいが」。選手紹介のコピー(英語版)も「湘南のタイガー」ですので、2代目島村として、時にはFW起用も厭わず息の長い活躍をしてくれることでしょう。

 

□あずまし亭

試合終了後はちょうど絶妙に完璧な時間だったので、ちょっくら飲んでいく。当初調べてあった店は貸切だったので、急遽、飛び込んだのが「あずまし亭」。「小樽酒場」と名乗っていて、確かに北海道を感じさせるメニューも多いですが、割烹居酒屋北海道風味って感じですかね。お味噌汁を作るにしても、ちゃんと昆布(でもなんでも良いですが)でお出汁をとるタイプのお店。

頼んだのは「ハム盛り合わせ」「ラムのメンチカツ」「ジンギスカン丼」(+ビール×2)。まず、燻製のカテゴリーにあったハムが自家製なんですよ。前菜として完璧。で、後2者は羊肉なわけですが、もちろんジンギスカン丼も美味しかったんですよ、めちゃくちゃ。でも、メンチが旨かったなぁ〜。馬肉のメンチも美味しいのですが、ジビエとか赤身感の強いお肉をメンチにすると、なんであんなに美味しいのだろうか。お通しと消費税込みでも4000円にいかなかったので、コスパも含めて大満足でございました。

若者が目立った試合の後にオッサンはモツ焼きを食べるのだ〜東京Vvs山口(11/22)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□レノファ、あやうくコロナ禍!

いやあ、不謹慎だったら申し訳ないですけど、まさかコロナ騒動に巻き込まれかけるとは。レノファの選手に陽性が発生したんだとか。大事にならなかったのは不幸中の幸い。該当選手の早期回復を願いましょう。

それにしても昨今のコロナ騒動で思うのは、日本人の伝統的気質って強固で変わらないんだなぁということ。ほら、平安時代の日本人って、流行病(=疫病)を怨霊の仕業とかってことにして、お祓いをして「ケガレ」を清めることで克服しようとしたって言うじゃないですか。今回の新型コロナに対しても、なんだか「ケガレ」観念で感染者を捉えてません? 実際の医学的な部分での予防対策以上の過剰さで、新型コロナウイルス&感染者を忌避している印象があります。「体調面で危険だから遠ざけたい」というよりも、「ケガレたくないから近づかないでくれ」って雰囲気を強く感じる。そして、「感染者はケガレた存在だから、もはやモノノケ、人間社会の一員じゃないから差別的な対応も許される」と思っているんじゃないかと、ときどき心配になります。

 

□17歳、(たぶん)独身‼

ヴェルディの試合を見るのは少し久々。前に見たのは8月8日らしい。しばらく見ないうちに井上潮音と井出遙也の「IIコンビ」の役割分担が整理されましたかね。ポジションチェンジとかもスムーズになったような。2人に限らず全体的にヴェルディの選手は動きが洗練されたような。ただ、「洗練される」が「平凡化する」とイコールになっている雰囲気もなきにしもあらず。

対する山口には知らない選手がちらりほらり。え〜と、28番のCBが真鍋で、26番の右SBが川井、と。ああ、サンフレッチェの川井か。それから、29番のボランチは田中陸。レイソルからの出向ですね。それからそれから、えっ⁈ CFの38番河野孝汰は17歳‼ そんなん、完全に独身ですやん。そうか〜、17歳独身を抜擢かぁ〜〜。

 

ヴェルディの完勝

試合は前半のうちに理想的な形でヴェルディが先制点を奪う。高い位置でボールを奪い、ショートカウンターからスルーパスを相手CB間の真ん中を通す。それに抜け出したCF(端戸)がワンタッチで流し込んだのだから、これを肴に生大(ただし金麦@鳥貴族)が飲めますね。このシーンも含めて前半はポジショニングで上回ったヴェルディがレノファに攻撃の形を作らせず、優位に試合を進めました。

後半に入っても、レノファはなかなか攻撃の形が作れません。ならば、個で打開!っつうわけで古巣相手に燃えていたと想定される高井が強引なドリブル。小池を誘い込むかたちでPKを獲得すると自ら決めました。しかし、全体として押していたのはヴェルディ。引き下がるわけがない。右サイドからのアーリークロス気味のサイドチェンジに森田が必死に足を伸ばす。それが折り返しになったところに端戸が合わせて決勝ゴールをもぎ取りました。試合はそのままヴェルディが逃げ切って、勝ち点3を積み上げました。

 

ヴェルディ理想的の中盤逆三角形とは

この試合で感動したのは、噂に違わぬ藤田譲瑠チマの成長っぷり。シーズン当初のイメージは無理をしない堅実なポジショニングによる守備と、シンプルで安全第一なワンタッチショートパスでのつなぎって感じだったのですが、ロングパスが多くなりましたねぇ。なんなら山本理仁より奇麗にロングパスを出す。というか、山本理仁、彼は自分の間合いを作るのに少しモタつくんですね。タッチが1つ2つ余計になって、正確なキックを発揮するせっかくのタイミングを失ってしまう。なんてことはさておき、譲瑠が成長しているのですよ。ということは、ですよ、ヴェルディにとって理想の中盤逆三角形ってのはですよ、まず譲瑠をアンカーに置く。そして左右のISHに藤田とチマを配置する形なんじゃないかと思うのですよ。永井監督にも、是非ご一考を求めたい。

 

□コーヒーとモツ焼き

試合後はいつもの調布ではなく、千歳烏山なんぞで途中下車してみた。まだ16時台だったので、まずはコーヒーを飲もうと「珈琲亭」という喫茶店に。文字通りの「学生街の喫茶店」。レトロでトイレも和式だったりするのに、お客さんは女性が多い。そこが池袋とか赤羽とかとの違い。さすがは千歳烏山京王線きってのお洒落タウンだけあります、なんせ世田谷区だし。

その後はビアバー的なところに行く予定にしていたのですが、珈琲亭の目の前に「やき処 い志井 烏山店」があったので、そっちに行くことにした。味スタといえば調布、調布といえば「い志ゐ」、千歳烏山であってもサッカー帰りは「い志ゐ」なのです。最近は池袋の酒場放浪にはまっているのですが、「い志ゐ」さんはレベルが一つ違う。もちろん仕入れの段階で全く違うのでしょうが、ここは味付けが旨いのですよね。特に刺し身系とか食べるとそれがわかる。すっかり堪能してしまいました。

結局そこに合理性があるよね。〜相模原vsC大阪U23(11/13)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□不思議な絶好調と、必然の低空飛行

それにしても、相模原が順調に勝ち点を伸ばしてますよね。今シーズンはFC東京U23が活動辞退して、東京近辺でJ3を見ようとすれば、YS横浜かSC相模原しかないっつうわけで、けっこう沢山の試合を見てきたのですが、そこまでインパクトのある感じではない。「強いなぁ」と思わされることもなければ、「やってるサッカーには一目の価値があるなぁ」と、うならされたこともない。印象に残っているのは、三浦監督が甲高い声でひたすら「コンパクト〜!」「コンパクト〜!」って、壊れたレコードのように繰り返していることくらい。でも、昇格争いを繰り広げている。不思議だ。

対するC大阪U23は、ええっと……びりっけつです。FC東京U23ほど、関西のU23はオーバーエイジの調整の場みたいな活用をしないし、今年に限ればタイトすぎる日程で調整とかしている場合でもないし、この順位も、まあ仕方ないところですかね。

 

ジーコの悪夢と期待の若手

相模原は、またユーリが離脱したんですね。とはいえ、相模原的には「飛び道具が1つ減った」くらいの感覚でしょうか。ホムロが負傷となると、大問題でしょうけど。助っ人で言えば、ミルトン。ミルトンが復帰したあたりから相模原は3バックに移行して、それ以降は成績が安定してきました。442では今ひとつ実力を出し切れず、3バックになると安定するってパターンに、ワタクシ、あまり良いイメージがありません。我ながら、20年近く経っても、ジーコジャパンのトラウマから抜け出せていないらしい。

一方のC大阪U23。う〜ん、知らん。西川潤や安藤瑞季の1人や2人がいればともかく、誰も知らぬ存ぜぬ。とりあえず西川潤の背番号が49なのは、何か特別な意図があるのではなく順番に割り振ったらそうなったに過ぎない、というのは出ている選手の背番号で理解できました。出ている選手の中では1トップの藤尾とWボランチの2人(喜田・松本)のクオリティが高かったかな(主に前半)。

 

□最後までスコアは動かず

相模原がフワッと試合に入ってしまったということでしょうか、キックオフ直後からGKビクトルが大忙し。C大阪U23側からみれば、「なんで決まらないんだ⁈」ってシーンの連続だったのですが、ビクトルやら、そのカバーのDFが弾き出し続ける。その後も危なっかしさ満載ながら、相模原はのらりくらりと凌いでいく。危なげなくではなく、危なっかしくのらりくらりと凌ぐの相模原スタイル。それで勝ってきたのだから、これで良いのでしょう。

なんせ、今シーズンの相模原はわかりやすく後半勝負。「サッカーは25分でやるものだ!」と言わんばかりに65分間は眠っている。そして、相手が体力的に落ちてきて集中力が維持できなくなったところで、サクッとゴールを決める。ただ、今回の相手はU23。65分を過ぎても体力が落ちない。メンタルが厳しくなっても、体力でカバーできてしまう。スコアを動かせないままタイムアップとなったとさ。

 

□相模原流ゼロトップ

この試合、三浦監督がなかなかの策士ぶりを見せました。大黒柱のホムロを1枚目の交代で下げた。しかも投入されたのはフライハイな三島ではなくてテクニシャンの藤本。さらにミルトンも下げて和田をピッチに送り込む。4バックにするのかと思いきや、多田を3バックに落とす。で、ピッチの中で唯一ワントップをこなせそうな才藤が右WB。つまりゼロトップにしてきた。

確かに日本人フットボーラーには1トップ向きがなかなか育ちづらい土壌がある一方で、シャドータイプは多く世界に羽ばたいていることを踏まえれば、ゼロトップにする一般的合理性はあるのですが、相模原の場合はそういう要素よりも、「前から行くぞ」のサインなんだと思われます。前半はサイズのある選手に目がけたロングボール作戦で体力を温存し、後半は前からストーミングして、素早いパス交換で崩していく。そこを徹底するために足下系の選手を前3枚に並べたような印象があります。

 

□試合後

試合終了後、あらかじめ頂戴していた引換券を片手にバスに乗り込む。そうなんですよ、真夏でもSC相模原が頑なに17時キックオフにこだわった理由、それは最寄りの女子美術大学バス停からの終バスの問題。この試合のように19時キックオフだと原当麻まで歩く以外に公共交通ユーザーには選択肢がなくなってしまう。ってことでスポンサー様か何かが、無料バスを出してくれた。だから文句を言う筋合いは全くないってことは重々と承知している(一応、社会人ですので)。けれども、敢えて敢〜えて畏れながら恐縮至極に言わせていただくと、「あと10分早く出発してくれ〜‼」いや、1便しかないから余裕を持たせて21時15分出発というのが最大多数の最大幸福なのは理解しますよ。でもね、こちとら相模大野を21時35分出発のロマンスカーに乗りたいんじゃ‼……はい、はい。わかります、わかります。「知らんがな」ですよね、そうですよね。えぇ、えぇ。でも、不満って言葉にしないと雪だるましちゃうって言うじゃないですか。ってことで悪態ついてすいません。ごきげんよう

どうする⁈ ユンジョンファン‼〜千葉vs山形(11/8)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□両チームとも来年はどうするの?

それにしても千葉の低空飛行は続きますねえ。どこの町や商店街にも、入る店入る店ことごとく早期に閉店してしまうテナントってありますよね。立地の問題か、オカルト的な何らかの影響かはわかりませんが。千葉って、そんな感じになってません?結果論的に言えば、長谷部さんが名将にステップアップする踏み台にしかなっていない感。来シーズンはどうするんですかね?続投が無難かと考えますけど。

アウェイの山形については、シーズン前半は苦労したものの、石丸監督の戦術が浸透するに伴い、徐々に上昇気流に乗りつつあると思っていたら、ここに来て再び連敗。続投させるほどの成績ではないが、かといって監督を交代した方がより良くなるかどうかってところの確率は、まあまあ微妙。こちらも続投が無難かなぁ。フロントが自治体に圧力をかけられて「ウチは常に昇格争いをして初めて及第点になるクラブだ!」みたいな血迷った自己認識に陥らなければ良いのですが。

 

□442対決なのか?

ユンさんが率いている以上、千葉のフォーメーションは4ー4ー2ですね。大きなボールをアバウトに蹴って、まずは陣地を回復していくスタイル。見所といえば為田(SH)と下平(SB)というレフティが揃った左サイドでしょうか。古式ゆかしきサイドアタックサッカーの象徴というか、決してインナーラップとかはしません。

対する山形も、一応は4ー4ー2ってことになってるんでしょうかね。ツートップ(?)の前川とアラウージョは縦関係だったと思いますが。前川がセカンドトップっぽく構えて、アラウージョが最前線。でもアラウージョもプレースタイルはストライカーというより、ファンタジスタ系なんですかね、プレースキックのキッカーを担っていましたし(あまり精度が高くなかったのは、この試合限定の現象に違いない)。だとしたら縦関係のWセカンドトップという、わけのわからない構成で、それはそれでオモロい。

 

□見るも無惨なワンサイドゲーム

スコアは前半から動きました。じっくり最終ラインで組み立ててから、スイッチとともに一気に攻めきるという当世風のサッカーをする山形は野田か熊本か失念しましたが、そこからのロングボールを受け取った山田がクロスを送ってアラウージョが決めて先制すると、さらに山田のアーリークロスというかクサビというかからのリズミカルなアタッキングを仕掛け、最後は前川が決める。2点のリードを奪ってハーフタイムを迎えます。

後半になれば千葉も立て直してくるかと思いきや、ますますリードは開きます。やはり右サイドからだったのですがグランダークロスに中村駿が合わせて勝負を決める3点目。これには思わず山形サポからも歓声が。コロナ対策は慎重に。ともあれ、これでもまだ終わらない。渡邊が獲得したPKをアラウージョが止められるも末吉が押し込み4点目。さらにセットプレーで前がかりになったところでジェフが不用意な横パスをかっさらわれると、アラウージョの独走を許し5点目。安田の折り返しに寿人が決めて千葉も僅かながらの意地こそ見せましたが、見るも無惨なワンサイドゲームとなりました。

 

□ユンジョンファンに明日はあるのか?

それにしてもユンさん、冴えませんね。得点力不足で勝てないなら、まだ仕方ないのですが、しょっちゅう大量失点してますからね、これはマズい。これまで率いたチームに比べて、選手の気質とか、クオリティとか、そういう要素も無視できないんでしょうけど、オーソドックスでクラシカルな「4ー4」ツーラインサッカーが厳しいサイクルにサッカー界全体があるのかもしれません。この1年くらいでJリーグにもポジショナルサッカーの概念が急速に普及した。で、ポジショナルサッカーの目的は、おそらく、「4ー4」ツーラインディフェンスの攻略にあると思われますので、山形も含めて当世風のサッカーをするチームにとって、ユンさんのスタイルは鴨が葱を背負っているような感じなのかもしれないな、だとしたら今後も厳しいかもな、なんて感じた次第です。

 

□試合後

フクアリで試合があった後は、基本的に京葉線越中島に行き、そこから歩いて門前仲町で飲むというのがパターン。今回は「プエルタ」というスパニッシュバル(って言い方で良いのか?)へ。まずはハートランド生。その上でメニュー(と財布の中身)を凝視しした結果、「白カビサラミ」と「イベリコ生チョリソーの鉄板焼」をオーダー。鉄板焼も良かったけど、サラミが凄ぇ美味。調子に乗って「マッシュルームの陶板焼き」「アンダルシア風鶏の唐揚げ」まで追加オーダー(ご飯ものは一人用ではないパエリアしかなかったので頼めず)。そもそもお通しが真鯛カルパッチョ(500円)ってところで絶対に美味しいわけなんですけど、さらに調子に乗ってラムハイとか飲んでみてやったさ。飲み物合わせて計6品で、ほぼ5000円ピッタ。コスパは良いと思います。