良かったり、良くなかったり〜清水vs松本(8/10)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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清水と松本って、「なんかキャラがかぶるなぁ」と感じていたのですが、キャラかぶりの背景がわかりました。松本空港と富士山空港ですよ。どちらも、「確かに地元の人が飛行機に乗ろうとしたら、無いと不便なんだろうけど、どこまで需要があるんだ?」ってところが似ている。その微妙な感じというのは、東京と名古屋の中間点だからこそ発生する微妙さ。ドラマ「白線流し」の最終話で、群像のそれぞれが東京へ、名古屋へと旅立って行った、あのイメージですね。

東京に住んでいると、ついついJRの論理が身に付いてしまうので、信州は関東圏感が強くて、静岡は東海圏色が濃い。ただ、静岡といっても伊豆はもはや関東。だけど、ここに「武田信玄」という要素を1枚噛ませると、途端に完全同一キャラになって、戦国時代は山梨県の属国ですよね。これを言えば一発で世代がバレますが、ワタクシが生まれて初めてしっかりと通して見た大河ドラマ中井貴一の「武田信玄」でございました。今宵はここまでに致しとうござりまする。

 

せっかく清水を訪ねたのだからと、この日は三保の松原まで足を延ばしてみました。すったもんだあって、どうにかこうにか世界遺産にねじ込んだ三保の松原です。戦後の日本って外交下手というかロビー活動とかができない国だったんですけど、三保の松原世界遺産にねじ込んだあたりから、そのあたりは諸外国並みになりましたね。

ただ、この日はあいにく富士山が失踪中で行方不明でした。どこの警察署に捜索願いを出せば良いんですかね? というか、富士山のヤツ、あれだけでっかい図体をしているくせにシャイ過ぎません? 明るい時間に新幹線に乗ったとしても、見えたことより見えなかったことの方が多い気がする。もう少しサービス精神を持っても良いような。昔、王貞治は「自分は消化試合であったとしても、絶対に手抜きはしない。なぜならば、こっちにとっては消化試合でも、スタンドには、もしかしたら、この試合がその人にとって最初で最後のプロ野球観戦になるって観客がいるかもしれない。そう考えると手抜きなんてできるわけがない」と答えたそうな。富士山にも王さんの爪の垢を煎じて飲ませたいところです。

 

ともあれ試合です。清水は北川の抜けた穴をどうするか、が少し不安視されていたのですが、杞憂だった模様。しょんないのダンナこと河井がトップ下にスポッと収まってます。“トップ下”と聞くと礒貝(元ガンバ)や大野(元レイソル)みたいな王様ファンタジスタを思い浮かべるのですが、河井は違いますね。要するにリンクマン。プロ野球でたとえるなら、30年前の巨人での岡崎郁や、20年前のロッテでのサブローみたいな、繋ぎの4番がときどきあらわれますよね、河井もそんなイメージです。

アウェイの松本は順位のわりには、内容は相当に良いサッカーをしてます。堂々と正面から渡り合ってます。特に目をひいたのが前線での守備。いわゆる“ハイプレス”と違って、陣地回復したあとは相手にクリアさせずにコーナーキック蟻地獄に引き込むような、そういう守備が素晴らしかったです。ついでにセルジーニョの技術も素晴らしかったです。

 

ただ、素晴らしくないものもあって、それはGK守田のキャッチング。コーナーキックを思いっきりポロリしてドウグラスの先制ゴールを献上してしまいました。「お前は80年代に大磯ロングビーチでやっていた女だらけの水泳大会か‼」とツッコまずにはいられない。そんな前半の戦いでございました。ちなみに、先制ゴールの後も基本的にはイーブンの応酬だったかと思われます。

後半に入ると松本は宮阪を投入してポゼッションを高めます。が、かえってこれが清水の試合運びを容易にしたかもしれません。45分間(+7分)を通じて清水がゲームをコントロールできていたと思います。ある程度、松本にボールを持たせながら、ドウグラスを中心としたカウンターを繰り出しつつ、危なげなく試合をクロージングさせた清水の完勝となりました。

 

試合を通じて印象に残った選手は2人。どちらも清水ですが、1人はヘナト・アウグスト。この選手は良いですね〜。まず、フィジカルが安定している。それから読みが良い。とても良い。なので、あらゆるプレーが 淀みないのです。どこにでも顔を出しますし、1対1でやられるそとはない、というか、そもそも1対1になったときにはすでに有利な状況を作り出している、みたいな。いかにも鹿島が好きそうな“王国のボランチ”。清水的には流失を全力で予防しなければならないでしょう。

逆に「あれ⁈ もっと魅力的な選手じゃなかったっけ?」との印象を拭えなかったのが金子。なんというか、突貫不足なんですよ。この選手を初めて見たのは、栃木にレンタルされていたとき。そのときの印象が鮮烈で、ガムシャラというか、突貫小僧というか。きっと、「この選手は関口訓充みたいなキャリアを重ねていくのかな?」とか思っていたのですよ。それなりに円熟味を増して、プレーの幅が広がっても、本質の部分はギラギラ全開の突貫小僧、みたいな。金子には、もっともっと猪突猛進して欲しいなぁ。