隠れキーマンは上本大海?〜FC東京U23vs鹿児島(4月2日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

鹿児島を率いている三浦ヤスといえば“緑の東京”要素が強い御仁。FC東京的には因縁がないわけではない1戦だったのかな。

■前半

それにしてもビックラこいたわけですよ、事前にスマホでこの試合のスタメンを確認したときには。だって、オーバーエイジがあまりにも豪華すぎやしませんでしたか? 梶山と吉本と前田遼一。その反面、もの寂しさを感じさせる要素もあって、それはベンチにフィールドプレーヤーが2人しかスタンバってなかったこと。これはもはや学徒動員ならぬ“逆学徒動員”状態。学徒が足りないから成人男子に令状発布、みたいな。ユースの公式戦とかぶったんですかね。

 

 

そんなわけで梶山がスタメン出場しておりました。ボランチで。となれば、必然的に梶山が中盤を取り仕切ることとなり、ボールも集まる。FC東京U23の攻撃は、さながら“梶山でゴー”とも形容すべきスタイルとなります。梶山にボールが入ったらスイッチを入れて、低い位置でビルドアップしようとする。残念ながら、なかなか“作りきる”というところまではできてませんでしたけれども。前半ですし、相手のプレスも厳しいから、そうそう上手くはいかないのですね。

 

 

対する鹿児島。冒頭で触れたように監督はヤス、三浦ヤス。この人、金髪っすね。ワタクシみたく真面目な(?)月給取りとしては「五十路になって金髪か…」と感じないこともないですが、六本木とかを徘徊する“クリエイティブ”な人々はまた違うノリがあるのでしょう。そんなヤス率いる鹿児島は、“パスカットでゴー”なアタッキング。ハイプレスというより高めの位置でパスカットを狙い澄まし、相手ボールを奪うやいなや一目散にゴールへと流れ込んでいくようなスタイルですね。

 

 

ただ、こちらも“やり切る”ってところまでは、なかなか到達せず。単純な技術力の総和だと、U23とはいえ、FC東京に分がありました。特に久保君や前田遼一にボールが入ると、かなりアタフタと対応せざるをえなくなっていましたし、左サイドを攻め上がる小川のケアにも悪戦苦闘。それでも、九州男児の気合いと根性、或いは「大人をナメんな!」的な意地で、なんだかんだでさほど決定的な場面を作らせることなく前半を終えました。

 

 

 

■後半

後半になると、少し雰囲気が変わって、スコアも動きます。前半から数は少ないものの、それなりにゴール前まで押し掛けていた鹿児島が、ちゃんと崩した上で先制ゴールを奪いました。決めたのは松下。ガンバとかにいた、あの松下ですね。鹿児島には、J1経験のあるベテランが複数在籍していて、例えばそれは松下であったり、他にも上本大海がいたりします。ベンチスタートだった上本、なんだか一緒にアップしていた他の選手に指示を出したりして、フィジコ化していたぞ。

 

 

上本がベンチにいた鹿児島とは対照的に、FC東京のベンチには、前半だけで梶山を下げて小林を投入しており、ボランチの平川しかカードが残されていなかった。1点を追いかける展開での有効な采配がなかなか難しい。選択肢としては、なぜか2人ベンチ入りしていた波多野と廣末というGKコンビを前線のツインタワーとしてピッチに送り込むくらいしかなかったような気もする。ミニラ中村がそんな用兵を見せたら、それはそれでドラマですけど。

 

 

後半になって、FC東京U23は今ひとつになったのですが、その理由は、中盤から落ち着きが奪われたことなのではなかろうか。それは、すなわち梶山がピッチを退いたことの影響とも考えられる。だとすると、やっぱり梶山の、中盤における例の謎なヌルヌル感というのは、大きな武器なんだなぁ、と。ともあれ、そうして落ち着きを失ったFC東京U23の中盤は、押し込んでいるように見えて、どうにも圧力をかけきることができず、無駄にカウンターに晒されまくることとなり、堪えきれず、PKを献上。決められて突き放されてしまいました。

 

 

これで逃げ切りモードとなった鹿児島は、きっと秘密兵器に違いないであろうタイ国籍のシティチョークパソを投入。セットプレーからFC東京U23小林のヘディングで1点差に追い上げられながらも、脚を攣ったMF永畑の代わりに上本大海を投入し、5バックへとトランスフォーム。上本はひょっとしたら1回もボールに触ってないかもしれませんが、ベテランらしい統率力で守備陣を落ち着かせ、そのまま試合をクローズさせることに成功しました。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

・小川諒也

□推薦理由

日本語って美しい言語ですよね。その日本語のなかでも、特に素敵な言葉ってのがいろいろあって、ワタクシが何より愛してやまない単語は「ワガママボディ」です。アメージングなボディを天から賦与された本人さえも、自らのポテンシャルを持て余してしまう。そんな含意のある言葉。そして、その“ワガママボディ”を彷彿とさせるのが、この選手の左足ですね。さしずめ“ワガママ左足”とでも表現すべきスペシャルな武器を持っております。ミソは賦与された本人が持て余している、というところ。

 

 

すでに昨シーズンの時点でトップチームデビューも果たし、それ相応の活躍も見せましたけど、まだまだ持て余しのワガママ左足。精度も高いですし、パワフルさは天下一品。でも、どういうわけだか、流れの中で、そのキックが上手くハマってこないのですよ。テクニックもある選手ですけど、いっそのこと、割り切ってロベカルに成りきっちゃえば宜しいのではなかろうか、と。それくらい極端なことをした方が代表には近いのかも、なんてね。