「画」になってしまった決着〜ゼロックススーパーカップ(2月18日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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日産スタジアムへ行って参りました。ここでの試合はナイター観戦が多かったのですが、久しぶりにデーゲーム。お昼だと、二階席からなら、それなりに見れますね。

■前半

真剣勝負要素が強まりつつある時期とはいえ、まぁ、プレシーズンマッチ。なので、両チームとも新戦力を試します。鹿島の注目はダブルボランチと2トップのそれぞれ一角に入ったレオシルバとペドロジュニオール。ブラジル人選手の市場価格が高騰しているといわれて久しいですが、ワールドカップもオリンピックも終了し、ブラジル経済のバブルも弾けつつあるんでしょうから、そろそろ主要輸出商品ともいえるサッカー選手の価格も下がらないかしら。

 

 

ともあれ、新戦力が加入しても全体のバランスの良さとか、そういうところに綻びが発生しないところに鹿島の伝統はある。選手各個の出来不出来はあるにせよ、何事もないようにちゃんとチームとして機能しているのですね。そして、鹿島伝統のマリーシアも健在です。新加入の主だったところがブラジル人ですから、特に問題はないでしょう。そして、この要素においても、最も正当なジーコイズムの継承者は小笠原なのが、なにかと示唆に富む。

 

 

一方の浦和は、ACLを睨んでのことなのか、コンディションの問題なのか、そもそもの序列が変わったのか、去年の主力のうち、槙野・両ワイド(関根・宇賀神 ※宇賀神はCBで出場)・興梠・柏木が先発せず。ついでにラファエルシルバもメンバー入りしておらず。代わりに青木やズラタンなど、去年の準レギュラーが起用されたなか、新戦力からは菊池大介が抜擢されておりました。湘南ではセントラルか右サイドを持ち場としていただけに、フィットにはもう少し時間が必要ですかね。

 

 

この試合は菊池大介だけでなく、元湘南勢が数多く起用されておりました。浦和では菊池の他に遠藤航が先発。鹿島は三竿雄斗が左SBとしてスタメンに名を連ね、また、永木もレオシルバとのスイッチでピッチに登場しました。けれども、全体的に元湘南組には災難な一日となってしまったかもしれません。菊池同様、三竿雄斗も課題が目立つ出来になってしまいましたし、永木が投入されてから鹿島は同点に追いつかれ、そして遠藤航のアレですからね。。。

 

 

 

■後半

前半の浦和の出来は頗る悪かった。「悪いときの浦和はこうなります」というお手本のように、「簡単にボールを失う」→守備組織は「ラインだけ高く、スッカスカ」→「あっという間に自陣に釘付け」の無限ループ。前半のうちに遠藤康に芸術的フリーキックを含む2ゴールを献上することとなり、後半の開始とともに興梠を投入して修正を図ります。この効果は覿面。ボールの収まりどころができたことで、劇的に全体のバランスが改善されました。

 

 

これに気をよくしたのか、ペトロビッチ監督は、すかさず2枚替えを敢行し、菊池・駒井に変えて、長澤と関根を送り込みます。長澤をワイドで使うのかと思いきや、長澤はボランチに入れ、阿部を最終ラインに下げ、宇賀神を左のワイドに上げました。この交代自体は効果的ではあったと思うのですが、昨シーズンのチャンピオンシップ決勝で早め早めに堪え性のないカードの切り方をして痛い目に遭ったはずのミシャさん、そういうところは、さほど気にしないようです。

 

 

そんな、相手のジタバタを悠然とやりすごして、まんまと追加点を挙げる現象を「鹿島る」と形容するのですけど、この日のアントラーズは、2点差を追いつかれてしまうという失態を演じてしまいました。しかも1点奪われた直後に、もう1点入れられてしまうという追いつかれ方。別に浮き足立ってはいなかったでしょうけど、鹿島の伝統を汚すゲーム展開に小笠原はブチ切れていた違いない。交代となっていたとしても、意地でもキャプテンマークを外さなかったことでしょう。

 

 

でも、ここからが「浦和は浦和」なのですよ。他の追随を許さない、圧倒的な勝負弱さ。遠藤航のありえない凡ミスで決勝ゴールを許す。踏み外しちゃいけないときに限って踏み外すのが、近年の浦和。対抗できるのは川崎くらいでしょう。間の悪いことに、決勝ゴールの献上先が鈴木優磨ときたものだ。クリロナポーズを追いかけてカメラクルーが大量に追いかける。「画」になってしまう。その引き立て役を浦和が押しつけられる、これまた「画」になってしまうのですな。

 

 

 

日本代表への推薦状

□推薦者

森脇良太

□推薦理由

この選手といえば、ザッケローニ時代にアジアチャンピオンとなったとき、監督自ら「実はMVP」的な扱いをしたムードメーカー。一般的には「調子のり」として、槙野とセットにされることが多いですよね。でも、槙野と森脇って全然違うと思うのです。槙野は周囲をどんどん巻き込んでいくイジリ芸。それに対し森脇は個人プレーで勝手に外し倒すスベリ芸。イジリ役とイジラレ役、SとM。この違いは大きい。決しては一緒くたにしてはならなぬ!?

 

 

そんな森脇、この試合では柏木やら興梠やらが出ていなかったこともあり、なぜか影の司令塔ととしてゲームメイクするという謎現象が発生しておりました。まぁ、でも、わりとそういうスタイルのプレーもしますよね、普段から。去年から関根とのコンビネーションがはまり出すと止まらないイメージもありますけど、そのモードが発動しているときは、森脇が関根を使うという関係性ですし。って考えると、森脇って実は現代的サイドバックだったりするのか?・・・いや、しないな。