林容平のハットトリック〜FC東京U23vs相模原(10月30日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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いや、別にFC東京U23なり相模原がどうしても見たかったわけではないんですよ。単に「赤羽に行きて〜! 赤羽で飲みて!!」と思ったもので。

■前半

この夏でしたっけ?安永さんが監督に就任したのって。それ以降、勝てていないんですよね。理想家肌で攻撃志向の高い若手監督は、必ず苦労します。そんな壁にぶちあって安永改革は思いっきり停滞中なわけですが、指をくわえて見ているわけにはいかないので、いろいろと試行錯誤します。そんなわけで、この試合ではシステムを343として臨んできました。4バックでスタートして、うまくいかないと3バック。なんだかジーコジャパンを見ているみたいだぞ。

 

 

で、ジーコジャパンのときもそうでしたが、3バックにすると、いろいろと整理されるのですな。なんというか、選手起用に半端ない適材適所感が漂っている。坂井をボランチで使ったり、普光院の位置が1列上がったり。そして、あくまで前半限定でしたけど、攻守のバランスが大幅に良くなっていた。あくまで前半限定ですけど。大切なことなので2度言いました。それもこれも、選手間の距離感が非常に良かったから。しつこいですが、前半限・・・

 

 

対するFC東京U23は、もとより自動的にバランスが整うことになっている442。理念上は“育成年代”という位置付けでしょうから、あまりトリッキーなことはしません。常套的なシステムでチームビルディングしています。そんな442のシステムで、チームの骨子を担っているのは、林や野澤といったトップチームでプロ契約している面々ではなく、主に40番台の背番号をしょっているユースっ子たち。岡崎とか鈴木とか生地とか。

 

 

そして、そのユースっ子たちの骨子を肉付けするのがプロ契約組。なかでもアクセントになっていたのは平岡翼。この選手のスピードと突破力は、高体連時代から全く錆び付いていない。でもね、課題も多いのですよ。チームのポジティブなアクセントとなっていた平岡は、同時にネガティブなアクセントでもある。例えばゴール正面からのドフリーなシュートをものの見事に宇宙開発したり、激しく当たりにいった結果、問答無用のイエローカードを頂戴したり。

 

 

 

■後半

ちなみに、前半に平岡が削った相手は保崎だったわけですが、その保崎が前半終了間際に先制ゴールを奪います。奪ったところまでは良かった。ただ、そこで終わらないのが保崎淳と書いて保崎“すなお”。自分の感情に素直な選手ですから、いついかなるときでも、相手選手とやりあってしまう。この試合では、平岡だけでなくユインスともやりあう。もつれ込んで倒れ込んだ2人が、熱くなる。審判さんは、通常以上に時間をかけて、両者をなだめる。

 

 

“事件”は、そのとき、起こりました。そう、“事件”とは、まさかの、FC東京U23サポーターからの“よしかつ”コール。まあ、日本代表として長らく活躍してきたレジェンドですから。能活コールの1つや2つ、起きますよ。“事件”の本質は、ここではない。“事件”の本質、それは、敵サポーターからのおふざけコールに対して、能活が大人の対応で、手を振って応えたこと。10年くらい前にカズが全く同じことをして、たまたま目の当たりにしましたが、それ以来の出来事でございました。

 

 

そんな喧騒も収まらない時間帯に、FC東京U23は途中出場で平川をピッチに送り込む。U16ゴリ山ジャパンの心臓として活躍した期待株の登場に、、、もうちょっとスタンドも湧くのかなぁとか思ったのですが。。。結果的にこの交代が試合の趨勢を決めました。といっても平川がアメージングに素晴らしかったのではく(アシストとかありましたが)、彼の投入に伴いシステムを343に変更した結果、これ以降、FC東京U23が相模原を圧倒するようになったのですね。

 

 

まず、反撃の狼煙をあげたのは林容平。なんでもないクロスだったと思うのですが、なんだかよくわからないうちにヌルッと相手DFとGKの間を通り抜けて、林的にはごっつぁんゴール状態で決めきりました。勝ち越しゴールも、横からのハイボールコーナーキックに岡崎が合わせました。ここからは、やりたい放題。シュートへの意識が物足りない小川が消極的なクロスを上げたら、それが林の2点目のアシストに。林は終了間際にも能活との1対1を制してハットトリック。終わってみればFC東京U23の完勝でございました。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

・生地慶充

□推薦理由

この選手に目を奪われたのは、前半、赤井ともつれ込みながら、ボールの奪い合いに勝ったシーン。ユース所属の選手がJリーグ歴戦のDF相手に、フィジカルでぶつかり勝つんですから、そりゃビビるってもんです。この選手だけでなく鈴木にしても岡崎にしても、U23の試合で常連になっているユースっ子たちは、揃ってガタイが良い。まあ、元FC東京で、この日は相手ベンチに座っていた近藤には敵いませんけど、あれは別格だ。

 

 

ともあれ、これだけフィジカルの強い選手が揃っているのは偶然なのだろうか、それともFC東京の下部組織は体格の優れた選手を優先して昇格させる方針があるのか、あるいは、少なくともU23の試合に出場させるにあたってはフィジカルを重視するのか。偶然か必然かわかりませんけど、仮に必然、つまり、そういう方針のもと、今の形があるのだとすれば、育成年代における1つの雛型になると思うので、注目していきたいです。