良くも悪くもミシャ流の個性を感じた一戦〜浦和vs大宮(7月17日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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日曜日は、なでしこリーグからのWヘッダーでございました。

■前半

突然ですが、皆さんは視力は良いですか? ワタクシは、中学生の頃からコンタクトレンズを使用しております。時代柄、いまや少数派に属するハードコンタクトレンズ。昔はソフトコンタクトのクオリティが低く、ハードが主流でした。そんなハードコンタクトには、慣れるまで目に不快感があるとかイロイロ欠点があって、その最大のものは、“落ちやすい”こと。いやあ、ビックリですよ。スタジアムのコンコースを歩いていたら、ひょんなことで吹っ飛んでいってしまった。

 

 

もうね、パニックですよ。シチュエーション的に地ベタを這いずり回って探すことは不可能。諦めるしかない。そうなると事実上、片方の目しか見えないのと同じ。霊長類ヒト科は五感のうち、視覚に多くを依存していますから、狼狽が止まりません。しかも、日曜日のナイトマッチ。試合終了後でもやってるコンタクト屋なんてありゃしない。せめて土曜日のナイトマッチなら日曜日を活用できるし、デーゲームなら試合終了後でもやってる店はあるのに。トホホ、出勤前に一仕事・・・

 

 

試合の構図はある意味、予想通りっちゃ、予想通り。「順位の高い浦和が支配して大宮が受けに回る」というのもそうですが、「変則システムな浦和に対して、オーソドックスな大宮」という構図が、いかにもわかりやすかった。浦和の場合、梃子でも動かないミシャスタイルは、正直、いろいろとトリッキーです。対して伝統的に2ラインの442を採用してきた大宮は、基本に忠実なだけに、カウンターなどで流麗なオートマチズムが発動されます。見ていて端正なんですよね。

 

 

尤も、前半の流れは、特異なミシャスタイルが大宮を飲み込んだわけでも、大宮の真面目なカウンタースタイルが猛威を振るったわけではない。一言でいうと“飛び道具”で浦和が先制し、大宮が追いついた。浦和の先制点は柏木の直接フリーキック。少し前の試合における阿部といい、槙野以外のフリーキックは意外と決まる模様。対する大宮はコーナーキックにヘディングで江坂が合わせて突き刺したもの。ダービーですからね、得てしてこういうパターンなのでしょう。

 

 

 

■後半

これまで浦和の課題は守備だとされることが多かった。基本的に浦和の選手配置はアンバランスです。最終ライン近くで組み立てて、中盤省略で前線にボールを届けようとする。なので、実は押し込まれた展開の方が好都合なはずなのですが、ミシャさんは、あまり「相手を引き込む」ことには執心しない。相手が守備をセットしていて、かつ中盤を省略するにもかかわらず、それでも浦和のビルドアップが成り立つのは、ひとえに柏木と阿部のミドルキックの精度のおかげだったりします。

 

 

しかし、いくらキックの精度が高くとも針の穴をいつもいつも通せるわけではない。そこで、できるだけターゲマンの数を確保して、パスが繋がるようにします。浦和の場合、前線の3人が守備に戻らず、前線に残ることが、ビルドアップを不用意に失ってピンチにならないための対策になっていたりします。「前線に3人残っていれば、適当に蹴っても、どうにかマイボにしてくれる!」みたいな。つまり、浦和の守備が年々固くなっているのは、中盤での守備を強化したからではなく、中盤の省略をより徹底したからと言えそうです。

 

 

なんてことを考えていたので、途中交代の絡みで柏木を1列上げたときには、少し心配になりましたが、結果的にそのときの交代策は吉と出ます。ミシャさん、なかなか粋な采配をするんですよ。元大宮の青木とズラタンを同時投入ときたもんだ。青木も少しずつ出場機会も増えてますけど、それにしても、確実に相手が大宮だからの采配でしょう。大宮サポーターは大ブーイング。ズラタンへのブーイングはそこまででもなかったかな。で、下げたのが李と興梠。そして、残った武藤が勝ち越しゴールを決めた、と。

 

 

これで勝負があったかな、と思ったのですが、そこはダービー。ミラクルが起きるのです。マテウスが単独突破から決めきってしまいました。その直前に対面する宇賀神が痛んでプレーに戻れてなかったので、レッズ的にはやや不運ともいえますが、ただ、前半から「マテウスがキレキレなのか? 宇賀神裏がスカスカなのか??」って感じることも多かったので、トータルとしてはマテウスー宇賀神サイドから得点が生まれたのは必然だったともいえるでしょう。試合はそのまま22で終わりました。

 

 

■日本代表への推薦状

 

□推薦者

関根貴大

□推薦理由

前半はさほど目立っていませんでしたけど、後半になっていきなり確変しましたねぇ。対面する大屋を何度も何度もペンペンにしておりました。股抜きとか、ほとんど恥ずかし固め状態。強烈な攻撃力でございます。にもかかわらず、結局、リオオリンピックのメンバーには、かすりもしなかったですねぇ。“成熟”を重視する手倉森さんですから、立ち上げの段階で潜り込めなかったのが響いたという要素もあるでしょうけど、それにしても惜しい。

 

 

ただ、外れるには外れるだけの理由があると思います。関根をSBとして考えた場合、やはり不安なところがある。それはマンツーマンの守備力ではなく、SBとしての判断力ですね。SBって、マイボールになったからって、必ずしもオーバーラップをするわけではなく、慎重な状況判断が求められる。でも、ミシャ流343のWBだと、マイボールになったら何も考えず5トップの一角としてプレーするのがデフォルト。自らの判断は求められない。ゆえに判断力も身につかない。手倉森さんは、そういうところに不安を覚えたのではないか、なんて思うわけですが、逆にいえば、そこをどうにかすれば、代表にとっての強力なパーツになりうると思いますので、頑張ってもらいたいですね。