なんだかんだで結局ドロー〜FC東京U23vs藤枝MYFC(6月12日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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弊ブログでは何度も繰り返しておりますが、去年に引っ越すまではマイホームスタジアムだった、“hills of west”こと西が丘です。

■前半

FC東京U23といえば、往年のJFLにおける“流経大ルーレット”を彷彿とさせるような、試合ごとに相手にとっての難易度に高低差がありすぎて耳がキーンとなることでお馴染みですね。時にはムリキが出てきたり、時にはハデソンが出てきたり。かと思えばベンチには高校生が2人座っているだけだったり。この試合に関しては、先発メンバーにオーバーエイジはキーパーの圍とDFの吉本が入っているだけ。逆にベンチには規定いっぱいの7人がスタンバっていた。

 

 

それでも、J3基準からすれば反則級のタレントが紛れていることは間違いない。そのうちの1人がユインス。確かに23歳以下だから年齢的にはオーバーエイジではないのですが、相手にしてみれば「助っ人外国人やん!」って話。序盤から鋭い飛び出しを繰り返して藤枝守備陣をズタズタにすると、颯爽と先制点を奪ってしまいました。もちろん、これはユインスの能力を誉めねばならないわけですが、それにしても藤枝は縦突破に弱かったな、と。

 

 

理論上、縦に弱い理由として考えられるのは、チームの成熟度が足りない。チームの戦術上そこは目をつぶらざるをえない。のどちらか。で、ワタクシが観察した限りにおいては、おそらくなのでしょう。藤枝は意欲的なチームです。最終ラインの選手がボールを持ち上がり、それに合わせてラインもドンドンと高く上げていく、みたいなシーンが散見しました。言うなれば、松山光君率いるふらの中学校の全員攻撃状態。そりゃ、裏抜けに弱くなるわね。

 

 

そして、相手最終ライン裏に広大なスペースがあるとなると、俄然、元気百倍になる選手がFC東京U23にはおります。そう、それが平岡翼。シーズン開始の時点で10番台の背番号が与えられている、期待のスピードスターなんですが、今のところU23要員となっております。その理由がよくわかる出来でした。確かに速いのですが、勝負すべきところで勝負しなかったり、勝負したかと思ったら猪突猛進になって、相手に対応されてしまったり、判断の部分での成長が求められます。

 

 

 

■後半

後半になると藤枝が盛り返します。先に藤枝は最終ラインが持ち上がったりすると述べましたが、それはつまり、「しっかりとボールを繋ぐサッカーをしている」ということ。前半から「その志は買う!」と思わせたのが、各選手が「相手がいないところ」ではなく、「味方のいるところ」にパスを出しているということ。なので、FC東京U23のチェックが遅れると、即、藤枝のチャンスになる。後半に入ると、どうしても守る側の出足が悪くなりますから、必然的に藤枝のチャンスが多くなった。

 

 

ただ、だからといって藤枝が一方的に攻めて、FC東京U23がひたすら我慢するという展開にはならなかった。味方のいるところにパスを出そうとすることと、そのパスが狙い通りに繋がるとは別問題ですし、何より、球際の強さという意味においてFC東京U23の方が勝っていた。特にユインスのポストワークや、小川諒也のヘディングの強さ、デュエルの強さに藤枝は圧倒されていました。

 

 

それでも、自慢のパスワークでペナルティーエリアに進入していった藤枝は、吉本との駆け引きを制してPKを獲得し、それをきっちり決めきりました。このあたりは「若造よ、大人をナメるなよ!」といったところでしょうか。ちなみに、この得点のタイミングでFC東京はケガが癒えた中島翔哉を投入。その10分後くらいには、さらに室屋成も長期離脱後初のピッチに送り込む。これで、ある意味、この試合の安間さんのマストは果たしたと言って良い。

 

 

そんなベンチの雰囲気がピッチにも伝わったということではないでしょうけど、ここからは、見方によってはスリリングな、別の見方によっては中盤グダグダな応酬が繰り広げられます。なんせ6月のデーゲームですからね、後半も半ばを過ぎると両チームとも選手はバテバテなのですよ。ゆえにゴール前だけが異様に忙しい展開となる。見ている分にはとても面白い展開となりましたが、結局、どちらも決定力に欠き、同点決着に終わりました。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

・柳貴博

□推薦理由

今シーズン唯一のユースからのトップ昇格ですよね。ゆえにU23においては、ほぼほぼフル出場なんじゃないでしょうか。そんな柳、誰かに似ていますよね。なんというか、全体的にゴリっぽい。ゴリっぽく感じるのは、SBとしては大型であり、しかも下半身が安定している感じで、かつ、俊敏さもありそうだから。これらの諸点を勘案すると、そうです、酒井宏樹に似ているのですよ。顔の系統も方向性としては同じベクトルなような気もしますし。

 

 

柳と酒井宏樹の共通点として、もう1つ挙げられるのは、2人ともJクラブのユース上がりだということ。ワタクシ的には、これは偶然じゃないと思うのです。これだけアスリート能力の高い選手を、「その選手にとって最適」という理由でSBとして育てるというのは、クラブユースでないと、なかなかできない。高体連に所属していたら「チームにとって最適」という理由によって、セントラルの選手として育てられた可能性が高いと思うのです。そんなわけで、酒井宏樹に続いて、ユースの星になってくれ!