エキサイティングとは言い難いが〜群馬vs京都(4月9日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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今週は前橋までひとっ飛び。上野東京ラインって凄いっすね。

■前半

群馬のフォーメーションを確認すると、シンプルな442だった模様。スタメン表的には4231ってことになっておりましたが、マテウスはトップ下ではなく、FWでしたね。それにしてもマテウス、褐色系の選手でした。どうしても我々世代は“マテウス”と聞くと、長くドイツ代表で活躍された、クリンスマンと仲が悪いらしいあの人を思い出すので、白人をイメージしがちですが、ブラジルにもある名前らしい。ちなみに大宮のマテウスもブラジル人。

 

 

そんなザスパが展開するのは、いまどき珍しくなった、いわゆる“パスサッカー”。中盤でしっかりビルドアップして、サイドを崩して、相手を崩しきってからラストパスを出すというのを理想としているように感じられました。ザッケローニが率いていた代表のサッカーに近い。そしてザックジャパンがワールドカップで苦戦したことで猫も杓子も非難するようになった、支配率を高めるスタイル。でも、別にこれはこれで問題はない。問題なのは「これが正解」「これが誤り」と安易に二元論的な結論を求める思考停止にあるのであって、「パスサッカーそのものが本来的に誤りである!」と認識したとするならば、「あなたは何も進歩してませんよ」ということになる。

 

 

ともあれ、4年前に近い光景の中を突き進む服部ザスパに対し、石丸さん率いるサンガは、今をときめく手数をかけないショートカウンターサッカー。ワタクシが青春の入り口で立ち尽くしていた頃、『いまを生きる』という映画にいたく感銘を受けましたが、ある意味、京都のサッカーも今を生きている。もっとも、映画のフィロソフィーとは真逆の意味での今の生き方かもしれませんが、まあ、そんなことはどうでもよい。とにかく、この日の京都が展開していたのは、シンプルに最小手数でゴールに迫ろうというもの。むしろ大黒がいたら、とても生きそうなスタイルに思えるのだけれど、なぜ干されてしまったんですかね?ファーストディフェンスの部分??

 

 

 

■後半

後半の頭から服部監督は永井雄一郎を投入してきます。その永井がカンフル剤的に、最初の5分は物凄く輝いたんですけど、気がつけば埋没して、チーム全体も通常運転モードに。埋没したといっても、ボールを持てば抜群のテクニックを発揮していましたけどね。ただ、如何せん、ボールが渡らない。で、群馬のアタッカー陣で、流れの中で正確なパスを出せるのは永井しかいない。つまり、流れの中での崩しが発動しなくなる。

 

 

それは、そもそもリアクションに撤している京都にも同じことが言える。要するに両チームとも流れからの得点の匂いは皆無に近かった。こんなこと言っちゃ、プロのアスリートに対して失礼この上ないのですが、正直、あくびが止まらないような展開。時折、訪れるシュートシーンも、相手のミスからあれよあれよと、守備陣がズルズルで、なぜかシュートまで行っちゃったよ!って雰囲気。コーナーキックくらいしか、チャンスらしいチャンスはなかったように思われる。

 

 

で、実際のスコアが動いたのもコーナーキック。しかも、「押せ押せで、ゴールが決まるのも時間の問題!」みたいな空気感が一切漂ってないなかで生まれた突然のゴール。どれくらい突然にかというと、ラブストーリーくらい突然にでした。コーナーキックを蹴ったのは佐藤健太郎で、決めたのは有田。そう、ゴールを奪ったのは京都でした。あの日、あのとき、あのシチュエーションで石丸監督が選手交代しなければ、両チームはいつまでもスコアレスのまま!だったことでしょう。

 

 

そんなこんなで先制した京都は逃げ切りモードに突入します。が、ここで誤算が発生。カードを3枚とも切った後で、京都CBの高橋が、おそらく脳しんとうだと思いますが、それ系のアクシデントでピッチから離脱します。10人での戦いを余儀なくされたわけですが、それでも群馬の猛攻をどうにかこうにかはねのけて、虎の子の1点を守りきりました。アンドレイのシュート技術がもう少し高ければ、2点目、あるいは3点目も入っていたかもしれませんが、それは言わない約束。とにもかくにも、京都が勝った試合でございます。

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

堀米勇輝

□推薦理由

京都の右SHとして出場していた選手ですが、利き足は左なんですかね。カウンターのチームですから、左利きの右SHとなる。で、その逆足の利点を存分に生かしていたと思います。シュートも打ってましたし、中に進入したりもしていた。それから持ち直して、内巻きのクロスとかも入れていたので、全体として十分に及第点でしょう。

 

 

甲府からの移籍ですよね。構図としてはJ1クラブからJ2に武者修行に出されて、そのまま住み着いたら格好。でも、状況証拠的に判断するならば、たぶん、甲府より京都の方がお金を持っている。リーグのグレードは下がったかもしれませんが、案外、サラリーは上がっていそう。実は都落ちではなく、下克上だったりして。ともあれ、リオ世代ですよね。もし野津田のコンディションが上がらなかった場合にはお試しあれ!