まあ、凡戦ですな〜横浜FCvs愛媛FC(3月26日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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最近の三ツ沢は混雑してなくて、快適っちゃ快適です。

 

■前半

 

ある意味、J2らしい立ち上がり。「J2らしい」というのは、わりと肉弾戦なところですね。なんせ、最初の15分だけで3人もの選手が接触プレーで痛んでピッチに倒れたりしていた。愛媛のハードワークがえげつないんですよ。横浜FCは、それほど激しくぶつかっていくって感じではなかったのですが。J2のサッカーというのは、良い言い方をするならば、イングランドっぽいところがありますので、こういう風景になりがち。

 

 

そんなゴロンゴロンとした立ち上がりから、少しずつ愛媛がペースを掴むようになります。その要因としては、1つには愛媛が3421の利点を生かして横幅を広く使えていたこと、2つには、横浜FCの側にミスが目だっていたこと、そして3つ目には球際の争いで愛媛が横浜FCに勝っていたことですね。これら3つのうち、横浜FCのサポーターならば3つ目にストレスを感じるのでしょうが、主要因は1つ目の要素だと思います。

 

 

横浜FCは、良くと悪くも佐藤謙介次第ってところがありました。佐藤謙介という選手は、ルーキーイヤー以来、あまり変わりがない。上手いのだけれど、やや淡泊というか、パスも態度も飄々としている。それを突き詰めれば遠藤保仁なんだけど、そこまでは至っていない。で、その飄々としたプレーが「流麗」と出ることもあれば、「軽い」と出ることもある。佐藤謙介のプレーが「流麗」に見える時間帯はチーム全体がうまく回るのだが、「流麗」と「軽い」が1試合の中でも、しょっちゅう入れ替わる。

 

 

そんな感じだから、「おっ!」というプレーするのも佐藤謙介だったりする。前半にありましたね、こぼれ球をダイレクトに、カラダをひねらせながら打ったシュート。あれは惜しかった。相手GKに間一髪で弾き出されてしまいました。横浜FCには、この他にも偶発的につながったボールを受けた小野瀬が打ったシュートも、ポストだかバーだかを直撃。ただ、チャンスらしいチャンスはこのくらい。試合はスコアレスのまま、ハーフタイム。

 

 

 

■後半

 

後半に入っても、さほど試合は大きく動きません。そこで、横浜FCとしてはホームですから、勝ち点3を取るための選手交代をします。ジャンボ大久保を投入。前半から横浜FCから見て左サイドの攻防がポイントになっていて、横浜FCは後手に回っていたんですけど、このジャンボ投入が奏効したのか、たまたまなのか、後半は、このサイドでの攻守が入れ替わります。そして、同時に、それが試合全体のイニシアチブの動向に直結する。

 

 

そこで愛媛の木山監督はそこの修正に取りかかります。愛媛の右サイドはシャドーに瀬沼、WBに白井だったのですが、まず玉林をWBに入れ、白井を右シャドーに、瀬沼をトップにスライドさせる。そして、さらにすかさず白井と近藤をスイッチ。守備の安定感には定評がある玉林の投入で蓋をして、さらに近藤が運動量を追加することで押し戻しを図る。理に叶った采配で、愛媛は再びイニシアチブを取り返しました。

 

 

その後は、両チームとも散発的に訪れるチャンスを決めきれないまま時計の針は進んでいく。横浜FCは個々の能力がありますから、なんとなく互角に見えるのですが、チームとして機能しているのは愛媛でした。愛媛の特徴は「ハードワーク」「サイドに2人以上が駆け上がる」ってところにあるんだと思いますが、それが90分間しっかりと持続していましたね。水戸の西ヶ谷さんみたく、ワタクシが評価すると勝てなくなる法則があって気が引けるのですが、木山さんのチーム作りもお気に入りになりやした。

 

 

もっとも90分間同じクオリティを続けるというのは、一貫して「最後に差を付けるだけの精度に欠ける」って部分のクオリティにも変化がなかったということでもありますから、そんな感じでタイムアップを迎えます。スコアレスドローでございました。前半は横浜FCがポストに嫌われましたが、後半は愛媛が同じ憂き目にあって、瀬沼と内田のスーパー気味シュートが12人目の選手に防がれました。残念。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

瀬沼優司

□推薦理由

大型FWなんですけど、日本人大型FWにありがちなパターンで、「空中戦に滅法強い!」って感じではありません。むしろ、低い位置でこぼれ球を拾って「オラオラオラ〜!」ってなドリブルでボールを持ち上がるドリブルの重戦車感がハンパない。そういう意味ではチョンテセっぽいけど、チョンテセと違ってポジションがシャドー。ならばドウグラスかって話なんですが、ドウグラスほどの得点実績はまだない。一番近いのは、“大きいのに足元が丁寧”って部分が共通している平山相太かも。

 

   

この選手が持つ最大の武器、それは「気遣いができそう」ってところ。例えば、チャンスの場面で走り込んで、でも囮とされてしまったとき。多くの選手は瞬間的とはいえ「オレに出せよ!」って表情になるのですが、この選手は、反射的にサムアップポーズをしていた。あるいは、ウイングの選手が受け手と全く意図が合わないクロスを入れてしまったときにも、「狙いは良かったよ!」ってサムアップする。たぶん、相当いい人です。