手倉森Japanの注目ポイントの周辺をウロウロと…

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

■手倉森さんのイメージ

いよいよ、リオ五輪の最終予選ですね。93年生まれ以下Japanを率いるのは手倉森誠さん。Jリーグを見る習慣のある人にはお馴染みの監督さん。見ない人にとっては「誰、このダジャレばかり言ってるオッサン?」ってなもんでしょうか。鹿島で指導者キャリアを積み重ねて、仙台へ。コーチから監督に昇進すると、長らくJ2で低迷していたベガルタをJ1に定着させてみせました。

 

 

ワタクシのイメージとしては、「鹿島流サッカー」ですね。特にこれといった技術面での特徴はない。縦ポンでもなければ、ショートパス信仰に沈溺しているわけでもない。ハードプレスに特化しているわけでも、ショートカウンターonlyでもない。手倉森さんの仙台は、いかにも鹿島らしい、「のらりくらりとゲームをコントロールして、気がつけば勝ち点獲得!」ってチームだった記憶があります。

 

 

いわゆる「あ・うん」の呼吸を磨き上げ、無茶はせずに、チャンスと判断すれば流麗なリアクションアタックをしかけるようなチームを作る監督さんです。ミソは「あ・うん」。となると、若干の不安がなくもない。こういうスタイルのチーム作りって、クラブを率いるには良いかもしれませんが、活動期間が限られる代表チームとの相性は微妙かも。

 

 

とはいえ、少なくとも歴代Jリーグクラブの監督の平均値を50としたときの偏差値でいえば、少なくとも60を越える指導者です(たぶん樋口靖洋さんあたりが偏差値50)。Jリーグを見ない人はきっと「使えない監督はサッカー界を去れ」とか騒ぎ立てるんでしょうけど、その場合、「じゃぁ、使える監督って誰?」ってことになる。手倉森さんクラスの指導者が全て去った場合、Jリーグの監督をできる人が一人もいなくなって、日本サッカー界が大幅に弱体化することになりますし、「現実的に就任する可能性があって、代表監督に値するって人材は一人もいないので、ナショナルチームの活動は停止します!」ということになるで、それくらいのことは考えて、批判する人は批判してくださいね。

 

 

 

■人選の傾向

ともあれ最終予選の人選を見ると、明確な傾向がありますね。2015年に代表に選出されるに値する活躍を所属クラブで見せたにもかかわらず落選したのは、関根、鎌田、西野、前田、川辺といったあたりでしょうか。特に関根や鎌田の落選には非難囂々。でもシーズン終盤の鎌田は今ひとつでしたよね。関根は難しいよなぁ。ペトロビッチ流343のウイングバックだもんなぁ。帯と襷の中間形態。

 

 

それよりも、驚いたのが西野が落選して、奈良が選ばれたこと。よく、あまり試合に絡めていない中島翔哉が選出され続けていることに対して「寵愛人事だ!」って批判がされますけど、とはいえ中島は、たまに試合に出ていた。でも奈良は中島以上にほとんど試合に出てなかった。対する西野はタイトルを争い続けた終盤戦におけるガンバのレギュラー格。リーグ戦活躍度でいけば、どう考えても「奈良<西野」。

 

 

ここからわかる手倉森さんの人選の傾向は、「ずっと呼んできた選手を信用する」というもの。言い方を変えれば「成熟度重視」ということになる。もっとも、本エントリ前半で説明したように、そもそも手倉森さんというのは、そういうスタイルでチーム作りをする指導者なわけです。それが吉と出るか凶と出るかはわかりませんが、日本サッカー界の身の丈を適切に踏まえれば、手倉森さん以上の人材は、そうそういないわけですから、信じるしかありませんし、どういう結果であろうと、リスペクトだけは忘れずに。良くない結果だとしたら、「手倉森さんだから負けた」ではなく、「それが日本サッカー界の等身大の現在地」だということです。とにもかくにも、期待しましょう。手数を掛けずにダイレクトパスで相手の急所を突いていく痛快なサッカーが実現することを。