興行面はシビアに評価してねチャンピオンシップ総括の周辺をウロウロと…(後編)

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■視聴率7%と10%

それなりに盛り上がったチャンピオンシップ。特にサンフレッチェの地元広島では、視聴率も30%を超えたとか。これは、なかなか立派な数字です。全国平均にならすと決勝の1stレグが7%で、2ndレグでは10%に届いた模様。ヒットドラマの視聴率を目安にすると、我々が中高生の時と比べて、視聴率は全体として半減しているので、20年前における20%くらいの価値があるのかも。

 

 

この10%(あるいは平日の7%)をどのように評価するか。健闘したとみるか、苦戦したとみるか。意地悪な味方をすれば、代表戦なら場合によっては30%くらいいくこともあるので、それに比べると1/3って表現の仕方ができなくもない。10%(代表の1/3)という数字が、なんとも生々しい。これがJリーグに対する世間的関心のリアリティなのかな、と。

 

 

スタジアムはほぼ満員、視聴率は10%。なんというか、これって、「Jリーグのサポーターが総結集しました」って数字ですよね。ワタクシみたく特定のクラブのサポじゃないのにJリーグをみているってのは少数派で、基本は、みなさん贔屓のクラブがある。普段は贔屓のクラブの試合があるのでそっちをみるけど、CSの週は、「この1試合しかないから、とりあえず見ておくか」みたいな感じでチャンネルを合わせた視聴者が圧倒的なのかな、なんて感じたりもします。

 

 

もし、仮にワタクシの見立てが正しかったとしたら、これって、競技面での公平性を犠牲にしてまでチャンピオンシップを開催した意味はなかったということになるんじゃなかろうか。だって、チャンピオンシップって、「このままじゃ頭打ちだから、新規サポ開拓のためにわかりやすいことをやりましょう!」って趣旨でしょ。でも、実際にCSを見たのが既にJリーグに興味がある層が中心だったとしたら、意味はなかったってことになりますよね。10%って数字から判断するに、さほど多くのご新規様(これまではJリーグに興味を示さなかった層)がチャンネルを合わせたわけではないのではななかろうか。

 

 

 

■協会に要求したい点

そもそも、「盛り上がったから、めでたしめでたし」って評価基準は、本来の趣旨からすればおかしいのではないかと思うのです。チャンピオンシップ開催の目的は、要するに、「少しでも儲かるため」「少しでも新規顧客を増やすため」だったはず。だとすれば、成功したか否かの基準は「盛り上がった」ではなく「儲かった」でなければならない。

 

 

そして、絶対的に必要なのは、チャンピオンシップという制度が、新規顧客を開拓するにあたって、どれくらいの効果があったのかの分析。盛り上がったのは盛り上がったで良いのですが、大切なのは、盛り上がった主体が「既存顧客」なのか、「新規顧客」なのかってところのはず。Jリーグのお偉方の皆さん、そのへんのこと、しっかりお願いしますよ。

 

 

そして、もう一つ釘を刺しておきたいのは、2015シーズンは明確に観客動員数がJリーグ全体で増加しました。それは素晴らしいことです。でもね、その要因を安易に「チャンピオンシップを開催したから」と結論づけて欲しくない。そのような結論を出すのであれば、ちゃんと、実態調査をして欲しい。決して、チャンピオンシップ創設を正当化するために、結果ありきで、「チャンピオンシップの影響が大きかった」なんてまとめをしてはいけません。基本、ジャパニーズカンリョウは、自分に都合の良い結論から逆算した分析(選択肢)以外、分析(選択肢)とみなさない傾向にありますから。新スタジアムとか、ロゴマークとか、モリヨシローとか。

 

 

最後に、ワタクシ的献言。やっぱり、年間勝ち点1位は正当に評価されなければならない。例えば「年間優勝の賞金は1億、年間勝ち点1位にも賞金1億、年間勝ち点1位のチームが年間優勝した場合はさらにボーナスで1億」とかにしてみるってのはどうですか(2015シーズンの広島は総額3億を獲得できることになる)。そうすることで、年間勝ち点1位のクラブがチャンピオンシップを戦う旨味が発生すると思うんですけどねぇ。ついでに「各ステージ優勝に5千万、完全制覇ならさらにボーナスで1億」くらいの優遇はあっても良いと思う(つまり総取りすれば5億になる、みたいな)。