ガンバのACL敗退にある日本サッカー界の日程的桎梏の周辺をウロウロと…

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■健太のボヤキ

例によって数週間遅れのトピックですが、ガンバがACL敗退しましたね。今年も日本勢は、これで全滅。もはや毎年の風物詩とさえ感じるACL敗退。それでも今シーズンはガンバとレイソルが意地を見せてくれたっちゃくれたんですけど、それでもベスト4が精一杯。レッズとガンバがアジアを制した10年弱前が、前世の出来事のようです。

 

 

敗軍の将となった長谷川健太監督は「協会は、本気で日程のことを考えてくれていたのか・・・」とボヤいとかどうとか。「敗軍の将は兵を語らず」を実行しておけば、とりあえず批判に晒される危険性がなくなる日本社会において、このような直言をするというのは、なかなか勇気の要ること。人格者の長谷川さんをしても、よっぽど腹に据えかねたのでしょう。

 

 

確かにそうなんですよね。かつてはACLは“罰ゲーム”と揶揄されいて、日本のクラブは参戦する意義を見出せずにいた時期がありました。あからさまにやる気のないクラブも少なくなかった。それでも、中国勢や韓国勢に勝てないシーズンが続くことによって、だいぶ本気モードのクラブが増えてきた(とはいえターンオーバーの挙げ句敗退ってパターンが皆無ではないですが、財政規模の問題が関わるところなんで致し方ない部分もある)。

 

 

参加クラブが本気で勝ちにいっていながら、勝てないとなると、理由は2つしかなくて、1つは純粋に日本勢が相対的に弱くなった。もう一つは、健太さんが苦言を呈した日程の問題。まぁ、中国勢が積極的に強化していますから、相対的に弱くなってはいるんでしょうけど、でも、じゃぁ広州広大に手も足も出ないかというとそうでもないので、やはり苦戦の主要因は日程のタイトさに求められそうです。

 

 

 

■日程問題の根本

そうとはいえ、協会は協会で言い分はあるでしょう。実際に、去年までに比べれば配慮が加えられています。去年までだと試合間隔が「日曜日→水曜日」「水曜日→土曜日」って連戦になることもあったのを、「金曜日→水曜日」とか「火曜日→日曜日」とかになるようできる範囲のことはやっている。土曜日のリーグ戦を金曜日にスライドさせることには、相当な調整が必要だったことは容易に推測されますし。

 

 

こういう日程問題になると、必ず「チャンピオンシップをやめろ!」って話になるんですけど、去年の今頃シリーズ的に論じましたが、そうしないと観客動員(=収益)的に首が回らないのであれば、どうしようもない。青臭い正論なんて、お金という現実の前では余りにも無力。そんな批判は、どこのスタジアムも観客で満員だって状態になってからはじめて意味を持つわけで。そういや、今週はCSですね。なんだかんでちょっと楽しみ。で、観客も増えたんですよね。それが2ステージの影響なのか、電通さんの偉大さなのかはわかりませんが。

 

 

話を戻すと、個人的には日程問題って、結局、天皇杯の問題に行き着くような気がします。元日までシーズンが続く以上、2月最終週より早く次のシーズンを開幕させるわけにはいきませんもんね。もちろん、気候の問題もありますけど、それ以上に、オフとキャンプに十分な日程を宛てられないというのは、選手のケア、チームマネジメントを含めて致命傷になる。そこに日程を割くためには、2月最終週とかが限度。

 

 

要するに、天皇杯の元日決勝ってのがなくなれば、もう少し、Jリーグとしても日程調整の余地が発生すると思うのですよ(その余地を今の協会が十全に活用できるかは別問題ですが)。しかし、ここで大きな問題が、「天皇」杯ですからね、一般参賀を例として挙げるまでもなく、「元日」という言葉(あるいは概念)との相性が良すぎる。ここを剥がそうとすると、特定の方向性を持った街宣車のお兄様方がお怒りになるかもしれませんし、なにより「天皇杯=元日決勝」が日本人の皮膚感覚に浸透しきってしまっている。この問題は、なかなか厄介なんだと思います。