ぶちくらせ問題の周辺をウロウロと…(後編)

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■文句を言う人の本質

結局、「“ぶちくらせ”は不適切だ!」って言い出した言い出しっぺは誰なんですかね? 固有名詞を表明している人なのか、匿名でやいやい言ってるだけなのか。なんか、この問題って、畢竟、クレーマー対応の問題と通底するように思うのですよ。言い出しっぺさんをクレーマー扱いするつもりはありませんけど、たぶん、ギラヴァンツにとって既存顧客じゃないのではあるまいか。

 

 

最近のネットニュースでオモチャにされているのがマクドナルド。某コメント欄には「もうマックは食べない!」みたいな言葉が並んでます。・・・たぶん、こういう人って、「もともとマックは食べない人」か、「今後も結局マックを食べちゃう人」のどちらかのような気がしてならない。「もともとマックを食べていたが、これを機会にホントに食べなくなった人」って、どれくらいいるのだろうか??(子持ち主婦層はそういう消費行動をとると思いますが、わざわざ某コメント欄に書き込んだりしないでしょうし)

 

 

最近、世間の耳目を集めたのが、下鴨神社遷宮に関するニュース。20年だかに一度の遷宮を実施しなきゃいけないのに資金がない。ゆえに端っこの駐車場にマンションを建てて、その賃料で費用を捻出しようとしたところ、「世界遺産にマンショを建てるとはケシカラン」と言い出す人がわいてきた。これもコトが大きくなったのは新聞きっかけだったような。

 

 

友人があの辺の役人さんをしているので、飲んだときにこの話を振ってみた。そうしたところ返ってきたのが「下鴨神社は何年も前からSOSを出し、募金を募ってきた。でも、どうしようもなくなって、最後の手段として苦渋の決断をした。すでに募金をした人は、おそらくケシカランとか言わない。これまで全く募金等をしてこなかった人に限って、そういう“正論という名の文句”を言う」との言葉。けだし金言でしょう。

 

 

 

ギラヴァンツ北九州というクラブの対応がしょっぱいのです

尤も、ここで、くどいほどに確認しておかなければならないのは、「ぶちくらせ」批判がナンセンスだからと言って、お上に相当するクラブの方針に対して、「こんなもん受け入れられない」といって、実力行使でルール違反することが正当化されるわけでは決してないということ。なんせ日本は近代法治国家。そこにルールがあれば「ルールだから」というただ一点の理由により、それは遵守しなければならない。文句があるなら、適切な手続によってルールを変更させなければならない。あるいは“運用”の部分で工夫しなければならない(普通はこっちの手段を採る)。そもそも、クラブとサポーターの関係において合法的な強制力はクラブの側にある。両者が正面衝突した場合、どうやっても後者は前者に勝てないし、ルールの上では後者が悪者とならざるをえない。実力行使での反対行動というのは、最終的に「浅間山荘事件」と同じ結末を必ず迎える。

 

 

なのでサポーターグループの肩を持つ気はサラサラございません。ただ、それ以上にギラヴァンツ北九州というクラブの対応が、あまりにもお粗末で残念だったな、と。だって、これって、もともとは問題視していなかったことに、ヘンなクレームがつき、そこに新聞社がのっかったことで問題が大きくなるや、ビビってしまい、ことの是非を棚上げした上で、言い出しっぺさんの言いなりになってしまったってことでしょ!? ワタクシはいわゆるお客様商売に従事しているわけではないのでよく知らないのですが(まぁ、お客様商売っちゃ、そこの自覚を持たなきゃいけない商売なんですけどね)、おそらく、こういう対応って、クレーマー処理(商売上のリスクマネジメント)としては下の下ですよね、きっと。実に、しょっぱい。

 

 

要するに、現に顧客であるかどうかが疑わしく、かつ、将来的に顧客になる確証もない相手の“机上の正論(らしきこと)”を真に受け、かつ、マスコミに載って「世間をお騒がせする」ってことになったので、とにもかくにも問題を沈静化したいという一心だけで、現に顧客であるサポーターの意向をいっさい無視して、「なんでもいいから幕引きを!」って処理をしたわけですよ。しょっぱい。事なかれ主義全体が悪いとはいいませんが、事なかれ主義によって、かえって問題が大きくなってしまったのだから、本末転倒。いやぁ、もう少し、全体のバランスに目を配って、近年は急速にマニュアル化が進んでいるクレーム処理技法を学んだ上で対処できなかったものですかねぇ・・・、ていうのが、この問題でワタクシが感じた最大かつ唯一の印象でございます。