カシマらない鹿島の圧勝でした〜ナビスコ決勝(10月31日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

帰りは、赤羽岩淵から赤羽まで徒歩移動する間にヘベレケになりました。ビバ1人飲み(ちなみに、数カ月前までは赤羽の住民だった)

■前半

いやあ、鹿島、強かったっすね。キックオフからフルスロットルで、圧倒的な鹿島ペース。「キックオフからフルスロットル」とか、いかにもデフォルトな表現、我ながら恥ずかしくてしかたない。機先を制したのは金崎夢生のポストワークと、反転してからの突破でしょうか。ファーストアタックは、鹿島からみて右サイドを金崎が制したことで発生したような。キックオフから30秒ほど。藤春と宇佐美の左サイド、攻撃で機能しなかったときには、なかなかのリスクですよね。

 

 

最初から最後までセカンドボール争いは、アントラーズが勝ち続けました。しかも、大差で。そこから、ガンバはバイタルエリア(って表現、最近はしなくなりましたかね?)を蹂躙されまくり。そこの現象だけみれば、まるで遠藤と今野という、元日本代表同士で構成されるWボランチコンビのディフェンスがスカスカだったみたいに映る。結論的には、Wボランチコンビが悪かったのではなく、もっと他に問題があったみたいなのですがね。

 

 

でも、近年のガンバの強みは、そういう中でも、しっかりと凌ぎきれるところ。なんだかんだで、前半の20分過ぎには、キックオフからのフルスロットルは一段落。これでガンバがペースを握り返せるのかな、と思いきや、それでも、どうにとこうにも、ガンバ守備陣のドタバタは止まらない。そこで長谷川監督は前半のうちにCBを交代させるという荒療治に出ます。期待を込めて起用された西野ですが、ほろ苦いものとなってしまいました。まぁ、気にするな。

 

 

でも、確かに西野から岩下に代わってから、落ち着きを取り戻したのですよ、ガンバは。西野と岩下の最大の相違は“クリアの質”ですかね。クリアをマイボールに出来るか出来ないかって、実は、メチャクチャ大きいのですね。それは単純にマイボの時間を長くできるってだけでなく、ヘンなところにクリアすると、CBがドタバタしていることがバレバレになってしまう。そして、そのドタバタがチーム全体に伝染してしまう。まさに、腐ったミカンの方程式。もちろん、西野を腐った選手と評価するつもりは毛頭ない。

 

 

 

■後半

後半になっても、ガンバは立て直しが上手くいきません。その要因は、もちろん守備陣にあるんでしょうけど、それに加えて攻撃陣も、あまり宜しくなかった。特に宇佐美。宇佐美も、個人としては悪くなかった。ボールを収めれば、まず相手に取られないですし、積極的に仕掛けてもいました。ただ、コンビネーション的な部分がもう一つでしたかね。守備でも機能しなかった宇佐美藤春コンビ。攻撃でも、翼岬にはなれなかった模様。

 

 

なんてことをやっているうちに、セットプレーならファンソッコに決められてしまいました。試合前から、「小笠原vs遠藤」としてクローズアップされていたマッチアップ。ともにプレースキックの名手ですが、その部分に限定すれば小笠原の完勝でした。そりゃMVPにもなるや。あれだけ、攻めあぐねながら、最終的には力ずくで相手ゴールを突き破ってしまった。しかも、石井政権下では、どちらかというと地味な役回りを余儀なくされたファンソッコが。鹿島、強いです。

 

 

鹿島の強さは、先制してから後に顕著でした。先制したのが、残り30分という微妙な時間帯。逃げ切るのか、追加点を狙うのか、迷う人は迷ってしまうシチュエーション。そこで、石井監督は、迷いなく、カイオと鈴木優磨という攻撃のカードを切る。2点目を狙え、と。あるいは、2点目を狙うことで、相手攻撃陣の総攻撃モードを腰砕けにしろ、と。まさに“攻撃は最大の防御”で、ガンバの反撃は腰砕けになりましたね〜、見事なまでに。

 

 

しかも、そこから、エースの金崎が追加点、ジョーカーとして途中投入されたカイオがダメ押し点。完璧な横綱相撲。鹿島といえば、劣勢でも勝負のツボを押さえながら、つまらないと揶揄されても勝者のメンタリティを見せつける、「カシマる」サッカーで有名ですが、この試合では、それとは全く異なる、最初から最後まで、相手を圧倒して寄せ付けないサッカーでタイトルを獲得しました。“らしくない”といえば、全く“らしくない”完勝、見事な優勝だったと思います。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

遠藤保仁

□推薦理由

近年の遠藤は、年々、守備の要のような性格が強まっているように思います。というのも、この選手が低い位置でボールを拾うと、かなりの高確率で前線の選手にボールが繋がり、守備のターンが終了になるからです。もともと1vs1の守備かうまかったり、あるいは、ガチンコの潰し合いでフィジカルの強さを発揮するタイプではないものの、正確なポジショニングとキックでチームの危機を救う守備のスタイル。一度、ボールを収めると取られないので、時間を作ることもできます。

 

 

それに加えて、この試合では、経験に裏打ちされた“読み”にますます磨きにかかっていた。例えば、前半、中村のシュートをヘッドでクリアしたシーン。ほんと、「よくそこにシュートが飛んでくると予測できたなぁ」ってなもの。それから、狙いすましたパスカットが尋常じゃない。2手先、3手先を読んで、「いっただきまぁす!」と言わんばかりに、余裕綽々でパスをカットしてしまう。もはや名人芸といって過大評価ではない。ハリルさん、見てますか〜。