好青年まみれ〜YSCCvs盛岡(10月17日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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今シーズン、盛岡の試合を見ていなかったので、ちょっくら横浜まで。

■前半

序盤の攻防は、予想に反するものでした。というのも、両チームとも苦戦しておりますが、それでも相対的な順位関係を整理した場合、盛岡が10位くらいなのに対し、YSCCは最下位独走中。12位はJ22なんで無視するとして、11位の藤枝とは勝ち点にして10も離れている。調べてみたところ、どうやらしばらくJ3からJFLへの降格はないらしいんですが、仮に入れ替え制度が発足していたとしたら、けっこうしんどい感じの成績です。

 

 

なのに、序盤の攻防では、圧倒的にYSCCが盛岡を押しまくってるじゃないですか!? YSCCは442というか4231というか、要するに424だったんですけど、そのアタッカー4枚が何度も何度も相手最終ラインと駆け引きをしながら、裏抜け一発を狙っている。かなり勤勉に動き回っていましたし、意思の統一も図れていた。「なんで、これだけちゃんとしてるのに勝ち点を取れないの?」ってところが、8月に見たときの金沢戦における水戸みたい。

 

 

とはいえ、前半も半ば以降になると、地力に優る(はず)の盛岡も押し返しはじめます。そのなかで目を奪われたのが左SBの井上丈。メインスタンドしか開放されていないので、メインスタンドで観戦したわけですが、その目の前を颯爽と上下動していた小兵選手。履歴を見てみると、若いのに苦労しているらしい。そういう経験があるからか、まぁ、好感度が高いんですよ。全力で基本に忠実なプレースタイルといい、学級委員系の風貌といい。

 

 

で、そうやって、少しずつ自分たちのムードを作り出しつつあった盛岡が、先制点を奪い取ります。松本が蹴ったフリーキックに益子が反応して押し込んだもの。それでビックリしたんですけど、ああいうセットプレーって、監督が「誰が蹴れ!」とか「こういうキックを入れろ」とかまで指示したりするんですね。J1とかJ2では観客数的になかなか耳に届かないんですが、監督さんの指示通りにやったら、まんまとゴールを奪えた。こういうのがわかるのが下部リーグの魅力だったりします。

 

 

 

■後半

後半に入ると、前半とは、少し趣の変化がありました。というのも、前半は縦ポン裏抜け一発で主導権を握ったYSCCが、パスサッカーにシフトチェンジしてきたのですよ。で、そういう地上戦だったら盛岡の方が得意分野っぽく思ったんですけど、ところがどっこい、地上戦に移行してからも、YSCCがイニシアティブを握り続けた。そうなんですよ、ちゃんと組織的なサッカーができているんですよ、YSCC。なのに最下位なのか。勝負事って残酷です。

 

 

ただ、「ちゃんと組織的なサッカーができている」とまで言ってしまうと褒めすぎかもしれません。というのも、かなり流動的なポジションチェンジを繰り返しながらも、最終的に数的優位を作れていなかったから。グアルディオラもよく言っているように、組織作りというものの目的は、数的優位作りにある。約束事でガチガチにするにしても、流動性を与えるにしても、要は、いかに数的優位を作るかってところにミソがある。YSCCは残念ながら、そこに至っておらず、ゆえに苦戦しているのでしょう。

 

 

組織として数的優位性を作れないとなると、必然的に手詰まり感が漂い出す。そのような状況を打開しようと思えば、そりゃもう、選手を入れ替えるしかない。ということで有馬監督は、おそらく切り札であろうと予想されるエルサムニー・オサマを投入します。ヴェルディ出身で、海外とかも経験した、あの選手です。なんか横文字な名前なだけで、とても“切り札”感が漂ってくる。んが、これで状況が好転するどころか、むしろ悪化したような印象がなくもない。

 

 

ウィキペディアを調べたところ、慢性的に故障を抱えているようですね。そういったことの影響もあるのかもしれませんが、いわゆるボックスストライカー的な動きしかできない。広汎に動き回ってボールを引き出すみたいなことができない上に、相手選手と小競り合いばっかりしていて、2回くらい審判から「コラコラッ!」って叱られておりました。いやぁ、頑張れオサマ。このままだと、阿部祐大朗みたく、永遠の「未完の大器」で終わってしまうぞ!

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

仲村京雅

□推薦理由

ジェフから育成型レンタルで加入している選手ですが、一般的には、2013年にU17日本代表の一員として活躍した印象が強いでしょうか。あのチームは、うんと割り切ってテクニック重視。なので、みんな、ちびっ子だった。そのチームの一員だったのだから、仲村京雅もそうとうミニマム系のフィジカルなんだろうと思っていたんですが、思いの外、中肉中背でした。165cm61kgと数字上はミニマム系なんですが、足が長いのと、わりと背負っても潰されない強さがありますね。

 

 

この選手の良いところは、なんといっても「好青年」なところ。本文中で述べた井上丈もビックリなくらいの好青年ぶり。なんせ、ちゃんと監督の指示を聞く。聞こえなければ聞き返す。指示内容が通じたら、サムアップポーズをする。さらに、試合の途中で、周囲のアタッカー陣にも、気付いたことなどをいろいろと指示を出す。チームの中でも年少に属すはずなんですけど、誠実に聞くべきことは聞いて、言うべきことは言う。親御さんのしつけが行き届いているからに違いない。