「水色ダービー」「新撰組ダービー」「新旧盟主ダービー」2014シーズンを振り返る・日本各地のダービー

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

■水色ダービー[横浜FCvs磐田(7月26日)]

皆さん「だいだい色」って知ってます? さすがにご存知ですよね、いわゆる「オレンジ色」です。でも、一方で本物の「だいだい(橙)」って見たことありますかね? ちなみに試みに「橙」で画像検索をかけたら、大変なことになってしまいました・・・(皆さんもお試しあれ)。同じように「山吹色」は分かりますかね? というか「山吹」ってみたことあります? ワタクシはあるんですね〜。ゴールデンウィーク秩父で見て、「ホントに山吹色だ!」とアホな感想を抱いた経験があります。

 

 

他にも、「色は知っていても、実物は見たことなくね?」ってのはイロイロありますよね、色だけに。例えば「オリーブ色」。オリーブを食べたことはありますし、オリーブ色の帆布カバンも持ってますが、オリーブ色したオリーブを見たことがない。その究極型が、小中学校のとき図工やら美術の授業で使った水性絵の具の「ビリジアン」。そもそも「ビリジアン」って何だ? 「緑色」では何がいけないんだ??と。

 

 

そもそも由来がわからないという意味では、この日、三ツ沢に乗り込んできたジュビロ。「サックスブルー」の「サックス」って何だ?(ちなみにサクソンな人々が染め物で好んだ色らしい)そして、磐田の水色が「サックスブルー」だとしたら、横浜FCの水色は何ブルーなんだ? ただの「水色」で良いのだろうか。そうしたら、なんだ、「サックスブルー」と「水色」の関係は、「ビリジアン」と「緑色」の関係ということで良いのか? なんだか解らないことだらけの水色ダービーでございました。

 

 

 

新撰組ダービー[東京Vvs京都(7月30日)]

ワタクシが学生だった頃には「歴女」という言葉はまだ存在してなくて、歴史好きは専らオトコで、その多くは「信長の野望」とかを愛好していました。ワタクシも何度か友人に借りてやりかけましたが、速攻で挫折した記憶があります。最近の歴女の皆さんは、「信長の野望」ではなく、「戦国BASARA」とか「戦国武双」の美少年に夢中らしい。そして、その「歴史上の人物が美少年として描かれていることで人気を博す」の決定版ともいえるのが「薄桜鬼」というゲームとのこと。

 

 

どうやら、この「薄桜鬼」、幕末を舞台としているらしい。幕末といえば寺田屋ですよね。その昔、伏見の酒蔵めぐりをしている道すがら立ち寄った経験があります。早く試飲がしたくてソワソワしていた記憶しかないですけど。京都の市内に行くと、チェーン店なのに、その店だけが異様に有名な「花の舞」がありますよね。池田屋事件で有名な池田屋のあった場所ってことで。新撰組に青春を捧げた乙女にとっては聖地らしい。そう、京都といえば新撰組なのです。

 

 

一方、東京ヴェルディヴェルディのホームタウンの一つに日野市がありますよね。そして、日野といえば、いつだったかの試合で「土方歳三資料館」の館長である土方愛さんがキックインセレモニーに登場したように、土方一族タウンでもあるわけです。あの辺は、ホント、「土方」という標識のお屋敷が軒を連ねている。というわけで、東京Vvs京都は「新撰組ダービー」そのものなのですな。

 

 

 

■新旧盟主ダービー[ベレーザvsINAC(8月2日)]

ベレーザINACの関係を象徴するのは、ズバリ、“澤穂希”。生粋の読売育ちの彼女は、海外経験を積み重ね、気がつけばINACの看板選手となっていました。澤穂希といえば、ここ20年に渡って「日本最高の選手」であり続けたわけで、即ち、澤穂希が所属しているチームが、日本最高のチームであり続けた。澤がベレーザに所属していた時代にはベレーザが日本女子サッカー界の盟主で、INACに籍を移して以降は、INACが日本女子サッカー界を牽引している。

ベレーザの強さの背景は、昔も今も変わらず「メニーナ」の存在、つまり、育成組織にある。そこはヴェルディと同じ。読売クラブ時代に培った圧倒的なノウハウで、次から次へと自前でタレントを生み出してきた。このあたりは、いち早くクラブチーム化したことによるアドバンテージが、なお有効に機能している。一時期、田崎ペルーレベレーザに肉薄しましたが、それも長く続かなかった。クラブとしての基礎体力の違いというか。

ただ、ペルーレと同じ神戸の地に、今度はINACというチームができた。ここは、それまでの女子サッカークラブとは一線を画していて、事実上の「プロ契約」なんですよね。殆どの選手が。いくら、育成が素晴らしくても、プロとアマチュアの差は埋まらない。生え抜き主義の限界と言うか、資本主義社会の現実が、現在のベレーザの相対的な地位低下に象徴されているわけですが、ともあれ、ベレーザINAC、この両チームが日本女子サッカー界の新旧盟主であることは間違いないところでしょう。