シュートまでの手数の差〜千葉vs熊本(7月26日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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ダブルヘッダー2試合目はジェフ対ロアッソギオンスタジアムからフクアリまでは、かなり遠いです。

 

 

■前半

え〜と、ロアッソのサッカーなんですけど、結論を述べれば、よく分かりません。特別にパスを繋ぎまくるとか、思いっきり割り切って縦ポンに徹するとか、そういう極端な部分はなかったように思います。敢えて、特に目立った点をあげるならば、「キックミスが多い」ということになります。パスミスではなく、キックミスというところがミソ。もちろんパスミスが多いんですけど、そのバリエーションが豊か。狙いすましたパスがずれることもあれば、イージーなパスミスもある。クリアのボールがヘンテコだったり、セカンドボールをマイボにするためのボールタッチがうまくいかないこともある。全体的に、ミスというよりも、「受け手のことを考えない、責任逃れっぽい鬼パスが目立つ」といった印象です。

 

 

ただ、守備は良かったですよ、熊本。巻・斎藤の2トップがメリハリのあるチェイシングで相手ビルドアップの自由を奪い、44の2ラインの統制も非常によく取れている。ラインを高く設定しつつ、真ん中に人数を割いて、強固なブロックを形成する。前半の千葉はシュートさえ打ててなかったですからね。

 

 

そして、果敢なハイプレスに悪戦苦闘していたのが富澤。なんだかキックオフからストレスフルにプレーしていましたけど、その積み重ねが、1失点目に直結するボール処理ミスをもたらしてしまいました。集中力が切れたような凡ミス。そして、それに慌てたGK高木が飛び出して交わされてしまうという失態までオマケで付いてきてしまった。ロアッソ齊藤としてはごっつぁんなゴールでした。

 

 

 

■後半

後半に入ると、デジャヴのようなシーンが現出します。ジェフが押せ押せのなか、カウンターから齊藤が超絶テクニカルなスーパートラップでキーパーとの1対1を作り出すと、再び高木が飛び出す。そして、まんまと交わされてしまう。千葉からすれば隙を突かれたというか、自滅したというか。

 

 

それでも関塚監督は裏抜けを試みる以外ほとんど機能していなかった安に代えてオナイウを投入し、反撃を仕掛けます。この采配はズバリあたって、オナイウがポストワークをこなすことで、一気に千葉の攻撃が噛み合うように。そしてオナイウのポストプレーから金井が右を切り裂きクロス。ペチュニクのシュートは弾かれるものの、それをオナイウが押し込んで1点差にまで追い上げます。

 

 

こここら、一気にギアアップ。千葉が攻め立てまくる。同点に追いつくのももはや時間の問題モード。だったんですけど、そんなノリノリ状態の千葉にキンキンに冷えた冷や水を浴びせかけるようなスーパープレーが飛び出します。ルーズボールをトラップすると、そのままノーバウンドでしっかりと芯を捉えた嶋田慎太郎のロングシュートが千葉ゴールに吸い込まれていきました。まさに、これぞ、気勢をそがれたってヤツ。これで勝敗は決したと言えます。

 

 

千葉の攻撃なんですけど、攻め込んでいる割に、どうも得点の匂いがしないんですよね。一言で述べれば、シュートが少ないのですよ。というよりも、ゴール前での手数がことごとく1つずつ余計。そんな人海戦術が敷かれた狭いエリア内で、ボールを落としても、潰されるだけですよ、と。確かにより体勢の良い選手に繋いだ方が確率は上がるんですけど、それは繋げられたら、という話であって、選手個々が判断しなければならないのは、「自分でシュートを打って決まる可能性」と「より確率の高い選手へのパスが成功する可能性」の比較なのですよ。そこの判断力が千葉の選手は全体的に未成熟なのかなぁ、なんて感じました。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

・中山雄登

□推薦理由

 

この試合においては、2ゴールを決めた齊藤や、だめ押しのスーパーシュートを叩き込んだ嶋田と比べて、何か特別な活躍をしたってわけではないのですが、攻守におけるインテンシティが非常に高い。攻撃で無駄走りができるのは言うまでもなく、前線でのチェイシングもサボらない。また、押し込まれた展開の中では、ちゃんと低い位置まで下がっていってディフェンスをするし、体力的に厳しい時間帯の、確率の低いカウンターの機会でも、ちゃんと駆け上がるんですよ。

 

 

現時点でこの選手が日本代表にふさわしいかどうかはさておき、代表的日本人フットボーラーとは言えそう。こういう勤勉でサボらず走り回るってのが、日本のサッカー選手のベタといえるわけで、こういう、日本人なら多くの選手が身につけることとなる特性を、ハイレベルで実践できる選手が結集する日本代表であって欲しいですし、そういうスタイルが定着していくことが、日本のサッカー文化にとっては必要なのかな、と考えます。