「石川の場外弾」「柿谷君の憂鬱」「闘莉王」2014シーズンを振り返る・選手の群像編

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■石川の場外弾[柏vsFC東京(3月1日)]

ワタクシのように地方の田舎で生まれ育った人間にとって、少年時代の思い出といえば、例えば、夏休みに近くの雑木林にカブトムシを取りに行ったり、川でザリガニを捕まえたりってのの他に、年に一回、オープン戦で巨人がやってくる、というものがありました。FA導入以降、すっかりアンチプロ野球、というかアンチ巨人になったワタクシも、団塊ジュニアらしく、団塊の影響のもと、野球少年だったりしましたので、心をときめかせて親に連れて行ってもらったものです。

 

 

で、地方球場でのオープン戦における最大の見せ物というのは、なんといっても場外ホームラン。狭いですからね。多くの場合。地方の方が地価は安いはずなんでデカい球場を作ろうと思えば、相対的に楽チンなはずなのですが、まあ、分不相応という認識があるんですかね。狭い。一方、我らがサッカーの場合、スタジアムが狭いというのは、絶対的にプラス要素となります。ピッチの広さが決まっていますので、狭いということは、「ピッチとスタンドが近い」ということを意味するからですね。要するに「サッカー(球技)専用スタジアム」ということになる。

 

 

しかし、競技は違えど、狭いことによる影響は同じように出たりもする。そう、場外ホームランが出るのですよ。ただし、サッカーでの場外ホームランというのは、「シュートを思いっきり明後日の方向に飛ばす」ということですけど。そんな、ホームランバッターが、この日、日立台に現れたのです。その名も石川直宏。試合前の練習時に、それはそれは見事な場外ホームランを見せつけてくれました。それに反応して、ハシャぐFC東京サポ。そのFC東京サポに手を振って応じる石川直宏。専用スタジアムならではの醍醐味と言えるでしょう。

 

 

 

■柿谷君の憂鬱[浦和vsセレッソ(5月17日)]

この記事がアップされるのは2015年のはずなんで、その頃に柿谷が、どこでどんなプレーをしているかはわかりませんが、2014シーズンのワールドカップ前というのは、柿谷とフォルランの夢コンビを話題をさらっておりました。ただ、なかなか柿谷にゴールが生まれず、「不調なんじゃないか」なんて言われていたりもして。ワタクシも「大丈夫かな〜」とか思っていたのですが、実際に試合をみると、自分の考えがいかに皮相であるかを反省させられました。

 

 

柿谷が点を取れなかったのは、彼個人が不調だったからではなく、構造的な問題だ、と。ワタクシが見たこの試合限定の話かもしれませんが、この日、書き込みは541のシャドーに入っておりました。で、このポポビッチ式541は森保式と同じでシャドーは守備のときサイドに開かなければならない。また、ゲームメイクについても一定の役割を与えていたらしく、攻撃に移ったとしても、低い位置にとどまることが多かった。これでは、そもそもシュートを決める作業に費やせる集中力が限られてしまいます。

 

 

やはり、どちらかといえばタイプの似ているフォルランと柿谷の両立は、なかなか難しいんだろうなぁと感じたのです。もちろん、この時点におけるポポビッチの仕事には不満もあったでしょうが、責任を監督個人の資質に押し付けるのは、少し可哀相かな、と。例えば、その昔、セレッソには「西澤・黒部問題」というのがあったと思いますが、それに似ていましたよね。同じタイプだから、本来、併用すべきではないのだが、併用しないと、フロントやサポーターから文句をいわれる。だから無理やり併用するんだけど、当然のことながら、上手くいかない。ポポビッチ的には「勘弁してくれよ!」って感じだったかもしれません。

 

 

 

闘莉王[大宮vs名古屋(5月21日)]

惜しくも母国でのワールドカップ出場は叶いませんでしたけど、いまなお田中マルクス闘莉王Jリーグ屈指のCBであることに異論はないでしょう。スタイル的にザックには合わなかったんでしょうが、技量は衰えていません。技量も衰えてませんが、それ以上にメンタルが全く衰えてない。これについては“良くも悪くも”ですけど。いやぁ、相変わらず熱い。納得のいかないジャッジがあると・審判に対しても遠慮なく「ふんがー」って、食ってかかる。

 

 

どうやら正当なチェックと思ったのがファールを取られたのに我慢がならなかったらしく、自分がどうやって相手にカラダを入れたかを審判に対して実演する。遠目から見ていると「ドスコイ!ドスコイ!!」ってやっているようにしか見えないわけですが、当然、審判はスルー。収まらない闘莉王は相手の渡邊大剛に対しても「ドスコイ!ドスコイ!!」ってやりはじめる。そりゃ、渡邊大剛としても小首を傾げるしかないってもんです。

 

 

この日の闘莉王の熱さは、それどけに止まらない。セットプレーのチャンスでマークしてくる菊地と小競り合い。菊地も引きませんから、闘莉王さん、ブチギレちゃう。「トオー」とかやっちゃう。闘莉王の「ドスコイ!ドスコイ!!」にはスルーしていた審判さんも「トオー」は見過ごせません。「こらあ〜」ってなわけでイエローカードを提示。当たり前ですね。いやあ、闘莉王は、いつになっても闘莉王なのですな。