「代表でのメッシは損な役回りなのかもしれない」ってな試合【コパ決勝】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■チリ 0 vs 0 アルゼンチン[コパアメリカ決勝 07月05日]

両チームには共通点と相違点がありましたね。まず共通点ですが、攻撃において明確なスイッチがあるところが共通していた。チリについては、近年の南米セカンドクラスの代表チームにおけるトレンドともいえるかもしれませんが、ボール奪ったら、すぐにスペースを見つけ出し、そこにボールを出して一気に攻める。つまり、相手からボールを奪った瞬間が、イコールでスイッチとなる。

 

 

一方のアルゼンチンのスイッチは、ご存じメッシ。マスチェラーノあたりがボールを持つと、中盤で丁寧にボールを回しつつ、メッシがボールを受けられる状況が発生次第、メッシに入れる。そしてメッシが前を向いてボールを持つと、それがシグナル。アタッカー陣がペナルティエリアに向かって一気に走り出すわけです。つまり、共通点は明確なスイッチがあること、そして相違点は、スイッチを入れるタイミング。カタチを作る前にスイッチを入れるのか、それなりに整序してから入れるのか、っていう違い。

 

 

というか、メッシってアルゼンチンでは、フィニッシャーではなく、お膳立てをする係なんですね。ブラジルWCでも、そんな感じだったと記憶していますが。バルサだと、彼のスーパーをシュートで表現するようコーディネートされていますが、代表ではどちらかというと、中盤からのパスを受け、そのスーパーで局面を打開し、そしてアグエロとかイグアインとかにラストパスを出すよう期待されているようなイメージ。

 

 

FC東京に例えて言うならば、バルサにおけるメッシは武藤の役割で、アルゼンチン代表におけるメッシは河野の役割を担っているようなイメージ。一般的に例示というのは相対的にマイナーな事象を、よりメジャーな事象によって説明するという表現工夫ですが、果たして、メッシの役割をFC東京に例えるというのは例示という機能として適切なのか否かは心許ないところ。ともあれ、そういう印象です。

 

 

で、たぶんメッシはバルサにおいても、アルゼンチン代表においても、同じだけの仕事量をこなしているんだと思うのですよ。守備の時やオフザボールにおいてタラタラタラタラ歩いているマイナスを補って余るだけの仕事量を。で、バルサの時みたく、それがフィニッシャーとしてゴールというカタチで表現されるならば、多くのファン・サポーターも納得するんだと思うのです。

 

 

でも、代表の時みたいに攻撃のスイッチャーとしての役割だと、得点という誰の目にも明らかなカタチでの貢献ではないですから、どうしても批判に晒されてしまいがちなのではないかと。つまり、「メッシは代表だとダメ」なんて言説が飛び交いがちなのは、「メッシのパフォーマンスが低調」だからでなく、「メッシのパフォーマンスが伝わりづらい」からなのではないか、なんてことを考えたりした決勝戦でした。ちなみに勝負はPK戦を制したチリに軍配が上がりました。