球技の本質が見えた試合〜湘南vs新潟(6月20日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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年に一回くらいははるばる平塚まで行ったりするのです。

■前半

 

なんだか、すっかり定着しましたね、3421。90年代の3バックブームが過ぎ去ってから、一時期は3バックという単語を聞いただけで、「ばっかじゃないの〜」って反応を示す、自称「オレはサッカーに詳しいぜ!」って人々が大量発生しましたけど、少なくとも我らが愛する日本のプロサッカーリーグにおいては一定の合理性を持つシステムとして位置付けられるようになったらしい。

 

 

で、この試合では湘南も新潟も3421のミラーゲームだったわけですが、一方で、対照的な部分もありまして、それは両チームのトップですね。新潟の場合、3トップの頂点に指宿が君臨していて、良くも悪くも存在感を示していたので、ついつい戦術指宿になりがち。一方の湘南は、それを頂点というのかどうかはともあれ、並び的には山田直輝が3トップの真ん中に配置されている。

 

 

それはつまり、「苦し紛れのロングボールを前線に放り込むなんてことはしませんよ」宣言ということになろうかと思います。湘南は、ハイプレスでボールを奪うと、そこから一気に人数をかけて相手ゴールに雪崩れ込んでいくスタイルですから、ドリブルとか、縦へのグランダーパスが多くなる。ミソはオシムサッカーばりに、ボールに合わせて次から次へと選手が湧き出すように押し寄せるところ。

 

 

湘南が前半にあげた先制ゴールは、その湘南スタイルのエッセンスが凝縮されたかたち。遠藤がドリブルで突っかけるところから始まった攻撃は、相手が何度クリアしても、ルーズボールを回収し、二次攻撃、三次攻撃を畳みかける。そして、最後に決めてみせたのは、最終ラインの三竿ですからね。いやあ、湘南の面目躍如といった得点でした。

 

 

 

■後半

 

ところが、サッカーとは恐ろしいもので、ハーフタイムを挟んで、一気に形成が逆転したりする。アルビレックスの柳下監督は、後半の開始とともに、成岡とラファエルシルバの2枚を同時に投入し、打開を図る。そしてその采配がズバリ的中する。

 

 

まず存在感を示したのは成岡。ボランチとして起用されると、ベテランらしくツボを押さえたゲームメイクでタクトを振るう。同点ゴールは成岡の強気なクサビのパスからの流れで、最後はもう一人のボランチである加藤が決めたもの。あそこでクサビを入れられるところが百戦錬磨のスキルです。

 

 

そして、逆転ゴールは、成岡とともに投入されたラファエルシルバが決めたもの。起点は加藤のドリブル突破。この時間帯の加藤はノリノリでしたね〜。スターを獲得したスーパーマリオ状態。もちろん、決めたラファエルシルバも良かった。前半からサイド、特に左サイドではコルテースが優位性を作り続けていたんですけど、後半はラファエルシルバが同じサイドに流れることで、入れ替わり立ち替わり、湘南の右サイドを蹂躙していました。

 

 

湘南としても、高山をサイドに回したり、古林を投入したりして右サイドの攻防を盛り返そうとするんですけど、一度、リズムに乗ったブラジル人コンビを食い止めるのは、そうそうたやすいことではない。追いかける立場になったキジェ監督は、大竹や藤田を投入し、さらに遠藤と菊池のポジションを入れ替えて巻き返しを図るのですが、そこは球技の恐ろしさ。球技というのは総じて流れが全てを支配する。流れという名の神の思し召しがアルビレックスに味方すると、不思議なことにルーズボールは全て新潟の選手の足元に転がっていく。あれだけ小気味よかった湘南のダイレクトパスがことごとくミスとなる。こうなったらお手上げです。終盤にだめ押しゴールを決めた新潟が31で湘南を下しました。

 

 

 

■日本代表への推薦状

 

□推薦者

遠藤航

 

□推薦理由

なんだかんだで湘南は良いチームですよね。何が良いって、遠藤とか菊地大介とか永木とか、「湘南といえば、この選手だよね」って選手が複数いる。中でも注目を浴びているのは、リオ世代の遠藤航。別にワタクシが推薦しなくとも、ほっとけばフル代表に絡んでいくことになるでしょう。

 

 

ワタクシはプレー経験がないので、守備の上手い下手はよくわからない。だから、基本的に攻撃の部分に目がいくのですが、遠藤はアンカーないし最終ラインの選手でありながら、攻撃でも光ります。この試合では、新潟がキッチリとバイタル真ん中を固めてきた。なので、基本、中央突破な湘南スタイルとしては、かなり攻め倦ねておったのですが、そこのブロックを崩して先制点を導き出したのが、この選手のドリブルですからね。最終ラインの選手がドリブルで相手守備ブロックにスクランブルを起こせるというのは、チームにとって大きい。まぁ、繰り返しになりますけど、ほっといてもフル代表に絡んでいくことになるのでしょう。