ワールドカップ各国分析〜ポルトガル編【グループG】

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ザックジャパンコートジボワール相手に初戦を落とした瞬間、多くの「(自称)サッカーに関心のある」日本人にとって、ブラジルワールドカップの記憶は風化を始めたわけですが、一応、ワタクシはWCの全試合を録画を中心に見ました。で、その各試合のレポは少しずつ「ワールドカップTV観戦記」としてアップしておりますが、それと並行して、「ワールドカップ各国分析」もアップしていこうかなと思います。1週間に1カ国とすると、コンプリートするのに8ヶ月、2015年の5月、完全に皆さま「とっくにそんなこと忘れたよ!」って時期になってますけれども・・・。

というわけで、今回は、決勝トーナメント進出を期待されながらも果たせなかったポルトガル

□戦術

ポルトガルの戦術は、いたってシンプル。なんせクリスティアーノ・ロナウドという、世界最高峰のアタッカーを擁しているわけですから、「いかに、その武器を活かしていくか」ってところに行き着く。それは誰が監督をしても同じでしょう。最終戦こそ442でしたが、基本的にはアンカーを置いた433にして、しかもトップ下を空けておく。で、「そのスペースを、どうぞお使いください、クリロナさま!」ってな動きを組織として繰り返す感じ。

 

 

もっとも最終のガーナ戦は442を採用した上、ベローゾを左SBで起用してきた。このベローゾの左SB起用は、なかなか良かったですね。例によって前半は「手数をかけずクリロナ」って感じではあったのですが、それでも、スルスルスルと気がつけば34回に渡ってオーバーラップしていました。この機を見る状況判断が優れていましたし、しかも、相手のOGを誘発する精度の高いクロスなんかを送り込んだりしていましたので、大活躍でした。

 

 

クリロナ

ともあれ、クリロナですよ、クリスティアーノ・ロナウド。このクリロナも、なんかワールドカップとかユーロとかでの本番運がないですよねぇ。これはポルトガルという国の国民的伝統なんでしょうか? 思えばフィーゴ・ルイコスタ・ヌーノゴメスといった黄金世代も、結局、最後まで大舞台での栄冠には手が届かなかったですし。7割方、手が届きかけていながら、ギリシャに負けるかねぇ、みたいなこともありつつ、無冠のまま黄金世代は去って行った。

 

 

そんな黄金世代と同じ匂いをクリロナからは感じたりもするのですが、それはさておき、クリロナさんの走り方って、面白いですよね。腕(肘)を伸ばしたまま走る。しかも、尋常でない加速度で走る。この「肘が伸びて,尋常でない加速度」ってところを見ていると、ついついBダッシュを思い浮かんでしまうのはワタクシだけでしょうか? きっとクリロナがヒゲを蓄えて赤とか緑の帽子をかぶれば、キノコやカメなんて怖くないに違いないのですな。

 

 

□ナニ

クリロナが表の主役とするならば、ポルトガルの裏の主役はナニでしょうか。というか、むしろナニの方が全体をトータルで見れば活躍していたような感がなくもない。思えば、「むしろ、ナニ」って印象は前回の南アフリカ大会でも感じたような。前回大会で感じなかった印象といえば、「見た目がグスタボに似ているなぁ」ということくらい。といってもナニの雰囲気が変わったということではなく、南アフリカ大会の時にはグスタボのことを知らなかったからなんですけどね。

 

 

話を元に戻すと、ナニの何が良いかって(別に「ナニ」と「何」をかけたわけではない)いうと、一言で表現するなら岬君的献身ということになりましょうか。クリロナという翼君の存在を前提として、「主役並の脇役」をやり遂げる。泥臭く守備とかしますし、走り回りますし。ポジション的にも、クリロナがやりやすいよう気の利く動きをします。ガーナ戦では一時的にトップ下までやっていましたし、なぜファンハールは、この人を使わなかったのだろうか??