残酷な現実〜ノジマステラvs福岡アンクラス(5月30日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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なでしこリーグについては今シーズン初めて。ノジマステラの試合に赴きました。もちろん田中陽子を見るために。

 

■前半

 

よく知らないチームを観戦するときの鉄則、それはフォーメーションの確認です。この両チームは、なかなか確認が難しかったのですが、福岡は3322でしたかね。最終ラインに3枚いることが多くて、かつ、アンカーが置かれていたような。

 

 

対するノジマは、アンカーを置いた中盤逆三角形の433のように見えましたが、後半は田中陽子がほぼほぼ2トップの一角にいるような感じでしたので、スタンダードな4231だったのかもしれません。中盤は2番の吉見と田中陽子(20番)と10番の大宮選手の3人。「2番と10番と20番か、2×10=20だなぁ」なんて思って眺めながら、「田中陽子が左のインサイドハーフ、右が2番吉見でアンカーに10番大宮かなぁ」と解釈したんですけど、吉見と大宮が縦関係のWボランチだったのかも。

  

  

試合内容はひたすら一方的。ノジマがサイドを蹂躙しまくって決定機を量産。福岡は防戦一方で這々の体になりながらも、どうにかこうにか水際で失点を食い止めていましたけど、それも前半の30分過ぎまで。福岡守備陣のクリアミスに巧みにつけこんだ19番南野が右足を一閃して先制点を奪うと、前半のロスタイムにはなぜかドフリーになっていた田中さんが易々と押し込んでリードを広げます。両チームの実力差を考えると、事実上、勝敗の行方は前半の内に決してしまったといって過言でないでしょう。

 

 

 

■後半

 

後半に入ると、試合は完全に壊れてしまいます。結論から先に述べれば、最終的なスコアは「10ー0」です。得点経過を簡単におさらいすると、3点目は19番の南野がヘディングで決めた、この試合2ゴール目。4点目は混戦から2番の吉見が押し込んだもの。で、19番南野がミドルを突き刺しハットトリックを達成したのが5点目。そこから17番の小林と20番の田中さんが続けざまにロングシュートを決めて6点目と7点目となり、陽子さんはさらに混戦からもシュートを流し込み、南野に続いてハットトリック達成。これが8点目。終盤には18番の川島がキーパー交わして9点目を決めると、最後は田中さんのアシストに9番尾山が合わせて3トップ揃い踏みとなる10点目を奪いました。

 

 

こういう展開ですから、ノジマは余裕の采配。なんと公式戦であるにもかかわらず、試合途中にケガなどとは無関係にキーパーを交代させました。高校サッカーの県予選とかならともかく、こういう交代はなかなか珍しい。福岡からしてみれば屈辱以外の何ものでもないのでしょうが、現実として受け入れないことにはしょうがない。

 

 

実際問題、両チームには随分と差があった。それを端的に象徴するのは、前半に福岡の監督さんが選手にハッパをかけるべく大声で発した指示。それは、「身体キツくても声を出せ!」というものでした。これが後半の残り20分とかで出てくるのならばわかるんですけど、まだ前半だというのに「体力的にはキツいだろうけど」というのでは厳しい。この言葉だけで判断してはいけないのでしょうが、そのまま素直に解釈するならば、福岡の選手たちは30〜40分しかスタミナがもたないということです。

 

 

もちろん、それは福岡の選手たちが怠惰であるとか、そういうことではないでしょう。おそらく、それが女子サッカーリーグ2部の現実。つまり、プロ契約であったり、スポンサーによる労働環境面での協力がないクラブの選手というのは、基本的なスタミナ作り、体力作りでさえ、なかなかままならないということなのでしょう。それがアマチュアリーグの現実であり、比較的恵まれているであろうノジマとの労働環境の格差が、そのまま反映したのが10ー0という結果なんだと思います。

 

 

 

■日本代表への推薦状

 

□推薦者

・吉見夏稀

□推薦理由

ホントは田中陽子推したいんですけどね、ルックスも含めて。でも、もはや日本の女子サッカーは世界の強豪。世界の一流どころとやりあっていかないといけないので、宮間クラスの飛び抜けたレベルに至らない限り、小柄なテクニシャンに中盤の真ん中を委ねるのは難しい。現状のプレースタイルでは、究極のところまで質を向上させないと、なかなかお呼びがかからないと思います。

 

 

その点、同じく中盤に入っていた吉見は良かったです。臨機応変なポジショニングで攻守にアクセントとなっていたんですけど、それを可能にしていたのは、そのフィジカルです。フィジカルモンスターってほどではないですけど、田中明日菜くらいの強さはあるかと思われます。シンプルなプレーでこねくり回さないのも好印象ですし、ロングキックの精度次第では阪口夢穂の後継者になれる可能性もなくはない!