「十年一昔とは言うものの・・・」ってな試合【バイエルンvsバルサ】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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バイエルン 3 vs 2 バルセロナ[CL準決勝2nd 05月14日]

この試合のバイエルンのフォーメーションって、画面を通して確認できる範囲では、シャビアロンソがアンカーで、少し前にチアゴアルカンタラ、ミューラーがトップ下で、その左右がラームとシュバインシュタイガーって感じでした? 昔々のワールドカップで、右SBにラーム、左SBにシュバインシュタイガーって大会があったような記憶がありますけど、それがそのまま一列あがったようなイメージ。シュバインシュタイガーがサイドするのって、今シーズンは普通だったんでしょうか??

 

 

それからシャビアロンソが、けっこう専守防衛っぽかったですね。これはグアルディオラの指示と言うより、相手関係によってそうなっていただけかもしれませんが、基本、最終ラインの少し前で左右に動き回って防波堤になるというか、防波堤の綻びを埋め合わせる役割。一昔前には、こういうポジションのことをフォアリベロと呼んでいたような気がしますけど、その頃はあまりサッカーに関心がなかったので、当時のフォアリベロとこの日のシャビアロンソが同じ役割なのかどうかは不明。

 

 

試合内容は、まずラッキーパンチ的にコーナーキックからベナティアがヘディングシュートを決めてバイエルンが先制する。でも、すぐにバルセロナが同点に。メッシの縦パスに反応したスアレスがクロスを折り返し、ネイマールが詰めたもの。3トップの躍動感がハンパない。特に、本来の看板であるメッシじゃないネイマールスアレスがこの試合では輝いた。勝ち越しゴールは跳ね返りのボールに反応したスアレスが独走して、ネイマールにアシストをプレゼントしたもの。バルセロナだと、ウルグアイの英雄やブラジルの歴史的クラッキでさえも「じゃない方」にカテゴライズされてしまう。恐ろしや、恐ろしや。この3人を同時起用しようとすれば、このサッカーしかなさそうですね。

 

 

もちろんバイエルンバイエルンで意地を見せる。1stレグを含めてほぼほぼ完封されていたレバンドフスキがしなやかな身のこなしでマスケラーノを交わして、この試合における同点ゴールを流し込み、後半も30分になろうかというところでミュラーがお手本のようなミドルを突き刺して、この試合のスコアでは逆転しました。2戦合計では余裕のよっちゃんでしたから、22の時点まではバルサも往年のベップバルサを彷彿させるようなパス回しを逃げ切り用に発動して、悠然と時計の針が進められていきましたが、23になってからは割とバタバタします。そこまで追い込むところは、さすがバイエルンの底力。でも、とはいえ3点のビハインドをひっくり返すのはしんどい。バイエルンの猛追をしのぎきったバルセロナが決勝へと駒を進めたとさ。

 

 

 

それにしても世界のサッカーのトレンドは、あっという間に変化していく。少し前なら、バルセロナというのは世界を席巻したティキタカの総本山で、現在のバイエルンを率いているグアルディオラは、その創始者ともいえる指揮官だったはず。それが、いまや、一方は3トップの個人技を最大限に生かすショートカウンター風の堅実なサッカーを展開し、もう一方は、それなりにスターティングポジションを遵守しながらロングパスを多彩に織り込んだサッカーへと転換を遂げつつある。

 

 

ティキタカの傾向と対策が一定の成果をみせて、時代の変化をおぼろげながらも実感できたのは、2014夏のブラジルワールドカップにおけるスペイン代表の惨敗。それから僅かに1年。それで、早くも総本山なり創始者ですら、すでに新たな方向性のサッカーを実行してしまっている。日本だと、サッカーに限らず社会全体の特性として、これだけ早く時代の変化には対応できませんよね。ついつい未だに亀山モデルの液晶にこだわってしまいますし。日本人の場合、トレンドに素早く対応するのは民族的遺伝子の次元で苦手としているので、愚直に我が道を進むしかないなぁなんて、両チームの変貌を見せつけられて感じてしまいました。