要所要所に槙野〜浦和vsガンバ(5月2日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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ゴールデンウイークど真ん中の、それはそれは麗らかなお昼でございました。

 

■前半

 

長谷川さんが監督に就任して以降、西野時代とは打って変わって、守備力と試合運びをストロングとするチームになったガンバ。ミソは、「まずは失点しない」と「攻めるときは攻める」の使い分け。視角を変えて表現するならば、「あまり肩に力を入れすぎない」ということ。それに関して思うのは、「こういうサッカーができるのも、かなりの部分で遠藤のおかげなのではないか」ということ。というか、現在のガンバの脱力系サッカーと遠藤って、とっても相性が良いように思います。

 

 

例えば、ガンバが攻め込まれたとき。ここ数年、そういう時にこそ遠藤の存在感が際立つ。押し込まれても浮き足立たず、ゆっくりゆっくりプレーして、その背中でチーム全体を落ち着かせてしまう。ボールを取られない自信があるから、異様にゆっくりとしたプレーが選択できる。それでチームが落ち着きを取り戻す。今のガンバはこれまで以上に遠藤のチームです。

 

 

「落ち着きを取り戻す」といえば、なんだかんだで槙野も、そういう配慮ができますよね。この試合の前半、セットプレーのときにガンバGK東口がボールをキャッチしたんですけど、そのときの槙野、いかにもわざとらしく、「不用意にボールを扱ったら、かっさらってしまうぞ!」ってポーズを東口の背後でしていた。これは数試合前の清水戦のとき、それで東口がまさかのプレゼントゴールを献上してしまったことを受けての、いわば悪ノリあるいはウイットで、東口も苦笑いしながら槙野の頭をポンポン叩いていたのですが、案外、思慮深いプレーだったのではなかろうか。というのも、この時間帯、少し両チームにラフプレーが目立っていて、ヒートアップ気味だったんですね。この悪ノリプレーは、そういう過緊張状態をクールダウンさせるって意図があったように感じました。

 

 

 

■後半

 

Jリーグきっての強豪対決ですから、試合は後半に入ってもグダグダにはなりません。むしろ、ますます実力伯仲のシバきあいという様相を濃くしていく。どちらも継続的に強化してきたチーム同士ですから、チーム戦術が成熟している。畢竟、詰め将棋のような展開となっていくわけです。どちらかといえば浦和がポゼッションしていましたが、ガンバもしっかりとそれを受けきる。どちらかがミスをして攻撃が途切れるのではなく、一方のパス能力と、もう一方のパスカット能力が正面からぶつかり合うといった流れ。いやぁ〜、見ていてエキサイティングでした。「これが、ジャパニーズフットボールリーグの頂上決戦じゃい!!」ってなもの。

 

 

勝負を決めたのは残り10分くらいってタイミングで決まったズラタンのゴール。攻撃の起点として献身的な働きをしていた途中出場の李がボールをカットすると、そこから左へ左へと展開。最後は宇賀神のクロスにズラタンが合わせるという見事な得点でした。

 

 

でも、勝敗を分けたのは成熟したアタッキングのコンビネーションではなく、ここ一年ちょっとで急激に強度を増している守備陣の奮闘でしょう。特にパトリックを潰し続けた槙野の働きには瞠目させられました。フィジカルモンスターであるパトリックに対応すべく、一歩ずつ先にモーションに入っていた。この守備のやり方だと、少しでも早すぎると空振りしてしまって決定的なピンチを迎えかねないのですが、この試合の槙野はパーフェクトでした。何かのインタビューで「信じてもらえないかもしれませんが、いまの自分のセールスポイントは守備です!」と豪語していた槙野。その言葉に恥じないだけのディフェンス能力を披露していたと思います。

 

  

  

■日本代表への推薦状

 

□推薦者

大森晃太郎

 

□推薦理由

この選手はハリルJapanで予備登録されたんでしたっけ? 倉田や阿部とのハイレベルなレギュラー争い真っ只中ですから、バリバリのレギュラーって感じではありませんけど、良い選手です。何が良いって、ハードワークができるところ。「運動量豊富に動き回る」という意味でのハードワークができるというだけなら、他にもせよ何人かの名前が思い浮かびます。ただ、肉弾戦も厭わずカラダをはれるという意味のハードワークを実行できる選手は貴重です。

 

 

また、長谷川さんのもとでは専らSHとして器用されていますが、前線に入っていくって動きも淀みない。ガンバの場合、宇佐美が自由に動いていて、頻繁に中盤にまで下がっていく。そうなると必然的に最前線に人数不足が発生するわけですが、そういうときにすかさずエリア内に入っていく。ハードワークができて、かつサイドハーフながら、同時にストライカーの役割も担う。そう、プレースタイルが岡崎慎司なのですよ。いまや岡崎もワン&オンリーになりつつありますが、そのバックアップとして大森は最適なのではないでしょうか。