ワールドカップ各国分析〜ウルグアイ編【グループD】

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ザックジャパンコートジボワール相手に初戦を落とした瞬間、多くの「(自称)サッカーに関心のある」日本人にとって、ブラジルワールドカップの記憶は風化を始めたわけですが、一応、ワタクシはWCの全試合を録画を中心に見ました。で、その各試合のレポは少しずつ「ワールドカップTV観戦記」としてアップしておりますが、それと並行して、「ワールドカップ各国分析」もアップしていこうかなと思います。1週間に1カ国とすると、コンプリートするのに8ヶ月、2015年の5月、完全に皆さま「とっくにそんなこと忘れたよ!」って時期になってますけれども・・・。

というわけで、今回は安定と実績のウルグアイです。

 

 

□伝統のガテン系

ウルグアイの象徴といえば誰か? スアレスでしょうか? 確かにいろんな意味で「ウルグアイといえばスアレス」ではあるでしょう(後述)。フォルランですか? 確かにすっかり日本のサッカーフリークには身近な存在となったレジェンドですから、一面で、フォルランウルグアイの象徴といえるでしょう。しかしですね、ワタクシとしては、マキシ・ペレイラとかアルバロ・ペレイラとかクリスティアン・ロドリゲスとかアルバロ・ゴンザレスとかを挙げたい。

 

 

何も、「ゴンザレス」とか「ロドリゲス」といった名前がベタな南米だと言いたいわけではありません。少しはそういう要素もありますが、それよりも彼らが“ウルグアイの象徴”なのは、中盤のハードワークこそウルグアイサッカーの神髄だからです。ウルグアイといえば中盤とサイドバックが“ガテン系”でなければならない、それを体現しているが、「ペレイラ」であり、「ゴンザレス」であり、「ロドリゲス」なわけですよ。ウルグアイに中盤に必要なのは、全盛期の遠藤ではなく、山口蛍であり、米本拓司なのですね。

 

 

スアレス劇場

そうはいっても、今大会のウルグアイといえば「スアレス」なわけですよ。いやぁ、噛みつきましたねぇ。審判の目は誤魔化せても、ハイビジョンカメラは誤魔化せないぞ、と。しかも、その後に口を押さえちゃってる。なんじゃそりゃ。なぜ噛んだ方が、痛そうな演技をしているんだ。なんだか、時期的な重なりも含めて、泣き叫びながら弁明しつつ、耳の前に手を置いて報道陣の問いかけに耳を傾けている、あの県会議員と重なって仕方がない。完全にネタキャラ化しました。

 

 

それにしてもスアレスって、悪童ですよね。日本人にとっては、西郷どんのイメージもあって、「眉毛の太さ=純朴」という構図でついつい捉えてしまうのですが、スアレスに関していえば、その構図では解釈できませんね。他にウルグアイで眉毛が太いと言えば、レコバ。彼も、「純朴」って雰囲気ではなかったですね。ウルグアイでは「眉毛の太さ=奔放さ」という構図なのでしょうか。真面目なフォルランの眉毛は特別に太いって感じではないですし。

 

 

スアレスの存在

そんなスアレスですが、結局、ウルグアイってスアレスのいる試合では勝ち点を得られて、いない試合では負けてしまったのですよね。というのも、ウルグアイって、ある意味イタリアと通底する守備サッカーだと思うのですよ。カテナチオウルグアイの相違は、前者が“組織で守る”のに対し、後者が“気合いで守る”ってところにあると思いますが、ガツガツに守るという意味では、本質的な部分では通底しているのではないかと思われるのです。

 

 

その結果、否が応でも攻撃に多くの人数は割けなくなる。要するに2〜3人で攻めるわけです。それゆえ、そのサッカーで得点を奪うためには、前線に“圧倒的な個”が必要となります。ただ、どうやら、その“圧倒的な個”は一人では足りないらしい。ウルグアイにはスアレスだけでなくカバーニもいますけど、彼一人ではいかんともしがたかった。フォルランももはやトップフォームではないですし、要するに“圧倒的な個”がカバーニスアレスの2人しかいなくて、その2人が揃わないと勝てない、それが今大会のウルグアイだったのではないでしょうか。