基本的には琉球優勢でした〜藤枝vs琉球(3月22日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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暇人ですな。わざわざ藤枝まで行って参りました。

 

■前半

 

中学だったかの数学の授業で習いましたよね、2の3乗が8で、4乗が16だと。必然的に8に2をかけると16。つまり8の倍が16。藤枝の右サイドは8がSBで16がSH。この右サイドからの崩しが藤枝の武器になっていました。尤も、右サイドが武器というよりも、右サイドしか活路がなかったといった方が正確でしょう。前半から試合を支配していたのは琉球でした。琉球の特徴は縦への推進力。とにかく速かった。

 

 

薩川監督率いる今年の琉球は洗練されています。簡単に表現するならば、ここ10年弱くらいのJリーグにおけるトレンドともいえるハイプレスからのショートカウンターです。中盤でのプレッシャーのかけ方がえげつなかった。そして、奪ってからが速い、と。ショートカウンターのミソはとにかくシュートまで持って行くというところにあると思いますが、ミドルシュートも含めて、そこまでのプロセスが実によく整理されていた。

 

 

そんなソリッドな組織を持つ琉球の前に藤枝はアップアップになっていましたが、ここで藤枝の大石監督は前半のうちから動きます。ボランチの沓掛に代えて、FWの小川を投入します。もちろん、中盤を1枚削ったわけではありません。FWで先発起用されていた越智をボランチに落として、中盤をテコ入れしたのですね。そして監督の思惑通り、これで中盤が落ち着きました。越智が落ち着かせたのですな、ええ、ええ。そうですよ、ダジャレですよ。

 

 

越智って愛媛とかにいた越智ですよね。その越智がFWで先発しいたのか。前線で起用されながらも、試合展開の中でボランチへとスライドするところなんかを見ていると、去年まで相模原に所属していた佐野を彷彿とさせます。ついでにいえば、琉球の側にも、「あれ!? こんなポジションで使われているの?」って選手がいて、それは岩渕良太。岩渕真奈のお兄さんですけど、この選手って中盤の底をメインとする選手でしたっけ? まあ、チーム事情ってヤツでしょうけど。

 

 

■後半

後半になって改めて全体の構図を眺めていると、いろいろと面白いマッチアップがありました。例えば、藤枝CBの望月と、琉球CFの松尾がマッチアップしていましたが、背格好のよく似たこの2人、ともに背番号が17番なのですね。あるいは藤枝左SBの佐藤将也琉球右SHの田中は、両人揃って7番。ついでに言えば、藤枝の佐藤はかつて琉球に所属していた選手だったりするという因縁まで持ち合わせている。合縁奇縁ってやつですな。

 

 

もっとこじつけるならば、藤枝も琉球も10番が左SHだったのですが、それぞれ名前が久富と富所。そう、2人とも名前に富が入っている。「だから何だ?」と言われると困りますけど、なんだか縁を感じてしまいます。・・・なにゆえ、こんなことをツラツラの書いているかの言えば、今ひとつ試合に動きがなかったからですね。特筆すべきことと言えば、例えば、琉球が元「浪速のゴン」を投入してきたとか、そういう選手交代くらい。

 

 

全体としては、前半同様に琉球が優位に試合を進めていましたかね。特にコーナーキックでは縦一列に並ぶトリック気味のサインプレーなんかを繰り出してきて、藤枝守備陣はてんてこ舞い。てんてこ舞い過ぎて、ファールスローを連発したりする。後半の半ばまでと、試合終了間際については、藤枝は何度も危険な場面を作られていた。そのたびにGKのパク・イルギュに救われましたけど、彼のスーパーセーブがなければ、ボコボコの得点差になっていたはず。

 

 

藤枝の時間帯は後半の20分から40分くらいまでの20分間ほど。この時間になると、さしもの琉球のプレスも緩くなって、左サイドなどにスペースが出来るようになっていたので、藤枝も小川や佐藤が躍動しました。なかでも存在感を発揮していたのがCFの大石。この選手、前半はなかなか効果的な働きを見せられてなかったんですけど、後半のポストワークは、けっこう見所がありました。足元に外連味がなく、見ていて気持ち良かったです。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

・大石篤人監督

□推薦理由

 

「誰やねん?」ってのは止めてくださいね。藤枝の監督さんですよ。藤枝ってホームではハーフタイムと試合終了直後に監督のマイク挨拶が入るんですね。ともに一言目が「すいません」だったところに御人徳が現れている、そんな大石さん。まだ38歳とお若く、スタイルもシュッとしている。スーツの着こなしもバッチリで、遠目から見ているだけでは、外資系企業の部長さんみたいなダンディさ。とりあえず『LEON』的な雑誌を読んでいそうな。

 

 

そんなダンディ大石、スマートなのは見た目だけではありません。本論中でも述べた通り、前半のうちから選手交代のカードを切り、その作戦変更が見事に的中するなど、戦術眼においても、なかなかスマートでございます。ただ、ここまで述べてくると完全無欠のいい男に思われるかもしれませんが、一つ、人間臭い一面も。それは、声が高いということ。しかも甲高いというより細高い。とてもチャーミングで、逆にホッといたしました。格好いいだけのヤツって同性から見たらいけ好かないですからね。