ワールドカップ各国分析〜コロンビア編【グループC】

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ザックジャパンコートジボワール相手に初戦を落とした瞬間、多くの「(自称)サッカーに関心のある」日本人にとって、ブラジルワールドカップの記憶は風化を始めたわけですが、一応、ワタクシはWCの全試合を録画を中心に見ました。で、その各試合のレポは少しずつ「ワールドカップTV観戦記」としてアップしておりますが、それと並行して、「ワールドカップ各国分析」もアップしていこうかなと思います。1週間に1カ国とすると、コンプリートするのに8ヶ月、2015年の5月、完全に皆さま「とっくにそんなこと忘れたよ!」って時期になってますけれども・・・。

というわけで、今回は世界に一躍その名を知らしめたコロンビア。

 

 

ペケルマンサッカー

 

この大会、前評判通りに躍進したコロンビアを率いていたのは、ペケルマンザッケローニが日本代表監督に就任する前、「次期監督は、この人か!」と日本のマスコミを騒がせたことでも、日本人サッカーフリークには馴染みのある御仁。アルゼンチンのアンダー年代を率いて素晴らしい実績を残し、さらに今回はコロンビアのフル代表をベスト8にまで引き上げた、紛れもない名将ですね。と同時に、この人は「南米のチームを率いてこそ、の指導者かもしれない」とも思いました。

 

 

コロンビアの強さの秘密は幾つかあると思いますけど、最大のものは、「相手がケアできていないエリアを攻略していく力」ということになろうかと思います。とにかくスペースを見つけ出すのが上手い。それを可能にしているのが、選手個人に備わった戦術眼、あるいは観察力だと思います。そして、スペースを見つけたら、臨機応変に攻略していく。そのためには、中盤の低い位置でもリスクマネジメントの上で、ガンガンにドリブルしていく。まさに戦術眼です。

 

 

戦術眼の優秀さは、「相手の嫌がることをかます」という部分にも見られました。例えば、試合の序盤においては、相手に敢えて攻めさせて、えげつないカウンターを仕掛ける。コロンビアが誇る前線の個に対する恐怖感を相手に植え付けるわけですね。それから、相手のタレントに対しては過剰なまでに潰しにかかる。結果としてファールになっても構わない。というよりも相手が「攻めるぞ!」ってなったタイミングでファールをして、リズムを狂わせている。もう、その辺は、とてもしたたかでした。

 

 

 

□ハメスロドリゲス

この大会が生んだ最大のスターはハメス・ロドリゲスでしょう。そのハメス・ロドリゲスと同じグループになったことは、日本にとって、せめてもの幸福だったかもしれません。レアルでもバリバリに活躍していますので、いまさらどういうプレーヤーかの説明をしたところで、弊ブログをご高覧くださっている御諸賢には釈迦に説法でしょう。一ついえるのは、「頑張れ、清武! 君はそこを目指すんだ!!」ということ。日本人では清武が近いかな、と。

 

 

さて、ハメス・ロドリゲスさん。一応フォーメーション的には4231のトップ下とか、そういう位置にマーキングされるんでしょうけど、実際の動き方を見ていると、ほぼほぼ2トップの一角と見て良かったんじゃないでしょうか。典型的なストライカーではないですが、純然たるトップ下といったイメージでもない。というかトップ下と表現するには得点力がありすぎる。他人を生かすのも得意なんでしょうが、自分で点を取れるから、生かす必要がない感じ。

 

 

で、こういうタイプの選手って、一昔前は少なくなかったですよね。いわゆる9.5番ということになろうかと思いますが、9.5番といえば代名詞はロベルト・バッジオですし、他にはベルカンプなんかも、こういうスタイルでしたよね。思えば、強かった頃のアーセナルでは、ベンゲルがこういうタイプを重宝していたような。44「1」1の「1」。そう考えると、近年に至り、一周まわってファンタジスタ復権しつつあるのかもしれません。