フォルラン中心のチーム作りっぽい〜東京ヴェルディvsセレッソ大阪(3月8日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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2015シーズン最初の生観戦は東京vs大阪。野球でいうところの巨人ー阪神でございます。

■前半

2015バージョンのヴェルディ、フォーメーションは今年も伝統の442でした。実際のところ、本当に伝統なのか、4231とか352の時代もそれなりにあったのではなかろうか、なんてことは置いておく。とにかくヴェルディ=読売=南米=442なのですね。そんなヴェルディは去年途中から富樫さんに率いられているわけですが、そういう継続路線が功を奏しているのか、切れ味鋭いカウンターはなかなか流麗。見るものを魅力しなくもなかった。

 

 

ミソは“丁寧さ”でしょうか。カウンターといってもロングボールの縦ポンではないですからね。《最終ラインからボランチボランチから2列目、そして2列目がラストパス》といった感じで、しっかりと繋いでいく。受け手と出し手の意志疎通もできている。だから小気味よい。この“流麗なカウンター”のキーマンは、少なくともこの試合の特に前半に限れば、南秀仁でしたかね。スペースでボールを受けてオールラウンドな選択肢があって、見所十分でした。

 

 

一方のセレッソ。キャンプ情報によると、フォルランカカウ、パブロの南米3トップとの噂でしたが、残念ながらカカウは欠場。キャンプ中、大阪に強制送還されたことが緒をひいているのかと思いきや、単純にコンディション不良とのこと。で、その影響もあってか、セレッソのフォーメーションは433(4123)ではなく4312(中盤ダイヤの442に近い)だったのですが、パブロが1列下がったことで“3人と7人に分裂”現象は発生せずに済んでいました。

 

 

この試合の見る限り、今年のセレッソフォルランの裏抜け能力を最大限に生かそうとしているらしい。扇原とかが低い位置でボールを持つと、フォルランが走る。そして、そこにロングフィード。ある程度、相手を引きつけて裏にスペースを作ってからカウンターを仕掛けるイメージです。で、前線にボールが届くと、そこからラッシュですね。相手にボールを奪われても高い位置で奪い返してショートカウンターを畳み掛けるような流れでした。

 

 

 

■後半

後半に入ると、あっさりとスコアが動きます。ヴェルディの後半ファーストアタックで、中後がエリア内で倒れ込みながらも粘って繋げると、そこに走り込んできたのはアラン・ピニェイロ。新助っ人が存在感を示しま

した。そうなると、セレッソとしては、同点に追いつかなければならないってんで、攻めまくります。そりゃそうです。ただ、如何せん攻撃のバリエーションが豊富でないというか、一本調子でして、歯がゆい展開に陥る。

 

 

セレッソに不足していたのは、主に2つの要素。英語をカタカナで言うとエレメント。一つはターゲットですね。パブロはそれなりにこなしていましたが、フォルランや玉田に、そこを期待しちゃいけない。いや、フォルランには期待したい。それから、もう一つ不足していたのはサイドアタックですね。中盤の左右がそれなりに開いてはいましたけど、SBが前の選手を追い越してセンタリングを上げるってシーンは絶対数として少なかった。

 

 

そこで、少し硬直した流れを攪乱させたかったのか、アウトゥオリ監督は関口に替えて楠神を投入。なんとも判断が難しかったですけど、たぶん扇原&山口蛍というWボランチにしたところまでは間違いないと思うんですけど、4枚にした前線が流動的だった。なんとなくフォルランはサイドに開いた気がする。楠神もサイド寄り。玉田とパブロがワントップとトップ下を入れ替わりながらバランスを整えているような。要するに、「4人でバランスを取って、うまいことやれ!」ってなイメージ。

 

 

ともあれ、そういう打開策を織り交ぜながら、少しずつゴールに近づいていくと、ようやく結果に結びついたのが、後半の34分。直接フリーキックのチャンスでトリックを組み込みつつ、フォルランがドッカンと突き刺しました。これで、がぜん、セレッソのペース。なのですが、そうは問屋が卸さない。直後にパブロが退場してしまいました。シュートを撃とうと足を上げたら、たまたまスパイク裏の先に相手がいた、みたいな。不運でしたが、まあ、仕方ない。これで再び風向きが変わり、厳密には無風になり、そのままドロー決着となりました。

 

 

 

■日本代表への推薦状

 

□推薦者

玉田圭司関口訓充

 

□推薦理由

割と忘れてしまいがちですけど、玉田も関口も元代表選手です。まだ玉田は、ワールドカップ本番でブラジル相手にゴールを決めているので覚えられているかもしれませんけど、関口が初期のザックジャパンに召集されていたことを、いったい、どれくらいの人々が覚えているだろうか。そんな2選手、2人とも元の所属クラブで不遇をかこつて、今季、セレッソに移籍してきたわけですけど、やっぱり代表に選ばれる選手には一芸がありますね。

 

 

まず、玉田については足元のテクニックが抜群ですから、松井大輔のようなトリッキーな技術を駆使してポストワークをこなしていました。地上戦における受け手としては白眉です。そして、関口。この選手は若手の頃から、よく走る。運動量にしてもスピードにしても素晴らしい。その運動量でフォルランや玉田のハードワーク不足を補ったと思えば、加えてサイドに開いてウイングっぽい働きもしたりと、持ち味を存分に発揮していたと思います。こういう、後年になってからも、「さすが!」って思わせる選手をハリルホジッチには選んでもらいたいところですね。