岡田節的「ドアボーイ」についてアレやコレや使いたくなってみる【アルゼンチンvsスイス】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■アルゼンチン 1 vs 0 スイス[WC準決勝  07月02日]

どのチームもそうですけど、まずはメッシを潰しにいきますよね。仮に攻撃に場面に移ったとしても、メッシ当番を2人くらい残しておかなければならない、そこまで波状攻撃を仕掛けることは出来ない。メッシはメッシで消される時間が多いので、必然的に静かな静かな消耗戦といった様相を呈する序盤戦になります。とはいえ、そんな中でもアルゼンチンは急所を突く縦パス、スイスはコーナーキックからの畳掛けで相手守備陣を脅かしていました

 

 

前半はアディショナルタイムがなかったのですが、それくらい緊張のある試合。ヒートアップした映像が前面に出てくるというよりも、熱さを内に抱えつつも、互いに我慢強くチャンスを伺うという、クレバーvsクレバーという45分の攻防。そして、後半に入るとガラッと雰囲気が変わる。アルゼンチンが攻めまくる。時間の経過とともに、ドンドンと攻め立てまくっていく。スイスはカウンターを仕掛けようにも、なかなかボールをキープできない。

 

 

大会を通じて、アルゼンチンって、後半に強かったですよね。この大会のアルゼンチンを牽引していたのは、メッシ・ディマリア・マスチェラーノといった面々だと思いますけど、これらの選手に共通する特徴は、「後半、尻上がりに存在感を増していく」というところ。きっと、この3人は、宮迫やら蛍原やらに対抗して「尻上がり目立ち隊」を結成しているに違いないのですね。あるいは、工藤静香生稲晃子・斎藤満喜子に対抗した「うしろ半分がんばり隊」なのかもしれませんが。

 

 

ともあれアルゼンチンは90分間で20本以上のシュートを撃ったにもかかわらず、スイスゴールを割ることが出来ないまま延長戦へ。さすがに疲れたのか、徐々にスイスのパスカットを受ける手場面が増えていきます。しかし、だからといって、心身ともに疲弊したスイスに、そのままカウンターでゴールを奪ってしまうだけのスタミナが残っているわけもなく。このままPK戦に突入するかと思われた延長後半13分、ついに試合が動きます。

 

 

決勝点のかたちは、中盤でボールを受けたメッシがドリブルを発動。スイス守備陣を翻弄し、かつ34人引きつけて、ただでさえ広大に発生していたスペースがさらにフリーに。そこに走り込んできたのがディマリア。流れるような展開の中で、美しく決めきりました。スイスも最後まで勝負を諦めず、ジュマイリのポスト直撃シュートなどもありましたが、最終的に勝負の女神はアルゼンチンに微笑みかけました。いやぁ、熱戦でございました。

 

 

 

何かの記事を読んでいたら、「このワールドカップで、最も良い解説をしたのは岡田武史である」みたいなことが書いてあって、正直、あまり共感できなかったのですが、この試合なんかを見ていると、確かに独特な感性を感じさせる。というよりも、さすがは大物、解説者に迎合しない。自分の言いたいことを言う。しかも、社会的成功者ですからその場の雰囲気の枠内でとかアナさんとのチームプレーを乱さない範囲内でという空気の読み方が絶妙に上手い。

 

 

そんな岡田さんが発した単語に「ドアボーイ」というものがあります。初めて聞いた使い方なのですが、どうやら、前線でラインの駆け引きをしつつ、相手最終ラインのブロックをオフザボールで崩しながらボールを引き出す選手のことを指すらしい。イメージ的には岡崎とか、そういうタイプの選手なんでしょうか。岡田さんいわく「我々は良くドアボーイというんですが」と言っていましたけど、これは「岡田さん近辺の我々」なんだろうか、それとも「日本のプロサッカー関係者界隈の人々」という意味なのだろうか。というよりも、ワタクシも今後「ドアボーイ」という用例を使って、読者に通じるのだろうか。通用するなら便利なんですけど。