ロシアの歴史的背景についてアレやコレや思いを馳せてみる【アルジェリアvsロシア】の周辺をウロウロと…★ワールドカップ各試合を振り返る★

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アルジェリア 1 vs 1 ロシア[WCグループH 06月27日]

前半の速い時間帯でロシアが先制しました。自陣でボランチの20番ファイズリンが持ち上がりながら、左サイドバックの23番コンバロフに展開。コンバロフが猛烈にオーバーラップしつつアーリークロスを入れると、ココリンが点で合わせました。折しもアルジェリアの10番フェグリが出血によってピッチの外に出ていた時間帯。アルジェリアにとってはアンラッキーでしたが、それくらい立ち上がりから激しいぶつかり合いになっていたということです。

 

 

ロシアは勝たなければならなかったので、序盤から「前へ!前へ!!」と、ドゥンガもびっくりなくらいに圧力をかけていく。推進力を発揮していく。ドラクエでいうところの「ガンガンいこうぜ!」モードだったので、アルジェリアもタジタジ。しかし、前半も30分を過ぎたくらいから、アルジェリアも強力な前線にボールが届くようになり、押し戻しはじめます。シンプルにボールを前に送れるチームは、押し込まれてもどうにか出来るので、こういうときに強い。

 

 

後半に入ると、リードしているロシアが、さらに攻撃的に。このあたりはハーフタイムにカペッロ監督がハッパをかけたということでしょうか。カペッロといえば守備的な指揮官というイメージが強いですが、この試合では2トップできたように、数多くのタイトルを冠してきた名将だけあって勝負師的な側面もあるようです。そして、勝負に出た以上、裏目に出ることもある。ブラヒミのFKに合わせたスリマニのヘディングシュートで同点とされてしまいます。

 

 

これで、決勝進出の条件を揃えることに成功したアルジェリアは、大柄MFのイェブダを投入。中盤の真ん中に相手の攻撃をはじき返せる選手を置くことで、逃げ切りモードへと移行します。一方のロシアは超攻撃モード。しかし、「どうしても勝ち越さなければならない」というプレッシャーからか、プレーに正確性を欠くようになります。そういうところは20年前までは社会主義だったお国柄、剥き出しの弱肉強食は不得手なのかもしれません。

 

 

 

というわけでアルジェリアが悲願の決勝T進出を果たした一戦となりましたが、互いが得点を狙い合うスリリングな好ゲームでしたね。どこぞの東アジアの島国と違って、ゴールへの最短距離をリズミカルに進撃していくから、見ていて爽快。尤も、そのための方法論はいささか違いました。アルジェリアはロシアの2列目と3列目の間に出来るサイドのスペースを使って長いパスを前線に通していく感じ。一方のロシアは、アルジェリアが比較的スペースを与えてくれましたので、そこをゴツゴツゴツとドリブル突破していくイメージでしたね。

 

 

ところで、両チームともに攻撃的だったんですけど、特にロシアは興味深かった。攻撃的に攻め立てるのですが、どうも、そこに悲壮感のようなものが漂っていたのですね。勝たないことには前途を切り開けないとあって、追い詰められたことによって、破れかぶれ気味に攻撃しているような印象。日本の慣用句を用いるならば窮鼠、猫を噛む。そう、ロシアは窮鼠(きゅうそ)だったのですよ。なんといってもロシアは、我々世代が義務教育の頃、ソビエト連邦でしたからね。文字通り旧ソ(きゅうそ)なのですな。