「単なる完敗。」ってな試合【日本vsUAE】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■日本 1(4) vs 1(5) UAE[アジアカップ準々決勝 01月23日]

決勝トーナメントですからね、アジアとはいえグループリーグのようにはいきません。序盤から、一進一退というよりむしろ基本的にはUAEのペースといった試合展開。そうなんですよ。強いんですよ、UAE。案の定、前半の10分も経たないような時間帯に日本は先制点を献上してしまいます。右サイドに流れたアメルがボールを持つとマブフートが走り出し日本の最終ラインを攻略。そこにピンポイントの縦パスが届いたところで勝負がありました。

 

 

今大会ここまでの日本代表は、アギーレを招聘した狙いが反映されて、「すっかり試合巧者になったなぁ」という印象を持っていたのですが、リードされると馬脚をあらわすといったら語弊がありますけど、ザック時代に顕著だった「狭いところ狭いところへの単調なリズムのパスワークばかり」という欠点が目立ってしまいました。それでも早い時間帯では、酒井のクロスから乾のヘディングみたいなシーンもあったんですけどね、時間の経過とともに、停滞感が募っていきました。

 

 

後半は、両指揮官の知恵比べ。早め早めの選手交代で目まぐるしくマッチアップ関係が変化していく。日本代表は後半の10分までに武藤と柴崎を乾・遠藤と交代させる。UAEも15分までにハッサンとファルカンを投入。そしてアギーレは後半の20分に豊田をピッチに送り込み、カードを使い切る。ただ、ストロングヘッダーの豊田を入れたのであるならば、利き足的に本田と武藤のポジションを入れ替えた方が良かったんじゃないかなと素人目には映ったのですが、どんなもんでしょうか??

 

 

でも、UAEはUAEで豊田をチェックしていたらしい。豊田対策としてベテラン長身CBのアハメドを入れてきました。これで高さが加わったのですが、ひょっとしたらアジリティは低下したのかもしれない。後半の35分に本田とのワンツーからゴール真ん前の一番狭いところに突っ込んでいった柴崎が、起死回生の同点シュートを豪快に突き刺しました。なんだかんだで追いつくところは、実況にもあったように日本の底力と形容して良いでしょう。

 

 

延長に入っても、日本の総攻撃は続きます。シュートを撃ちまくります。そして外しまくります。暗雲が立ち籠めます。そして、その先にあったのは・・・、長友の怪我。もうね、完全に負けパターンですよ。「試合運びが上手でない日本は、往々にしてこうなる」っていうやつ。日本が支配しているように見えて、裏ではUAEが、こっそりと勝利の女神様に取り入って、赤い糸を繋げてしまっていた、そんなイメージ。PKの結果も、PKですから偶発性の問題なんですけど、なんとなく必然のような気がする。

 

 

 

ベスト8で敗退ということで、いわゆる日本代表ファンの期待を裏切る結果となりました。でも、ここ数年、日本代表って「えっ、なんで負けたの?」って負け試合は少ないと思うのですよね。ほとんどが何らかの要素において相手に上回れた必然の敗北。この試合も素直にUAEが逞しかった。注目されていたアフロな10番のオマルに象徴されるように、全体的に中盤でのキープ力、ヘンなカタチでボールを失わないって部分で日本を凌駕していた。なんといっても足元の技術がしっかりしている。そしてフィジカルも強い。自信があるから、背筋がピンと伸びた状態でボールキープできるゆえ、常に広い視野を確保できる。UAEの選手は総じてそういうプレーが出来ていました。

 

 

日本代表に苦言を呈するなら、そういう相手にも、いつものように「ヌッ」と入ってしまったんですよね。最初の15分、慎重に相手の値踏みをしなければならない時間帯の使い方が日本人って下手なのかなぁと思ったりはします。残りの75分は日本のペースでしたので、課題は、そのあたりでしょうね。で、そのビハインドが最後まで尾を引いてしまった。結局のところ、互角、あるいはそれ以上の相手を攻略するあの手この手の勝負強さが不足していたわけで、要は力不足での必然的敗退ですね。監督とか特定の選手の責任ではなく、「まだまだ日本のサッカーは、その程度の成熟度だよ」という問題かと思われます。